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AAさんからの頂き物です

『人頭犬』のコメント欄にてAAさんに頂いたSSです。
リクエストはこういう内容の物だったらしくて……上手く要望に応えることが出来なかったですね。

いずれリベンジしたいとも思っていますが……ネタというか、アイデアが浮かぶかどうか……。
余裕が出来たら考えてみたいと思います。

AAさん、掲載を許可して頂き、本当にありがとうございました!
それでは続きからどうぞ。
 
 
 
 
AAさんからの頂き物




「マジうちの先行うぜーし…」
 そうぶつぶつ文句を言いながら歩いていたのは歩万徳高等学園の生徒だ。
 名は乾 仁美(いぬい ひとみ)。
 ショートヘアにヘアピン、顔も悪くなく意外と巨乳な少女であるが口調と素行が荒いのが玉にきずな少女であった。
「なんだよ、家のペットを連れて行かなきゃねーんだよ」
 明日の道徳の授業で動物の命の重さを学ぶためペットを連れていかなくてはならないことになっていた。
 彼女の家にはトビーという犬を飼っていたがその犬が俗に言う馬鹿犬で、すぐ吠えるし散歩でも勝手に走り出すという手のつけられない犬であった。
 仁美の帰路が門前に差し掛かったところで、やはり庭にいるトビーに吠えられた。
 すぐ吠えるから夜眠れないし、親に捨てるように頼みたいがこの犬を拾ったのはアタシだったのだ。
 小六の時、死ぬまでしっかりお世話するから絶対飼わせてと言っていた当時のあたしを殴りたい。
 家に着いたら散歩しなくてはならないので、受験勉強もままならない。嫌々いいながらトビーの首輪にリードを付ける。
 散歩が始まったら案の定トビーはすぐに走り出す。足が遅いアタシはほとんど引きずられる形で街の中を回ってしまう。これもいつものことだ。
 一時間ほど歩き回り、もう街も暗くなった頃にやっとお家に戻ってきた。こんな、バカ犬を学校に連れていかなきゃと思うと憂鬱だ。
 家に着いてもなお吠えながら走るトビーに彼女は鬱憤がたまり、トビーを思い切り蹴りあげてしまった。
 トビーはキャインッ、と弱音を吐き弧を描くように飛んで落ちた。彼女は何も言わずに、何も思わずに家の中に入って行った。
 その時トビーはあたしの方をすごく見つめていたような気がした。その日の夜は珍しくトビーは鳴かなかった。

▲▼▲▼▲

 次の日の朝、あたしは自分が揺れているような感覚で目が覚めた。
 ああ、寝坊かも、はやく制服着て、ごはん食べて、トビー連れて…やだなあ、今日は休もうかなあ、と思って目をあけると、
 そこは街の中であった。あたしがいつも通っている通学路だ。
 良くみると、あたしは大きな人間の腕に抱えられている事に気がついた。
「捕まった!?」そう叫び、あたし腕でその腕を話そうと腕をのばす。その腕は犬の脚であった、アタシの飼っているトビーのものであった。
 喉元には首輪の感触があり、あたしを抱いている腕はあたしがいつも着ている制服の袖だった。
 もしや、と思い上を見上げるとやはりあたしの着ている制服が続き、襟の上にあった顔。そこには大きいトビーの顔があった。
 あたしは、その異形の風体に驚き、叫んだ。
「いゃああああああ!化け物ォォォォ!助けてぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「ワン!ワンワンワンワン!!」
 トビーはそう言いながらアタシの頬を抓った。あたしがいつもトビーを黙らせる時にやっていることだった。
 でも、こんなおかしいことすぐに皆に見つかって捕まっちゃう。そう思っていたら、向こうに見覚えのある鞄が見えた。
 あの鞄の持ち主は同じクラスの男子の都筑 人也(とづく じんや)だ。
「助けてええええええ!!」あたしは助けを求めた。その声に気づいたのか、都筑はこっちを振り向き帽子をとる。
 しかし帽子を取った都筑の顔は、いつもの顔ではなく、彼が飼っている柴犬のマンズの顔であった。
「ワンワン!」マンズはフレンドリーに手をあげ、あいさつのような会釈をした。トビーもわんわんと言いながら挨拶をした。
 あたしはこの状況に呆然していると、「相変わらず煩いな、仁美の馬鹿犬」聞き覚えのある音が下からした。
 あたしは下を見ると、リードに繋がれながら歩いている柴犬の体と都筑の顔であった。
「毎日毎日そんな叫んでると乾 ドビーも参るぜ。俺の都筑 マンズなら一日でお前を捨てるぞ」
 え?名字に犬の名前?あたしは困惑した。
「だっておかしいじゃない!?犬が人の顔になってるのよ?あたしも犬の体に…!」
「はあ?何言ってんだ、お前は?普通じゃねーか」
「ちょっと!都筑!頭大丈夫なの!?」
 あたしはあらぶっていた。やはり煩かったのかあたしはまた頬をつねられた。
 その後何人かとすれ違ったり出会ったりしたが、やはりみんな体は人で顔は犬であった。
 そのまま学校の前に差し掛かった。校門には巨乳風紀委員長が立っていた。しかし顔はやはり犬であった。
 学校で一位二位を争うほどの巨乳に白い肌という美しいプロポーションがブルドックの顔で台無しになっていた。
「バウバウバゥッ!」「ワンワンワン!」「ワン」「ワン!」
 三人…いや三匹はなにやら話している。多分あたしらのことだろう。やはりあたしらは人として見られていない。
 委員長は納得したのかあたしらを通してくれた。教室に入ると、そこは混沌としていた。
 人間はみんな犬の顔で、犬はみんな人間の顔である。しかし猫や鳥はそのままだった。逆転したのは犬と人だけだろう。
「あ、おはよーっ!!久しぶり!!」
 そう話してきたのはクラスで仲の良い剣川 忍子(けんかわ にんこ)だった。
 サイドテールの似合う元気な女の子だった。しかし、今は忍子の体も犬だった。
 あれは忍子が飼っているチワワのヒューマだった。もしやと思い剣川の席を見るとやはり顔はチワワであった。
「あれ?忍子…髪の毛は?サイドテールは?」「え?なにそれ?」
 あたしが気になったのはもう一つ、忍子のサイドテールが無かった。
「さいどてーる…?なんだっけ?初めて聞いたよ。うちはいつもこのカットだよ」
 どうやら、人間犬はみんなショートヘアらしい。あたしのヘアピンもついていないのに気付いた。
「ワォーン!!ワンッ!ワンッ!!」
 先生が入ってきた。担任の先生は若女教師で、スーツをきめたインテリ系の先生だった。しかし顔はやはり犬だった。
 先生がわんわん、となんか言うと生徒は立ちあたし達をつかみ移動した。
 そういえば、道徳は六時限目だ。その間は隣の部屋やロッカーの上に待たせておくつもりらしい。
 あたしも、トビーに掴まれ、隣の空室に入れられた。

▲▼▲▼▲

 チャイムがなった。そろそろ給食の時間だろう。
 あたしのクラスで犬を飼っているのは12人。多い方だと思う。
 全員に今の状況が変な事や元の世界の事を話しても妄言だとか冗談だとかと笑いとばされた。
 猫の声は判らなかった。世界は今、犬と人が完全に逆転してしまっているのだろう。
 そう思っているとドアがあきトビー達が入ってきた。トビーはあたしの前に来るといつもトビーに出しているドッグフードを出された。
 トビーの持っていたドッグフードの袋をよく見ると『マンフード』と書かれていた。
 犬と人が本当にあべこべだとか筆記は日本語のままだとか、ツッコミ所が多かったがもう今更そんな気にはならなかった。
 トビーはドッグフードを皿に沢山乗せていくと隣へ戻った。こんな、変な固形物食べたくないと最初は躊躇した。
「おい、仁美食べないのか?」と、都筑は言った。
 朝から何も食べていないし、お腹はへっている。食べたかったが人のプライドが許されなかった。
 しかし空腹も限界で、一個だけ、とそのドッグフード…マンフードを口にした。
 美味しかった。そこからは止まらなかった。あっという間に完食してしまった。
 自分のプライドがズタズタで、落胆していると、チャイムがなった。そういえば次の五時限目は数学だ。あたしは数学が得意だった。
 ここであたしが颯爽と問題を解いたらこの異常に気付くだろう、そう考えたあたしはこっそりドアを開け自分のクラスへ忍び込んだ。
 しかしクラスの黒板に書かれていた問題を見るとあたしは絶望した。その数学は大学、それも東大レベルの難問だった。
 犬は賢かった。わたしにはちんぷんかんで、眺めているとトビーがあたかも簡単な問題かの様にその問題を解いた。
 果てやクラス一の馬鹿男子までがあたしの分からなかった問題を解いてしまい、あたしのプライドは崩れ果ててしまいため息をついた。
 そのため息に気づいたトビーは先生に謝る素ぶりをし、あたしに吠えながらあたしの頬をつねり、隣に戻された。
 そして、道徳の時間が始まった。犬の顔をした人間たちが教室に入って来るとあたしたちペットを抱えて視聴覚室へ連れていった。
 プロジェクターで映された動物の授業。犬の声はわからないが書かれている日本語ならあたしにも読めた。
 そこにはやはり『地球の食物連鎖の頂点に立つのは犬』『人は犬の歴史と共に生きた。人は犬がいないと生きていけない』、
 やはり犬と人の部分だけ逆転している。他の動物の表記はそのままだった。あたしは、犬になったのだ。この現実に落胆して俯いた。

▲▼▲▼▲

 気がつくとあたしはトビーに抱えられながら帰路についていた。
 そして、家に着くとトビーはあたしの首輪をリードにつなぎ、散歩に行こうとした。
「そうだ、もしかしたら逆転していない人がいるかもしれない…!」
 あたしはかすかな希望に縋るように、走り回った。
 ペットショップでは、秋田犬顔の女店員が人の顔をした犬小屋を整理していた。
 ビルに備え付けられた大きなテレビには48人の犬顔のアイドルが踊っていた。
 道の傍らに捨てられていた雑誌を見ると『ねこのきもち』、そして『ひとのきもち』の本が捨てられていた。
 その傍には、段ボールに入れられた捨て人がいた。『拾ってください。名前は湾人です。』と書かれていた。
 しかし、すぐに作業服の犬に連れて行かれた。保健所の人だろう。犬が人を殺すなんて…。
 街には『ひとカフェ』と書かれた看板や『ひとみみメイド喫茶』と書かれたお店があった。
 アニメショップの前へ行くと、デフォルメされたセーラー服を着た犬顔が踊っているアニメが流れていた。
 病院の前の掲示板には『狂人病予防接種』と書かれたポスターが貼られていた。
 警察署では、犬顔のおまわりに、ドーベルマンの体の可愛い少女の顔をした警察犬…警察人がいた。
 どこへ行っても、どこまで行っても人は犬、犬は人になっていた。
 がむしゃらにあっちこっち走り回り、気が付くと家に着いていた。
 あたしは、もう助かる術は無いと落ち込んでいた。
 トビーはあたしの首に手をかけ、首輪を人小屋に備えつけようとしていた。
「もしかして、昨日蹴ったのが悪かったの…?」あたしは謝っていた。
「ごめんなさい…ごめんなさい…犬がこんなに大変だってわかんなかった…」
「もう…これからトビーの事、大事にするから…もう…戻して…」
 トビーは、牙をむいた。あたしから見ても、わかる。トビーは怒っていた。昨日の様に。
 そして、トビーはあたしを蹴りとばした。弧を描いて、あたしは飛んだ。
 気が付くと、トビーは既におらず、犬の顔をした母親の格好をした犬があたしにマンフードを差し出していた。
 あたしは、もうどうでもよかった。そのマンフードを食べ、あたしは眠りについた。

▲▼▲▼▲

 次の日、目覚めた。手をばすと肌色の手が見えた。
『…元に戻った!?』
 しかし、そこは犬小屋の中だった。元に戻ったら中にいてられないだろう。
 あたしは外に出て、窓に映った体を確認した。
 犬の体だが、肌色全身肌色だった。胸から尻尾まで毛が生えていなかった。

 そう、『体格』が、入れ替わっていたのだ。

 あたしの骨が、体が、トビーの体格になっていたのだ。
 その証拠に首元や右足に、あたしのほくろがあったからだ。
「あ、起きた?朝御飯よ、仁美。」
 あたしは体に驚いていると、そんな日本語が聞こえた。
 声のする方を向くと、人の体格になったトビーがいた。
 トビーはあたしの自慢の制服の上からでもわかる巨乳を胸に持ち合わせ、皿を手にしていた手は毛に包まれていた。
 トビーの耳には、あたしがいつも付けているあたしの大好きなヘアピンを付けていた。
 そして、トビーは日本語を話していた。
 『え、トビー、日本語がわかるの!?』あたしは、言った。
「う、今朝もワンワン、煩いわね…ま、あたしは学校行くわ。じゃあね。」
 『待って…』そう言おうとすると、あたしは日本語ではなく『ワンワン』と言っている事に気づいた。
「ワンワンワン!!ワン!ワン!(待って、トビー!謝るから!!ねええ!!)」
「ワォーン!ワンワン!!(ねえええ!おねがい!!)」
 あたしは、日本語が話せなくなっていた。
 ふと、犬小屋に張られていた『仁美』という名前のプレートを目にしたが、今の仁美にはそれすら読めなかった。




 
 
 
著者 AA さん
 
 
 
 

Comment

No.1253 / Torainu [#CNtCm3fU] No Title

面白い作品でした
犬の大変さがわかって謝っても、次の日には追い討ちをかけるような状況に
自分だけがおかしいと思っているため、悪夢じゃないかと信じたくなりますよね

最後、話し言葉は理解できても書き言葉はできないという風でしたが、もうちょっと設定を詰めればさらに面白かったかもです
もう一日かけて完全に知能を低下させる…とか(笑)

2013-07/28 13:36 (Sun) 編集

No.1254 / 光ノ影 [#-] Re: No Title

Torainuさん、コメントありがとうございます!

> 犬の大変さが~
ブラックさ加減が最高ですよね!
私だとここまでブラックな作品は中々書けないので、非常に勉強になりました。
これくらい救いのない話を書きたいような気もします。あくまで因果応報な感じで。

> 最後、話し言葉は理解できても~
なるほど、それは中々面白そうですね(笑)
知能が低下させられて、結局最初の人と犬の関係になるみたいな……。
まさに因果応報。そういうのが面白いですね。

それでは、どうもありがとうございました。

2013-07/28 23:44 (Sun)

No.1271 / 名無しさん [#-] No Title

このシチュはまさにド真ん中ですね
ペットと飼い主の首が入れ替わったならメス犬と入れ替わった男子やオス犬と入れ替わった女子もいるんでしょうね

2013-08/17 21:18 (Sat)

No.1273 / 光ノ影 [#-] Re: No Title

コメントありがとうございます!
返信が遅くなって申し訳ありません。

> このシチュはまさにド真ん中ですね
> ペットと飼い主の首が入れ替わったなら~
その発想はありませんでした。なるほど、確かにペットと飼い主の性別が一致しているところばかりじゃないでしょうね。
そう考えると、確かに雌犬と入れ替わった男子や、雄犬と入れ替わった女子もいることでしょう。
ただでさえ動物の身体になってしまって大変なのに、性別の差まで出来ちゃったら……中々難儀なことになりそうです(笑)

それでは、どうもありがとうございました!

2013-08/19 23:43 (Mon)

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