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『人格弾』

50万ヒット記念50本リクエスト
№23『本人は何一つ疑わず当たり前だと思いながら変態的なことをしてしまうというシチュエーション』です。
 
それでは続きからどうぞ!
 
 
 
『人格弾』
 


 道行く女性を狙ってリボルバーの引き金を絞る。

 ハンマーが勢いよく銃弾の底を叩いて、銃弾に込められた推進力を発動させ、銃弾が女性の背中に向かって一気に飛んでいく。
 背中の中心を撃ち抜かれたその女性は、衝撃にたたらを踏みそうになったが、なんとか倒れずに持ちこたえた。手を背中に伸ばしながら不思議そうにこちらを振り返り――その動きが停止する。
「よし」
 リボルバーを構えた男性はその女性の状態を見て満足そうに頷くと、リボルバーのシリンダー部分をクルクルと回した。同時に女性に向かって近づき、声をかける。
「『気をつけ』」
 そう男性が支持を出すと、女性は手に持っていた荷物を取り落とすににも構わず、一本の棒になってしまったかのように頭の先からつま先まで力を込めた『気をつけ』の姿勢で固まった。
 男はシリンダーを回すのを止め、腰のホルスターにそのリボルバーを収納する。
 そして、無遠慮に女性の体をまさぐり始めた。その豊満な体を撫で回し、その柔らかさを堪能しているように見えた。細さや肌の艶を確かめ、化粧の濃さなどを観察する。
「……よし、服を脱げ」
 路上にも関わらず、男性の命令に躊躇なく従った女性は、あっという間に全ての服を脱いで生まれたままの姿を晒す。
 命じた男性はともかく、周りを行き交う人々すら何も言わなかった。
 男性は裸になった女性の体を改めて観察し、胸の先端部や秘部の状態を確認したのち、もう一度満足そうに頷いた。
「いいだろう。合格だ」
 ホルスターから銃を抜き、その銃口を女性の胸の中央に合わせる。
「お前は今日から俺のものだ」
 呟きながら、男性はリボルバーの引き金を何度も引いた。
 合計五回。
 放たれた銃弾は彼女の胸部を直撃し、かすかに彼女の体を震わせた。

 ただし、血も涙も流れなかった。




 道を歩いていたら、急に背中を強く叩かれ、何気なく振り返って――ふと気づいた時、私はご主人様の目の前に立っていた。
 ご主人様はリボルバーをホルスターに納め、私に向けて笑いかけてくる。
「気分はどうだ?」
「良好です。ご主人様」
 私はそう応えて、笑顔を浮かべた。ご主人様は満足そうに頷いている。
「よしよし。じゃあ行くぞ。着いてこい」
「はい、ご主人様」
 私はなぜか足下に散らばっていた服を避け、歩き出したご主人様の後に続く。
 ご主人様は威風堂々とした態度でこの辺りではもっともランクの高いホテルの中に入っていく。エレベーターに通されたご主人様は当然のように最上階へと案内され、そのスイートルームに入る。前室をいくつか抜けた後、ようやくベッドルームに来たご主人様は、勝手知ったるといった調子でベッドに腰掛けた。
「さて、と……『第三弾』から『第二弾』に変更」
 ぱちん、とご主人様が指を鳴らしながら言って――私は、驚愕した。
「ふぇ!? な、なにこれ!」
 裸の体を隠すようにうずくまりながら、私は困惑で頭が一杯だった。なんで私は今のいままで、こんな格好で平気な顔をして歩いていたんだろう。
 思い返すと顔から火がでるほど恥ずかしい。
 そんな私を、ご主人様――いや、違う。
 不審な男が見下ろしていた。
「よう。どんな気分だ?」
 その表情にはいかにも悪そうな笑顔が浮かんでいる。
「あっ、あなた、私に何をしたの!?」
 男の視線から体を隠しながら、私はそう問いかける。男は悠々とした手つきでホルスターからリボルバーを取り出した。
「こいつの銃弾には人格が詰まっててな。こいつを使って撃ち抜くだけで、その人格を人に植え付けることが出来るんだよ。『ハート』を撃ち抜くって表現があるが、ある意味こいつはそれに近い。つまりは『ハート』を作り替えてしまうわけだが、意味としては大して変わらないだろ?」
 何を言っているのかわからなかった。
「こういう形式じゃなくても、洗脳装置を使えば普通にそういう人間は作れるんだがな……やっぱり、町中で狩りをする感覚も捨てがたかったからな。こういうものを作ったんだよ。周りの人間の認識程度なら、ちょっとした発信器があれば弄れたしな。だから町中でお前を撃ち抜いても騒ぎにならなかったんだぜ?」
 私はこのキチガイから逃げ出したかったけど、不思議と体が動かない。大声をあげることも出来ず、私は目線を左右に泳がせることしか出来なかった。
 男は私の様子に構わず、淡々と説明を続ける。
「ちなみに、最初に打ち込んだ『第一弾』は人形化弾だ。俺の命令をただ実行するだけのモードだな。『第二弾』がお前の本来の人格を残しているものの、俺の前から逃げたり俺に危害を加えたりすることは出来ないようにしている上で、体は俺の命令に問答無用で従うようになっている。『第三弾』が身も心も俺に尽くす従者化弾だ」
 そこで男は一度言葉を切り、にやりと笑みを浮かべた。
「ちなみにそれ以外に人格弾はあと三つ撃ち込んである。それらがどんなものなのかは……使う時になったら説明してやるよ」
 まずは、と男は続けた。
「『第二弾』から『第三弾』に変更」
 ぱちん、と男の指が鳴る。びくん、と思わず体が跳ねた。
「早速だがお前に命令を下す」
「はい、ご主人様」
 そう応えながら、私はご主人様をご主人様と呼ぶのに若干の違和感を覚えた。ただ、ご主人様をご主人様と呼ぶ以外の呼称などないので、何かの気のせいだと考え直す。
 私がそう考えている間に、ご主人様は命令を下していた。
「口で俺を満足させろ。やり方はわかるな?」
「はい」
 私もそれなりに経験を持つ女だ。男性が『口で満足させて欲しい』と言った時、どうすればいいのかはよくわかっている。
 ベッドの縁に腰掛けているご主人様に近づいて、その足の間に膝を突く。
「失礼いたします」
 そう断ってからご主人様のズボンに手をかけ、ジッパーを降ろして中からそそり立つペニスを露わにした。ご主人様のペニスは元気よく勃起している。それを口にくわえて唾液をまぶす。苦い味が口の中に広がったけど、それは奉仕している証のようなものだからとても甘い味に感じた。
 さらに頭を前後させ、ご主人様のペニスの先端から根本まで刺激を与え続ける。舌を絡めて別の刺激を与えることも忘れない。ストローを吸うような息も合わせて、様々な刺激を同時にご主人様のペニスに与える。
「……おっ……こいつぁ……っ、なかなかっ……!」
 ご主人様は思いがけず刺激が強かったことに対してか、喜んでいるような気がした。私はさらに勢いをつけてペニスへの刺激を高めていく。
「……っ! いいぞっ、最高だ!」
 そういいながらご主人様が私の頭を押さえつけ、喉の奥で射精に至った。
「まだ飲むな!」
 その指示に従い、思わずむせそうになるのを必死に堪えて、口の中で精液を溜める。唾液と混じったその精液は、どろどろとした感触で口内中を満たしている。
 最後の一滴まで絞り出したご主人様は、少し笑いながら私の肩を押して、床に正座させた。
「ふぅ……口を開けてみろ」
 私は言われた通り、ご主人様に口の中がよく見えるように大きく口を開けた。精液と唾液の混じったものが口の中で糸を引いているのがわかる。精液の生臭い匂いが口内を満たし、鼻にまで抜けてきた。それでも特に不快には感じない。ご主人様の次の命令を待つ。
 ご主人様はその光景を見て満足したのか、微笑みを浮かべていた。
 指を鳴らす形を取る。
「『第三弾』から『第四弾に切り替え』」
 ぱちん、という音が耳に響いた瞬間――私はその口内に満ちている精液の匂いに何ともいえない顔をするしかなかった。
「……ふぉんふぁふぁめ?」
 そう目の前の男の人に問いかけると、彼は笑顔でそれを許可してくれた。
「いいぜ、飲めよ」
 私は唾液と精液混じりのそれを飲み込み、ドロっとした液体が喉を通っていく感触にさらに顔をしかめる。
「うー……にがぁ。ねえ、ちょっと口をすすいできてもいい?」
 次にそう許可を求めると、彼はそれも許可してくれた。
「ああ、でもどうせならついでにこれも処理してきてもらおうかな」
 そう男の人は言って、出しっぱなしになっていたペニスを示す。綺麗にしろということかと思ったら、ご主人様はそれをくわえるようにだけ言った。
 私は言われた通り、男の人のそれをくわえると、彼は実に悪そうな顔になった。
「よし、じゃあ行くぞ……っ」
 ぐっと、男の人のそれに力がこもったような気がしたら、彼は私の口の中で放尿し始めた。いきなりのことで驚いたけど、女は精液でも排泄物でも、男が出すものを何でも受け止めなければならないのは常識だ。常識知らずと言われたくはなかったので、アンモニアの刺激でそれを吐き出さないように堪えながら、便器にされることを受け入れた。
 そもそも『便女』と言う言葉もあるくらいなのだから、この扱いはむしろ妥当というものだろう。いままでのように、精液も排泄物も無縁だった私の人生の方が異常だったのだ。
 私はなるべく口の中で尿を溜め、溢れそうになる分だけを喉の奥に流し込んだ。
 すべてを出し切った男の人がようやく離れていい許可を出してくれる。
「よし、じゃあ洗面所に行ってこい。洗面所は綺麗に使えよ」
 私は口の中が尿で一杯だったので、頷くだけで男の人に応じ、急いで洗面所へと向かった。


 洗面所で口内に残っていた尿を捨て、綺麗な水で口の中を濯いだ私は再び男の人のいるベッドルームに戻った。
 男の人は相変わらずの笑顔で私を迎えてくれる。
「おう、どんな気分だ?」
「え? 別に……普通かな」
 気分が悪くなる要素も良くなる要素もなかったので、そう応える。彼はくっく、と楽しげに笑った。
「そうか。便器扱いされても、何とも思わないと?」
「え? 女だったらそれは別に普通のことじゃない?」
 この人は何を訳のわからないことを言っているのだろう。私の方こそ、男の人の言葉の意味がわからなくて困惑するばかりだった。
「ならいい。……では、早速だが俺の相手をしてもらおうか」
「わかったわ。けど、私初めてなのよ。だから、正直へたくそだと思うわよ」
「その歳で初めてか? さっきのフェラチオはずいぶん気持ち良かったが……」
「小遣い稼ぎでちょっとね。最近の子ならよくやってるんじゃない?」
 実際世間的にどうかは知らないけど、少なくとも私の友達には結構いた。
 男の人は不思議そうな顔で問いかけてくる。
「それなのに本番はしなかったのか?」
 私は思わず言葉に詰まった。
「……仕方ないじゃない。使ってくれる人がいなかったんだから」
 二十三歳で初めて、というのは確かにちょっと意外かもしれない。
 けれど、結局のところ便女を使用するかどうかは男性側の意思に委ねられているのだから、私にはどうすることも出来ないのだ。実際は私の方からセックスだけは絶対にダメだと言っていたような気もするが……気のせいだろう。便女が拒否できるわけもないし。
 それをわかっているのかいないのか、男の人は「まあいい」と話を打ち切ってしまった。
「それじゃあ、俺が初使用ってわけだ。少しは具合のいいマンコだといいんだが……」
 男の人はそういいつつ、私をベッドの上から手招く。私が近づいていくと、無造作に手を捕まれてうつ伏せにベッドの上に引きずり込まれた。
「その状態から膝を立ててみろ」
「こ、こう?」
 後ろに向かってお尻を突き出すような、なんとも情けない格好だった。セックスって、こんな格好でするものだったっけ。そんな疑問が少しだけもたげたけど、経験皆無の私より男の人の方がよっぽど詳しいだろう。大人しく全てを受け入れることにした。
「さすがにまだ濡れてねえか……」
 後ろから私のそこを覗き込んだ男の人が、そこに触れて呟く。
 そして、いきなり私のあそこに指を入れてきた。
「んんっ……」
「どうした? 苦しいか?」
「なんか……変な感じ」
 自分でそんなところに触れることなんてないから、何とも言い表し難い感覚だった。
 むず痒い、というのが一番適切な表現かもしれない。男の人は執拗にそこをいじり、その感覚を絶えず与え続けてくる。
「……んっ」
 そうこうされている内に、少しずつその感覚をどう受け止めればいいのか分かってきた。気持ちよくなってくる。じんわりとお湯にゆっくり浸かった時のような、気持ちよさが触れられている場所から広がってきた。
 それに身を任せていると、なんだか徐々に身体全体が火照ってくる。
「オナニーとかはしないのか?」
 そんな風にその人が問いかけてきたので、私は夢心地でそれに応える。
「……あんまり。……そういうの……気持ちよくならないし」
「ふぅん。もったいないな。こんな風に気持ちよくなれるっていうのに」
「……ほんと、もったいなかった、わね」
 ちゃんとした快感を与えられたあとだと、自然とそう思える。どうしてこんな気持ちのいいことをしなかったのかと。これからは毎日でもやりたいと思った。
 そうこうしている内にも、男の人の手は常に私の身体に刺激を与え続けていて、その場所の濡れ具合は十分なものになっているみたいだった。男の人の指が動く度、水音が響く。太股を何かの液体が滑り落ちるのを感じる。
 これが感じるということかと、私は自然と納得していた。
 やがて男の人の手が離れて、彼が少し体勢を帰るのがなんとなくわかった。
「これだけ濡らせば十分だろ」
 ようやく挿入準備が整ったらしい。私はさらなる快感を期待して、目を閉じる。
 真っ暗な世界に、指を鳴らす音が響いた。

「『第四弾』から『第二弾』に変更」

 ギアが組み変わるように頭の中で何かが組み変わる。
 私が正気を取り戻す前に、男は動いていた。すでに私のそこにあてがっていたものを、容赦なく私の中に突き入れてくる。
「まっ――ギャッアアアアアアアっっ!!」
 身体の中で何かが千切れる音がした。熱いものが入ってきた場所から、私は身体が裂けてしまうんじゃないかというほどの激痛を受けて悲鳴をあげる。
 それを楽しげに眺めている男は、満足そうに言う。
「『第四弾』はお前の意思は大枠で残しつつ、変態的な行為に対する拒否感を一切なくした……そうだな、端的に言えばビッチ弾とでもいうべきものだ。全てを抵抗なく受け入れていたから、中々気持ちよかっただろ?」
「ぬ、いてっ、ぬいてぇっ!」
 男の言葉に耳を貸す余裕なんてない。何とか男の物を身体から抜こうとするけど、男が腰を押さえていて抜くことが出来なかった。
「おいおい……抜くのは早すぎだぜ。こっからが楽しいところだってのに」
 男は意地悪く笑いながら腰を前後に降り始めた。当然、その動きに従って私の中が掻き回されることになり、私はさらなる激痛に振り回される羽目になる。
 血と愛液が混じったものが、白いシーツを汚していく。
「よし……っ、そろそろ……奥に出すぞ……っ!」
「や、やめっ」
 男は私の懇願なんて気にせず、容赦なく身体の奥に精液を吐き出してきた。
 私は初めて感じる場所に熱い感触を覚え、気を失いそうになる。
「ふぅ……やっぱり初物はいいな。締め付け具合が使い込んだ奴とは比べものにならん」
 勝手なことをいいながら、男はようやくペニスを抜いた。それは血やら何やらが混ざったもので汚れている。
 男は少し眉をひそめて、それを見て、舌打ちをする。
「ちっ、汚いな……」
 私の初めてを奪っておきながら、なんて勝手なことをいうのだろうか。怒りを込めて男を睨みつけてやろうとしたら、男が指を鳴らす寸前の形にしているのが見えた。ただそれだけのことに、心が潰れそうなほどの恐怖を感じる。
「もう、やめてぇ……!」
 私でさえ思わなかったほどの、弱々しい声が出た。
 けれど、男はその手の動きをやめようとはしなかった。
「『第二弾』から『第五弾』に変更」
 ぱちん、とスイッチが切れる音のように、その指の音は聞こえた。


 『第五弾』は少し特殊な弾である。
 指を鳴らすと同時に、目の前にいた女は直前まで浮かべていた泣く寸前の表情を消し、その目で俺を見つめると、急にニヤけた。
 そして、処女喪失の痛みにふらつきながらも、四つん這いのまま俺の方に向き直り、にゃあにゃあと言葉にならない声をあげて、俺にすり寄ってきた。俺がそんな女の顎の下を撫でてやると、ごろごろと気持ちよさそうな声を上げる。
「『第五弾』は猫化弾だ。文字通り心を猫化する弾なんだが……案外悪くないな」
 無防備極まりない笑顔で、女は猫になりきった様子でごろごろと寝転がる。白いお腹を堂々と露わにして、全力でくつろいでいる体勢だった。
 俺はそんな可愛らしい所作をする猫になった女に向かって、指示を下した。
「おい、ペニスを嘗めて綺麗にしろ」
「にゃおん!」
 基本的にどの弾であっても俺の命令は聞くようになっている。猫化弾でもそれは変わらない。
 くつろいでいた猫は、即座に起きあがって俺の股間に顔を近づけると、ためらいなく俺のものをその口にくわえた。そのまま舌でこびりついたものを綺麗にし始める。
 さっきまで泣いて嫌がっていた女が、いまは無邪気そのものの顔で俺のものにしゃぶりついている。この落差が洗脳の醍醐味だろう。そのためにも、色々な意味で落差を感じられる弾を選んで撃ち込んだつもりだ。
 猫になった女は嬉しそうな表情でしっかりと俺のものを嘗めて綺麗にすると、誇らしげに「にゃあ」と鳴いた。つい、こちらまで笑顔になってしまう。
「よーし、よくできたな」
 頭を撫でてやると、また喉を鳴らして喜ぶ。
 俺は最後の楽しみに移るべく、指を鳴らす動作に入った。


 そして私が気づいた時、部屋の中には誰もいなかった。
 ずきずきと痛むあそこの状態に顔をしかめながら、なんとか身体を起こす。
(また、『第二弾』に戻された……の?)
 自分の意識がはっきり残っていて、性的なことに対する嫌悪感があるということはそうなのだろうと結論づける。
「うっ……くそぉ……」
 大事に守ってきた初めてがこんな形で奪われるなんて思わなかった。
 別にいつか運命の人と会えると思っていたわけじゃないし、そんな人と理想的なエッチが出来ると思っていたわけでもない。そこまで夢見がちではないけれど、それでもやっぱりそれなりに考えて大事にしてきたものを、こんな普通なら絶対にあり得なかった形で失ったなんて、信じたくなかった。
 私はふらつく足で立ち上がり、なんとか脱出を試みる。
「男がいないうちに……なんとしてでも……っ!」
 男の説明を思い返せば、『第二弾』は逃げられないようになっているはずだったけど、だからといって全くなにもしないではいられない。逃げられないにしても、努力してからだ。
 男がどこにいるのかわからないのが不安だったけど、とにかくまずは部屋から逃げることを優先する。
 やたらと広いベッドルームの入り口は、これまた嫌味なくらい大きく立派な扉だった。そのドアノブに手をかけようとして――ドアノブに何かが引っかかっているのに気づく。
「……なにこれ?」
 ドアノブには極普通のコンビニ袋が引っかけられていて、その中にはいわゆる大人のおもちゃが入っていた。それと共に、メモが入っている。
『この部屋から出るためには、これを装着しなければならない』
「……うそぉ」
 私はコンビニの袋の中身を確認する。中にはローションと二本のバイブ、それからそれが抜けないように固定する腰ベルトが入っていた。
「うそでしょ……?」
 ここから出るためにはそれを身に付けなければならない。私はかなり悩んだ。けど、やはりここから逃げることが先決だと判断した。
 この手の物を実際に使ったことはないけど、大体の使い方はわかる。そういう情報はいまや至る所に氾濫しているからだ。目や耳を塞いでいたって入って来る。
 まずはローションをバイブに塗る。たぶん太い方が前に入れる用だと考え、先にそっちから入れてみることにした。部屋には誰にもいないから、立ったまま大きくがに股になってそれを前の穴に入れてみる。
 処女を失ったばかりの穴に、そのバイブはかなりきつかった。
「……っ、でも、はいっ……た……っ」
 持ち手の部分だけが外にでている状態になる。体の中に異物が入り込んでいるというのは不思議な気分だった。
 抜け落ちない内に、次に細い方のバイブにローションを塗りたくっていく。
「あー……大丈夫かな。ここ数日出してないし……」
 便秘とまでは言わないけど、もう充分溜まっていることだろう。そんな穴にバイブを突き入れても大丈夫なのか、少し心配になった。
 でも、ここまで来たらやめる選択肢はない。
「んっ……お尻って……入れづらい……」
 指先で穴の位置を確認しながら、そのバイブを差し入れていく。思ったよりもすんなりと、後ろの穴はバイブを受け入れた。
「ふ、ぅ……なんとか……はいった……」
 腰にベルトを巻き、そのベルトから垂れ下がっている股の間を通るベルトを調節し、二本のバイブが抜け落ちないように抑える。なんだかベルトで出来たマワシを身に付けているようで、変な気分だった。
 装着が完了したと思ったところで、ベッドルームの扉からかちんと鍵が開いたような音がする。
「やった……!」
 これで逃げられると、ドアを開ける。今度はリビングルームだった。
 やはり男の姿はない。
 私が抜き足差し足でその部屋に足を踏み入れると、突然その部屋に置かれていたテレビが点いて、何か変な番組が始まった。
『それではみなさん、素人でも出来る、自縛法のご紹介です。今回指導してくださるのはかの有名な縄師の――』
 ビデオか何かだろうか。急に始まった理由はわからなかったけど、とにかく脱出が先決だ。
 私が入り口に近づくと、そのドアノブには縄の束が引っ掛けられていた。
 これは、もしかしなくても。
 ドアをよく見ると、鍵穴のところにメモが張られていた。
『この部屋から出るには、上半身を自縛すること』
 やっぱり、と私は思った。
 このためのテレビだったのだろう。親切というべきなのか周到というべきなのか……若干呆れて言葉が出ない。
 それでも、逃げるためにはやるしかない。
 急いで縄の束を手に取り、テレビの前に走った。
 テレビは本当に初心者用の縛り方を教えてくれて、なんとか無事に上半身を自縛することが出来た。
 縄が私の胸を絞り出し、後ろ手に回した腕は手首のところを重ねて引き上げられた状態で降ろせない。正直自縛なんて、と甘く思っていたけど、案外強力で、もう自力では解けそうになかった。
「んっ……これ、歩くのも、しんどい……っ」
 ギシギシと縛られた体が悲鳴をあげる。ちょっと部屋の中を歩いただけで、私はもう倒れてしまいそうだった。こんな手を使えない状態で倒れたら大変だ。私はなんとかこらえて次の部屋に向かう。
 幸い、押し下げれば開くタイプのドアだったから、手が使えなくてもなんとか開くことが出来た。
 次の部屋には、椅子がたくさん並んでいた。
 それだけじゃなく、その上には一人ずつ裸の男性が座っていた。皆一様にニヤニヤとした嫌な笑みを浮かべている。
 私は思わず怯んだけど、なんとか堪えて部屋に足を踏み入れる。とにかく外に繋がる出口に向かわなければ。男の人の視線なんかに構ってはいられない。
 その部屋の入り口までたどり着く。そこには何もかかっていなかったけど、メモが張られていた。
『部屋から出るには、部屋の中にいる男達を全員満足させること』
 こうきたか、と思った。
 私が改めて見渡すと、男の人たちはにやりと笑みを深くした。仕方ない。これも外に出るためだ。
 私はまず入り口から一番遠い位置にいる男の人に歩み寄った。男の人は足を開いてそのそそり立つものを露わにしてくれる。
「ん……っ」
 慎重に膝立ちになって、その人のペニスを口に含む。生臭い匂いが口内に満ちたけど、気にしないようにして口を動かした。あの男にやったように刺激を加えていると、案外あっさりと男の人は射精に至ってくれた。その量が多くて、思わずむせそうになるのを、何とか堪えて全て飲み込む。
「よくできました」
 男の人はそう言って私の頭を撫でる。
 そして、何やら銀色のものを差し出してきた。
「これはご褒美です。つけてあげましょう」
 それは挟み込む形で取り付けるイヤリングのようなものだった。それが左右の乳首に取り付けられる。
 固くなっていた乳首が、強い力で金属に挟み込まれて、凄まじい激痛を生み出す。
「さ、次の人にどうぞ」
 まさかこのまま、全員分の『ご褒美』があるのか、と私は並んだ男の人の人数を見て、血の気が引く思いがした。
 そして、その予想はその通りだった。
「よくできました。ご褒美に開口具をつけてあげましょう。安心してください。フェラチオは出来ます」
「よくできました。ご褒美に鼻フックをつけてあげましょう。みじめな豚顔にしてさしあげますよ」
「よくできました。ご褒美に股間のバイブを動かしてあげましょう。足腰が立たなくなる前に逃げられるといいですね」
「よくできました。ご褒美にアイマスクをかぶせてあげましょう。次の人のところまではエスコートしてさしあげます」
「よくできました。ご褒美に足を片方ずつ降り畳んだ状態で縛ってあげましょう。動けなくなりますが、心配することはありません」
 そして、私は完全に動けなくなった。
「うう……うぁ……」
 散々飲まされた精液で胃が膨らんでいるような気がする。そんな身体の中からの苦しみもあって、私はもう足を縛られるまでもなく動けなかったように思えた。
 部屋の中で動けなくなった私を残して、人の気配が去っていく。どうやら男の人たちはこのためだけに用意されたエキストラだったようだ。
 そして誰もいなくなって静かになった部屋に、あの男の声が響く。
「楽しめたか?」
 まるで最初から全部見ていたかのように、男は言葉に笑いを含んでいた。
「『第六弾』はお前の人格はそのままに、全てを疑うことなく受け入れてしまう人格だ。超純粋弾とでもいえばいいのかな。お前はどう考えてもおかしなメモに言われるまま、バイブを挿入し、自分を縛り、そして男たちに奉仕をした」
 言われてみればその通りだった。私は全て男の手の内で踊らされていただけだったのだと、悔しい思いを抱えながらも、逃げようとする。
 けれど、全身を縛り付ける拘束具がそれを許してくれなかった。ギシギシと音を立ててるだけだ。
「まあ、しばらくは遊んでやるから安心しろ。飽きたら人形化状態で一生使うか、猫化して山奥に放つってのもありかもな?」
 男は自由をすっかり剥奪された私を軽く抱き上げる。
 心も体も、もはや私に自由は一つも残っていなかった。
 せめてもの意地で暴れようとするけど、不自由な体ではそれもままならない。
「おっと、暴れるな。……『この部屋から出るためには、俺を満足させる必要がある』んだからな」
 私はそう言われて、この部屋を出るためには仕方ないことなのだと理解した。男を満足させなければならない。この部屋から逃げるためには、そうするしかないというのなら、仕方ない。
 私は抵抗するのを止めた。

 そして、私は再びベッドルームに連れて行かれる。



『人格弾』 終
 
 
 
 

Comment

No.1259 / 名無しさん [#-] No Title

これまた名作ですねー!
人格のロード時間が無く瞬時に切り替わるのもグッド!
基本本人が無自覚なのが良いですねー。
これもまた応用の効きそうな設定ですし、続編に期待しておきます

2013-08/03 23:54 (Sat)

No.1260 / 光ノ影 [#-] Re: No Title

コメントありがとうございます!

> これまた名作ですねー!
そういって頂けると幸いです。
……ぶっちゃけ、中々誰からもコメントが来なかったので受けなかったのかと少々落ち込んでおりました(笑)

> 人格のロード時間が~
あえて一瞬にしてみました。ロード時間を作っちゃうとロボット(人形化)っぽいかなと思いまして。
無自覚なのはそういうリクエスト内容でしたのでそれに沿って設定しました。好評のようでなによりです。

> これもまた応用の効きそうな~
リクエストは続編を書きたくなるような作品が多くて困ります……(笑)
短編で要素を書き切れてないのがいかないのでしょうけど……機会があれば続編は書きたいと思いますので、その際はまたぜひご一読ください。

それでは、どうもありがとうございました!

2013-08/04 00:11 (Sun)

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