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『雑貨店へようこそ』 ~犬耳~ その3

 これは以前書いた雑貨店シリーズの『犬耳』の続きです。
 以前の話はこちら→  

 では続きからどうぞ。

雑貨店へようこそ ~犬耳~ その3





 とある休日。

 昼ごろに詩織を探してみると、詩織は台所にいた。
「………………」
 立ったまま、難しい顔をして詩織は何かを考えていた。
 私はそんな詩織に話しかけた。
「詩織、どうしたんだ?」
 私がやってきたことに気づいた詩織は、私の方をちらりと見て、再び視線を元に戻した。
 視線の先には冷蔵庫があった。
「……ひょっとして、夜中に冷蔵庫を開けましたか?」
「ど、どうかしたのかい?」
「あったはずの物が減っているんです。……牛乳とか、ソーセージとかチクワ、とか……」
 しきりに首を傾げる詩織。
 私は冷静な口調を装い、素知らぬ顔でとぼけた。
「ああ、ごめん。何かに使うものだったのかな? 夜中に目が覚めてしまった時、小腹が空いてしまってね……なんとなく食べたくなったものだから」
「そうでしたか。いえ、構いません。チャーハンを作ろうと思って、その中にチクワを入れようと思ったのですけど、なかったものですから」
 演技には気づかず、納得した風情で頷く詩織。
 本当に素直で真面目で……可愛い彼女だ。
 『あの状態』の彼女も可愛いけど。
「私も手伝おうか?」
「ありがとうございます」
 素直に手伝いを受け入れてくれる詩織。邪魔だとかそういうことは言わない彼女は本当に優しい。
 そんな広くはない台所で並んで料理をしていると、ふと、詩織が不思議そうな声をあげた。
「それにしても……」
「なんだい?」
 野菜を切りながらそう応じると、詩織は奇妙な顔のまま答える。
「……ソーセージとチクワに牛乳は合わないのでは?」
 さすがにその返答には困ってしまった。




「今日は危なかったな……」
 改めて詩織と昼前に交わした会話を思い返した私はそう感じる。
 何とかごまかしはしたものの、私の言い訳に詩織は完全に納得はしていないようだった。
「まあ、なんとかなるだろう。なぁ?」
 そう言って呼びかけると詩織は、
「わんっ!!」
 と、可愛らしい声で鳴く。
 すりすりと体を寄せてくる詩織。
「しかたないなあ……全く」
 だらしなく頬が緩むのを自覚しつつ、私は詩織の頭を撫でてやる。
 詩織の頭に生えている犬耳が手の中でぴくぴく動く感覚がある。

 身に付けた者の心を犬のそれに変えてしまう『犬耳』――。

 これを使って私は念願のペットプレイをすることが出来た。
 生まれたままの姿になっている詩織には、アナルに差し込んだ尻尾付きのアナルプラグがある。
 詩織が嬉しそうに身を捩るたびにぷらぷらと尻尾が揺れている。
 四つん這いで歩かせる関係上、手袋をさせており、膝のところにはちゃんとサポーターを付けている。
 普段の詩織はこの夜中に行われていることを知らないから、痕を残すわけにはいかないのだ。
 昨日は牛乳を飲ませた後、ソーセージやチクワを食べさせてみたのだが……それが原因で危うく露見するところだった。
 しかし、犬のように舌を出してぺろぺろとさらに注いだ詩織の姿はとても興奮するものだったし、ソーセージやチクワを犬食いをする詩織の姿は本当に犬のようだった。ちなみに当初はドッグフードを食べさせようかとも思ったが、人間が食べることを前提としていないため、どんな危険があるのかわからない。そんな危険を冒すわけにはいかなかったから、普通の食べ物をあげたのだ。
「さて……」
 『犬』の詩織を撫でてやりながら、私は携帯電話を見た。
 もうこの『犬耳』を使い始めて二カ月近く。
 これまではずっと家の中で行為に及んでいたが、そろそろ行動範囲を広げたいと考えている。
 そのための協力者が今日は来ることになっているのだ。
 そろそろ約束の時間だ――と、その時手の中の携帯電話が震えた。
 家の電話は音が周囲に響くので使わないことにしておいたのだ。
 携帯の通話ボタンを押すと、聴きなれた声が聞こえてくる。
『そろそろそっちに着くっス』
「わかった。夜中にすまないね」
『何言ってるんすか! リアルでペットプレイの現場を見せてくれるっつんなら、何をおいても駆け付けるっすよ!!』
 通話が切れて愉しげな声が途切れる。
 彼はずっと前にペットプレイを取り扱っているサイト上で出会った青年だ。
 色々と理由があって、オフで何度もあったことがある。お互いの性癖を知り尽くしている間柄だ。信頼できる同好の士、といったところだろうか。

 今日、私は詩織を始めて外に連れ出そうと思っていた。

 とはいえ、偶然にも誰かに出会ってしまったら終わりだ。騒ぎになって詩織に知られてしまう可能性もある。
 だから協力者はぜひ欲しい。周囲の警戒、軍隊でいえば斥候の役割を彼には果たして欲しいと思っている。
 彼にそういう話をすると、「もちろんオッケーっすよ!!」という快諾の返事がもらえたため、今日の運びとなったわけだ。
「さて……どんな反応をするかな」
 彼も色んなサイトを回ってペットプレイの画像や動画は見ているはずだが、実際に生で見るのは初めてのはずだ。
 どんな反応をしてくれるのか楽しみでしかたなかった。
 もちろん、最終的には彼にもあの雑貨店の話はしてあげるつもりだ。
 最初は余計なことは知らずにペットプレイの現場を味わって欲しいと思って、私は彼にまだ『犬耳』のことは話していない。
 詩織のことに関しては「本当の犬のように振る舞うように言ってあるから、話しかけたりしても無駄だよ」と言ってある。
 私は詩織を寝室に『お座り』の状態で残し――その態勢だと秘部が丸見えでかなり卑猥なポーズになる。なにより代表的な『犬の格好』だ――玄関を開けてあげるために玄関へと向かう。
 玄関の扉の傍に立って暫くして、静まり返ったマンションの廊下を誰かが歩いてくる音が聞えてきた。
 じっと待っているとドアの前で止まる。静かにドアがノックされたのを確認すると、私はゆっくりと鍵を開けてドアを開いた。
「どもっす!」
 これからペットプレイを見られるという感激からだろう。人のよさそうな顔をした彼はニコニコと笑っている。
「よく来てくれたね。まずは中に入ってくれ」
 私は思わず笑みを返しながら、彼を家の中に招き入れる。
 彼はもう我慢できないといった様子でしきりに家の中を見渡していた。
「で、『tuda』さん。詩織さんはどこに? いやー、あの詩織さんがペットプレイを受け入れるなんて思わなかったっすよ!」
 彼は詩織と面識がある。もちろん普段の詩織だが。
 私は全く事実とは違うことを真実だと思っている彼に、悪戯をしかけているような気分になった。そして彼はその悪戯に気づいていない。
 思わず笑ってしまいながら、彼を寝室の方へ連れていく。ちなみに『tuda』というのは私のハンドルネームだ。
「いや、私も意外だったよ。こんなことなら早く言っておけばよかったと思っている」
「そうっすよねー。もったいないことをしたって感じっしょ?」
 人懐っこい喋り方をする彼に私は笑みを返しながら、寝室の前まで来た。ドアはもちろん閉めてある。
「さ、この中だ。驚かないでくれよ?」
「前置きはいいっすから! 早く見せてくださいよっ!」
 うずうずとした様子で彼はしきりに手を揉んでいる。何となく卑屈な商売人のような仕草だった。
「いま開けるよ」
 言いながら、

 私はドアを開く。

 ドアが開いた先、目の前の位置。
 そこに、『お座り』の状態で待つ詩織がいた。
 頭に『犬耳』をぴょこんと生やし。
 裸の胸を恥ずかしげもなく晒し。
 膝を立てて開いているために秘部が丸見えになっていて。
 お尻の穴からは柔らかそうな尻尾が垂れている。
 首には無骨な首輪が巻きついていた。
 そんな姿の詩織。
 普段の真面目で楚々とした詩織の姿を知っている彼にしてみれば、衝撃的に過ぎる光景だろう。
 私は彼がどんな驚きの表情をしているのか楽しみに思い、振り返る。
「…………」
 彼は固まっている。
 だが、その様子が変だ。
 なんというのか、驚きで固まっているというわけではなく、不思議そうな顔をしている。
「…………? 『MASAKI』くん?」
 どうしたのだろう。これは私が期待していた反応ではない。
 『MASAKI』くんはたっぷり数十秒は沈黙した後、私の方を胡乱げな表情で見る。
「……『tuda』さん」
「……なんだい?」
 本当にどうしたのだろう。なんだか淡々とした口調で怖い。
「ペットプレイを見せてくれるって言いましたよね?」
「……? ああ、そうだが?」
 訳が分からない私に向かって、彼は続けて信じられないことを口にする。


「本物の犬を見せてくれても、嬉しくないんですけど?」


 驚かすつもりが、驚かされたのはこちらだった。
 その衝撃は言葉では言い尽くせないほど、凄まじい。
 最初は彼がふざけているのかと思った。
 念願のペットプレイを目の当たりにして、暴走を始めたのかと。
 しかし、彼の顔には真面目な顔が浮かんでおり、冗談や嘘をついているようには思えない。
 それはつまり――。
「…………本物の犬に見える? 冗談でも嘘でもなく?」
 思い至る結論はあった。
 しかし信じられなかった。だからそうやって念を押したのだが――。
 彼は当然のように頷く。
「見えるっすよ。っていうか本物の犬じゃなくてなんなんですか? きぐるみだとでも? 大きさ、詩織さんと同じくらいじゃないですか。入れるわけないっすよ。どうしたんすか『tuda』さん。酔っ払って幻覚でも見てるんじゃないんすか?」
 心底呆れているような眼で私を見る彼。
 その眼を見て――私は彼が私を逆に引っかけようとしている候補を消す。
 彼は本気だ。
 本気で、正気で、真実――今の詩織を『犬』だと認識している。
 それはつまり。
「……そうか。ふ、ふふふふ、ふ、はははは…………!」
 急に笑い出した私を見て、彼がドン引きしているが別に構わない。
 これを笑わずに、何を笑う?
 こんな、こんなことになっているなんて!
 そうだ。そうなのだ。
 私の想像が間違っていなければ、これは――この『犬耳』は――。

 装着した者以外には、装着した人物が本物の犬に見えてしまうのだ。

 そのことに気づいてしまった。
 これでもう誰かに見つかってしまうことをおびえなくてもいい。
 これまではカーテンをがっちりと閉め、万が一にも外から見えないようにしていたが、そんな必要はなかったということだ。
 色々と確かめる余地はあるが――この事実は素敵に過ぎる事実だ。
 とりあえずいつまでも『MASAKI』くんを放って笑い続けるわけにもいかなかったので、笑いを納める。
「くくく……ごめん、ごめん」
 ようやく笑い終わった私に安心したのか、『MASAKI』くんが恐る恐るといった様子で話しかけてくる。
「あの……大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫。頭が変になったわけでも、酔っ払っているわけでもないから安心してほしい」
 私は思わずこぼれそうになる笑いを抑えながら、まずは『MASAKI』くんに真実を教えることにする。
 部屋の中に入り、相変わらず大人しく『お座り』の格好でじっとしている詩織の傍に行く。
 背後に回り、詩織の体に腕を回して支えつつ、頭の上の『犬耳』に触れた。
「『MASAKI』くん、数秒だけ外すからちゃんと見ていてくれ」
「……?」
 訳が分からない様子の彼に、訳を分からせる。


 私は『外そう』と念じながら詩織に装着した『犬耳』を外した。


 瞬間、『MASAKI』くんが身体をびくり、とほとんど痙攣のように振るわせて「っ!?」と、息を呑んだ。
 目を限界まで見開き、呼吸することも忘れたかのように動きを止めている。ひょっとしたら心臓の動きも止まったかもしれない。
 それくらい見事な硬直だった。
 私は笑いながら、意識を失って力が抜けた詩織の身体を支えつつ、彼にその詩織の身体を示してやる。
「どうだい?」
「え、あ……? ちょ……え? 『tuda』、さん……?」
 混乱の極みだろう。彼にしてみれば先程まで完全無欠に本物の犬だったのが、裸の詩織の姿になったのだから。
「…………」
 呆然とあんぐりと口を開き、彼は固まっていた。
 私は詩織が目を覚まさないうちに『犬耳』を再度装着する。
 私には相変わらず詩織は詩織のままだが、彼の眼から見れば詩織が突然犬になってしまったように見えただろう。
「ええ!?」
 驚きの声を上げる彼に対し、とにかく落ち着くように示す。
「騒がないでくれ。ちゃんと一から説明するから」
 冷静な風を装いながらそんな言葉を口にする。
 そうしながらも、私は考えを巡らせていた。
 この『犬耳』は装着した以外の者には装着された者が本物の犬に見える――と、いうことは。

 白昼堂々詩織を外に連れ出しても問題ないということだ。

 その光景を想像すると、興奮に胸が張り裂けそうになる。
 私は詩織を連れ、彼を促しつつ、リビングへと向かった。



~その4へ続く~


Comment

No.113 / nekome [#lWxbDKCI]

おおおおっ?!
まさかそんな効果があったとはっ。
これならば、本物の犬を連れていけるところにはすべて、堂々と犬状態の詩織さんを連れていけるということですね。
それは……やらない手はない!

その「絶対にバレない」状況に、彼がいつまで満足をしていられるかはわかりませんが(邪笑)

2008-11/16 21:14 (Sun) 編集

No.114 / 光ノ影 [#-]

 nekomeさん、感想コメントありがとうございます!
 そうです、犬耳にはなんとこんな効果があったのです! 店員がなぜ彼に伝えなかったのかというと……たぶん忘れてたんですね(笑)。
 白昼堂々連れ回せるなんてとんでもないですよね。やらない手はありません!

 確かに、いつかこの状況に飽きた彼がとんでもないことをしそうで怖いですね。
 

2008-11/16 23:58 (Sun)

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