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『あなたの望みを叶えてあげる』 ~復讐賛歌~ 第八章

この話は以前書いた『あなたの望みを叶えてあげる』 ~復讐賛歌~の続きです
以前の話はこちら 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章

(今回の話は性的な意味ではなく、普通の暴力的な表現がかなり含まれます!)
(また、異形的な意味で気持ち悪くなりかねない表現もありますので閲覧の際は十分ご注意ください!)


では続きからどうぞ
『あなたの望みを叶えてあげる』 ~復讐賛歌~ 第八章



 いきなり腹を踏み潰され、全身に走った激痛によって愛実は目を覚ました。
「ぐぇっ! が――ぼぼッ、えうッ!?」
 目を見開いて口を大きく開き、その口から大量の白い液体を吐きだす愛実。何が起こっているのか理解出来なかった。咄嗟に暴れようとするが、手足はまるでいうことを利かず、苦しみに悶えることしか出来ない。
「いつまで寝てんのよ、この愚図」
 絶対者の言葉が降って来る。愛実の見開かれた視線の先に、彼女の腹部に足を載せた冴美が立っていた。下半身は裸であったが、その堂々たる立ち姿は女王のそれだ。
 当初、かなり不機嫌な表情を浮かべていた冴美だったが、急に笑顔になってその足をもう一度愛実の腹に振り降ろす。
「ぇあぉっ!」
 それに呼応するように愛実の口からはまた白い液体が大量に零れた。
「もう二回目の死を迎えるなんて、堪え性のない馬鹿ねぇ」
 愛実の腹を上履きで踏みにじりながら冴美は吐き捨てる。彼女の言葉を聞いた愛実は、自分がどうしてこうなっているのかを思い出した。その顔色が一気に悪くなる。
 そんな愛実の変化を楽しんでいるのだろう、冴美は少し足の力を緩めながら口を開いた。
「どこが変わっちゃったのか、知りたい?」
 背筋が凍るほどの邪悪な笑みを浮かべた冴美に対し、愛実はいまだ冷めやらない反抗心と、それ以上の怯えを滲ませながら頷く。冴美は一人で大笑いした。
 笑われたことに愛実が不快感を抱くのとほぼ同時、愛実は自分の身体に起きている異変に気付く。
「んごっ!? ぅ、ぁあああああッッ!?」
 苦しげに声を上げる愛実を、笑いながら見下す冴美はその顔に刻む笑みをさらに濃くする。
「そうよ、気付いた?」
 冴美はわざとらしく愛実の腹部を踏みにじる。
 その愛実の腹部は、臨月間近の妊婦もこうはならないだろう、というほどに膨れ上がっていた。
 大量に水を飲まされたとか、大量にお尻の穴から液体を注がれたとか、そんなレベルではない。仰向けに寝転がった愛実が、立てているはずの膝が腹部に隠れて見えないほどに膨れ上がっている、といえばどの程度異常なのかは分かるだろう。もし四つん這いになれば確実に腹を地面にこすりつけながら動かなければならないほどの膨らみだ。何リットルの白い液体がそこに詰まっているのか、それすら正確にはわからないレベルの膨らみようだった。
「あなたがあまりにも吐き出すから、それを見かねて、ね。これでいくら飲んでも限界が訪れることはないわ。もっとも、身体の方が持つかは知らないけど。私が言ったのはただ『もっと大量に注がれても平気になるように』だから。限界も適量も決めてないから、いつ爆発するかもわからないわ。それに――」
 冴美は愛実の腹部を蹴り飛ばす。水の詰まった袋を蹴り飛ばした時のような鈍い音がして、愛実はそれと同時に走った激痛に全身を震わせることになった。
「苦痛に関しては全く弄ってないから、どんな感じなのか私もよくわかってないのよね……でも、その様子を見る限り、普通に普通程度の苦痛を受けてるみたいね。こんなに液体が注がれることなんて普通はないでしょうから、普通以上の苦痛を受けてる……ってことになるわね」
 入れ過ぎたらいずれ発狂してしまうのかしら、と冴美はどうでも良さそうに呟く。
「ああ、あとそれとね?」
 冴美は何気なく近くに立っていた女子生徒の腕を掴むと、

 その腕を引き抜いた。

 愛実が限界以上に目を見開いている間に、冴美はその女子生徒からもう片方の腕も引き抜くと、両腕を失った女子生徒を蹴り飛ばしながら両手に持ったその女子生徒の両腕を愛実の前で揺らして見せる。
「すごいでしょ? 女の子は皆、人形みたいに手足を抜き取れるようにしてもらったの。血も出てないのは見えてる? これを……」
 冴美はその腕の断面を、愛実の肩口に合わせた。すると、まるでその腕自体が愛実に寄生するように血管や骨を伸ばし、愛実の身体を抉りながら張り付いてくる。
「ぐぎゃああああああ!!」 
 例えるなら身体にドリルで穴を開けられたような痛みが愛実の肩に生じていた。その激痛は暫くして消えたが、代わりに異様な違和感が愛実の頭に襲いかかって来る。
「大きくなったお腹を支えるには、腕が二本だけじゃ足りないでしょ?」
 まるで親切でやってあげたかのように、冴美は笑みを浮かべていた。愛実は四本の腕が自由に動かせることに気づいて愕然とする。
 その動きは、まるで。
 愛実が連想したそれを冴美も連想したのか、お腹を抱えて笑い始める。
「ああ、とてもいい格好よ愛実! 虫みたいっていったら虫に失礼よね! 気色悪い!」
 容赦のない冴美の言葉は愛実の心をズタズタに切り裂いていく。化け物と化して行く自分の身体を作った張本人に対して、憎しみではなく恐怖が芽生えるようになっていた。
「うぅっ、うぁ……」
 それでも納得のいかない愛実は冴美に目でそのことを訴える。愛実の気持ちを読んだのか、それとも最初からそれを予想していたのか、冴美は笑いを堪える顔で言う。
「一回死んだら改造されるのは一か所だけじゃないか、って言いたいんでしょ」
 意図が通じた愛実は必死になって頷く。
 その愛実の目に、冴美の指がめり込んだ。
「う、ああああああああッッ!?」
「誰が、一か所なんていったのかしら? 死ぬたびに身体のどこかを改造する、としか私は言ってないわよ」
 眼球を掴んだ指を回転させながら冴美は言う。その度に愛実の視界はぐるぐる回り、自分の意思ではなく、超常的な力でもなく、暴力によって視界を勝手に回される気持ち悪さに、愛実はまたその口から白い液体を逆流させる。
 それが腕にかかった冴美は、顔をしかめた後――愛実の眼球をその眼窩から抜き取った。細い何かが断絶する、異常な感触が愛実の頭の中で弾ける。
「あっ、ぇ……っぅ、あ……?」
 激痛に悶えるはずだった冴美はおかしなことに気付いた。眼球が抜き取られたはずの目からは痛みが生じないのだ。それどころか――視界が暗転すらしていないことに、気付いた。
 右目の視界は普通に見えている。問題は抜き取られた左の視界だった。教室の様子が見えている。異常な行為が続いているというのに、全く関係なくいつも通りの生活を送っている男子生徒達が、その男子生徒達から事あるごとに何気ない暴行を受けている女子生徒達が、腕を失って途方に暮れている先ほどの女子が――見えている。
 急にその視界が回転して愛実は気持ち悪さにまた吐いた。
「ほんっと、汚いわね……ちょっと目玉抜かれたぐらいで吐いてんじゃないわよ」
 くるくると手の上で愛実の眼球を回しながら、冴美はそう言った。そんな無茶なと愛実は思ったが、反論することなど出来はしない。冴美は何気ない調子で眼球を回しつつ、愛実に説明を始めた。
「見ての通り、あなたの目は簡単に着脱できるようになったの。これで眼孔姦も簡単に出来るわ、良かったわね」
 言いながら、冴美は愛実の口を開かせ、そこに手に持っていた眼球を放りこんだ。
「んごっ!?」
「呑みなさい。吐いたら潰すから」
 とんでもない宣告に、愛実はどうしようもなく、自分の眼球を丸ごと呑み込んだ。人間の眼球というものは想像されているよりずっと大きく、愛実は喉を眼球が通過して行くのをはっきり感じる。その感覚にまた吐きそうになるが、吐いたら潰されると言われている以上、吐き気を堪えて呑み込むしかない。眼球が胃に到達してようやく一息ついた愛実は、左目の視界が完全に暗転しているのを気付いた。人の体内に灯りはないからそれも当然だったが、視界に振りまわされることが無くなったため、少しだけほっとする。
 それを許さぬとでも言いたげなタイミングで、冴美が言葉を投げつける。
「ちなみに、その眼球は丈夫で、消化吸収されたりはしないから安心しなさい。下から出てきたらまたつけてあげるから」
「……っ!」
 冴美はどこまで自分を蔑に――否、蹂躙すれば気が済むのか。愛実はそんな憎悪と呼ぶのも生ぬるい感情を冴美の中に育ててしまったことに戦慄していた。因果応報とはよくいったものだが、さすがにこれはその限度を遥かに超えている。
 怒りを恐れが凌駕していた。
 そんな感情を向けられていることなど知らないというように、冴美は愛実の首輪に繋がる鎖を引き、命じながら歩き始める。
「ついてきなさい、愛実。あなたにもっと、この学校の『今』を教えてあげる」
 拙く四本の腕を使って体を捻り、四つん這い――六本だが――になりながら、愛実の身体は大人しく冴美の後を付いていく。
 四本の手で、バカでかいお腹を抱えた隻眼の少女は、はしたなく垂らした下から大量の唾液を零しつつ、必死に冴美の後を追いかける。これ以上何かされてはたまらないという想いが彼女の身体を動かしていた。それは本心がどうであれ、愛実が徐々に冴美に歯向かう気を無くしているという証拠でもあった。


 学校はどこに行っても酷い物だった。
 いたるところで女子生徒は男子生徒の手によって暴行されたり、あるいは用意された設備によって苛め抜かれたりしていた。トイレでは当たり前のように大量の浣腸を注がれ、身体の中身を入れ替えるような排泄を強要されていたし、更衣室は至るところにテレビ局並みのカメラが設置されていて、その映像はインターネットを通じて世界に配信されていた。購買では精液や排泄物を主に使用した料理しか並ばない。ごく稀に正気を保っている生徒もいたが、そういう生徒は教室に設置されていた便器代わりの女子達と同じように、周囲の生徒から手ひどく苛め抜かれている場合がほとんどで、その悲惨さと来たら目を背けるしかないほどのものだった。
 何よりも愛実の心を抉ったのは、
「あまり変わらない光景よねぇ」
 という冴美の言葉だった。
 そう、色々な面でグレードがアップしているとはいえ、愛実やクラスメイト以外の生徒達に行われていることは、昨日まで愛実が冴美に行ってきた行為と同じものだったのだ。それを皆傍観していた――あるいは共謀して楽しんでいた――だけで、対象が全生徒に広がったという点以外は、確かに昨日までの学校でも見られていた光景だった。
 それを見せ付けている冴美は、愛実をどこまでも精神的に追い詰める。
 ただ、学校の中を見て行くうちに愛実はおかしなことに気付く。彼女が見た範囲で、男子生徒や教師は特に何もなかったかのように――思い出したように女子に暴行を加えているとはいえ――振る舞っている。女子生徒に対しては容赦ない報復を行っている冴美が、なぜ男子生徒や教師には報復を行っていないのか。それが不思議だった。
 冴美の怒りは女子だけに向いているのかと愛実は思ったが、その時丁度冴美が口を開く。
「ああ、そうそう。そういえば愛実。別に彼氏ってわけじゃなかったみたいだけど……あんたと仲の良かった男子がいたじゃない」
 愛実はびくりと身体を震わせる。冴美はわざとらしく、思い出しながら話している風を装って言葉を続ける。
「ホント仲良かったよね。私を苛める時にもよく手伝ってくれてたみたいだし……そうそう、一度私が頬骨を骨折したのも、興奮し過ぎたあの男子が私を殴ったからだっけ。あの時はさすがに問題になるかな、って思ったけど、結局学校も病院には私の不注意でとしか説明しなかったのよね」
 くくっ、と冴美は笑う。その笑いにどんな感情が籠っているのか想像すると、愛実は心が凍えるようだった。
「……犯されたりも、したし……あんたより私の方がずっと深い仲だけど」
 この場合の深い仲、というのは当然ながらいい意味ではない。
 むしろそれは最悪に結び付く事実だ。
 冴美は自分を嬲った男の話をしながらも笑顔だった。
「愛実も彼に会いたいわよね?」
 それが何を意味するのか、愛実は感づいていた。
 冴美は愛実の手綱を引いて、一つの教室の前に立つ。そこは普段授業が行われている教室とは違う、空き教室だった。そこは人気が少なく、学校の敷地の内側に面しているということで、派手な悲鳴を上げそうな行為をする時に冴美が連れて来られていた場所だった。
 トラウマしかない場所になど、普通は近づきたくもないだろうが、冴美は躊躇うことなくその教室の扉に手をかけると、躊躇なく扉を開いた。

 同時に、中から悲鳴が迸った。

 びくりと身体を竦ませる愛実に対し、冴美はあくまで笑顔だ。
「仲良くやっているようで何よりだわ」
 その冴美の言葉に反応して、部屋の奥から一人走り寄って来る者がいた。
「お、お前ッ、お前! 頼む、もう許してくれ!」
 無様に転びながら、這いずるようにしてその人間は冴美に近づく。笑みを浮かべていた冴美の表情が一気に氷点下に下がった。
「ひッ」
 その目に呑まれたのか、近づこうとしていたその者は動きを止める。笑っていない目をしながら、冴美の唇が柔らかな弧を描く。
「随分、変わったわね」
 そういう冴美の目の前で動きを固めているその存在は、震えが止まらない様子でその華奢な身体を縮ませていた。
「私の足くらい太かった腕がずいぶんと細くなっているし、声もかなり高くなったわね。もうすっかり女の子、って感じじゃない」
「な、なぁ、頼む。もうこれ以上は……っ」
 その時、その女子の視線が冴美の足元に這い蹲る愛実を見た。異形と化してしまったとはいえ、顔自体が変わってしまったわけではない。当然愛実が愛実だとわかる。
「まな、み……?」
 息を呑んだ様子のその女子に名前を呼ばれ、愛実は直感した。
 その女子にしか見えない者こそ、愛実と仲が良く、冴美を甚振る時によく協力を仰いでいた男子だと。
 冴美は驚愕する両名を眺めながら、楽しげに説明を始める。
「ええ、お察しの通り……この子が彼よ、愛実。彼には特別待遇を受けてもらっているわ」
 その視線の先には、部屋の中にいた生徒達に向けられていた。その生徒達は今の状況に対して反応せず、ただ虚ろな眼をして様々な凶器をその手に持っていた。バットやパイプは可愛いもので、中には凶悪な形をした武器を持っている者もいる。
「彼の元仲間達に協力してもらってね。リンチを受けてもらってるの。そして、死ぬたびに徐々に女子に近づくようにしてあげたのよ」
 これで少しは女子の気持ちがわかるでしょ、と冴美は何気ない調子で言った。
「ちなみに、他の男子達も当番制で女子になってもらうことになってるわ。そして、当番女子以外の男子に……犯されることに、なってる」
 言いながら冴美は口を抑えた。吐き気を堪えた冴美は忌々しげに顔を歪める。
 『女子になって犯される』というのは、男子に女性の気持ちを理解させるための処置だったが、冴美ほどその女子の気持ちを理解出来ている女子はいない。彼女は男性器を見るのも嫌になっており、それに対して吐き気しか覚えないのだ。
 だから女子のように男子を辱めることはしなかった。出来なかった。代わりに、女子に変えてしまい、その気持ちをわからせるようなことをさせるつもりだった。
「とはいえ、それじゃあ他の男子達には良い思いをさせることになっちゃうから……犯す男子生徒達は射精が苦痛になるように変えてあるわ」
 本来快感が伴う行為である性行為が苦痛しか感じないものにさせられてしまったら、それはさぞ地獄であろう。性欲旺盛な若い彼らならなおさらだ。それだけでも彼らにとっては十分罰になっていると言える。
「でも、いずれこの学校を卒業すれば元に戻るようにしてあるわ。……私ったら甘いわよね」
 溜息を吐く冴美。
「まあ……ここの彼には、完全に女の子になったら、うちのクラスメイト達みたいに、永遠にこの学校を楽しんでもらう気でいるけど」
「うぁッ、うぉぅっ!」
 愛実が抗議するべく声をあげるが、それは人の言葉にならない。
 それもまた冴美の仕業だと感じたらしい元男は、明らかな敵意を冴美に向けた。
「て、めぇ……ッ、いい加減にしろよっ! 愛実をこんな風にしやがって! こんなことをしていいとでも思ってんのかよ!?」
 身体が女子になっても、まだ男としての気の強さは残っていたようだった。女子になった彼は冴美の襟首を掴んで捻りあげる。よほど力が込められていたのか、服のボタンが数個外れて落ちる。
 それでも、冴美は慌てなかった。
「……こんなことをしていいとでも思ってんのかよ?」
 冴美が凄まじく低い声で呟いたかと思うと、その手で軽く元男の右肩を押す。
 嫌な音が教室中に響き渡った。
「い、ぎゃああああああッッ!?」
 途端、元男は押された肩を手で抑えながら床に倒れ込み、まるで銃で撃ち抜かれたかのようにその肩をもう片方の手で抑えて悶え転がる。
 冴美は絶対零度の視線を元男に向けながら、ゆっくりと歩みよる。
「あなたがそれを言う? 私に対してあなたがした全ては、あなたにとってはそういうことじゃなかったの?」
 肩から先が動かなくなっているのか、無造作に投げ出されていた元男の右腕を冴美は足で踏みつける。そんなに勢いをつけて踏んだようには見えなかったが、踏まれた右腕からは骨が粉々に砕ける嫌な音が連続して響いた。
「ぎゃあああああああああああああああ!!!」
「学習能力ないのね。言ったじゃない。私があなたに触れる時、あなたの身体は軟体化するって。ちょっとの衝撃で骨が砕けて激痛が走るって……散々教えてやったでしょう?」
 何度も足を踏み下ろし、骨を砕く箇所を変えながら冴美は元男に対して言う。
 まさに軟体生物のタコの触手のようになってしまった腕を蹴りながら、冴美は倒れている元男の足を手に取った。
「ひっ、やめ――あぎゃっ!」
 冴美が軽く横に引いただけで、元男の脚は根元の関節が壊れ、冴美の成すがままに足を開かされた。元男の股間にはすでにペニスがなく、肛門とスリットが見えるだけだった。
 観察しながら冴美はそのスリットに触れた。
「ここもすっかり女の子ね」
「も、もうやめ……」
「は?」
 拳を握った冴美は、その拳を元男のスリットに叩きこんだ。いかに細い女性の腕とはいえ、普通ならば入るわけもない。だが、元男のスリットはそれをあっさり手首まで呑み込んでしまった。
「あッ、ががガガガガッ!」
 泡を吹きながら全身を震わせる。激痛と呼ぶのも生ぬるい衝撃が全身を貫いたに違いない。
「軟体化するのは骨だけじゃないのよ。だからここも拡張する必要なんかなく、こうしてあっさり私の腕を呑みこむ程度のことは出来る……まあ、痛みはそのままだと思うけど」
「やメ、やベテグレッ」
「日本語で話しなさい?」
 拳を回転させて冴美が男の身体の中を掻き回す。
 男は凄まじい悲鳴を上げ、再度泡を噴きながら白目を向いて昏倒してしまった。
 だが、それも一瞬のことで、冴美が勢いをつけて腕を引き抜くと強制的に現実に意識が巻き戻された。
「ぐがっ、がっ、がぁ、はぁっ」
 涎や涙を垂れ流しながら、必死に喘ぐ元男。そんな男の目の前に立って、冴美は元男を見下した。
「許して欲しい? じゃあ、私の足を舐めなさい」
 女王が奴隷に命じるが如く、絶対的な威圧感を滲ませながら冴美が言う。
 元男は躊躇いながらであったが、ゆっくりと冴美の足の甲に顔を近づけて行く。 
 その顔面に冴美が蹴りを叩きこんだ。
 ぐしゃり、と色々なものが潰れる嫌な音が走る。
「おっ、おぁっ、おぅあ?」
 ふらふらしながら再び倒れ込む元男。それでも男は死んでいなかった。それは運が良かったからではない。冴美が触れた時、男の身体は軟体化し簡単に骨が折れるようになっているのだが、同時にそれが原因で死ぬことがないように冴美は設定していた。そのため冴美がどれほど元男を痛めつけても彼は死なない――死ねないのだ。
「『本当に舐めようとしてんじゃねーよ、馬鹿女』」
 冴美は言いながら、男に近づくとその腹を蹴り飛ばした。それは背骨を砕く一撃になったのだが、冴美は気にしない。
「『てめえの汚い舌が触れたら、俺の脚が腐っちまうじゃねえか』」
 何度も元男の身体を蹴り飛ばしながら冴美は続ける。
 彼女が口にしている言葉、それは元男にとって――背後で見ている愛実にとっても――身に覚えのある言葉だった。
「『汚いてめえの舌なんざお呼びじゃねえんだよ。全くこうするしか使い道がねえんだから、ほんとゴミ虫だよお前はよ!』」
 まるで台本でも読む素人役者のように、冴美は棒読みの台詞を続けている。それは演技ベタだからというよりは、ただただ込められた激情が強すぎるため、結果として無感動に聞こえているだけのことなのだ。
 冴美が見せる壮絶な感情の発露に、元男は恐れを抱くしかない。
「お、おお、俺が悪かった! やめっ、ゆるし――ぶがっ!」
「『おい、いつ喋っていいって許可出したよ? 豚が人間の言葉喋ってんじゃねーぞボケ!』」
 言葉と共に、骨の砕ける嫌な音が響き続ける。冴美は馬乗りになって拳まで使い始めた。
「『許してもらえるとでも思ってんのか? 許すわけねーだろ、お前はこれからずっとこうして俺達に嬲られていくんだよ!』」
「『さっさと死ねば楽になるぜ。死んじゃえよ。ばーか』」
「『きたねぇな、さっさと掃除しろよ。雑巾女』」
「『おらどうした、鳴けよ豚が! 豚らしくぶうぶう鳴けよ!』」
 果たしてそれはどれくらい長い時間だったのだろうか。
 やがて、冴美がゆっくりと手を止めた。
 全身を砕かれた元男にはもはや何の動きもない。ただ、すすり泣いているような声が、ひたすら謝罪の言葉を繰り返していた。
 肩で息をしながら、それでも冷たい目は変わらない冴美が、小さく吐き捨てる。
「……許されるとか、思ってんの?」
 それだけを口にした冴美は、襤褸雑巾のように横たわる元男に背を向け、怯える愛実の手綱を持って部屋を出て行く。
 部屋を出る直前、冴美は背後を振りかえって部屋にいた他の生徒達に向けて口を開いた。
「あんた達、続けときなさい。私が行ったらそいつを犯し始めていいわ。徹底的に、永遠に、何度でも続けて殺して犯して殺して――壊しなさい」
 冴美は教室のドアを閉めると、暫く無言で歩く。
 十分離れたはずの教室から、それでも悲鳴は聞こえてきた。
「うっ――」
 急に冴美がふらついたかと思うと、冴美はその場にうずくまり、胃の中の物を吐きだしてしまった。愛実が驚く前で、冴美は口元を制服の袖で拭って激しく咳き込む。
「……やっぱり、いい気分じゃないわね。人を殴るっていうのは。骨が砕ける音も、柔らかな肉が潰れる嫌な感触も、全てが不快で……最低だわ」
 冴美は愛実を軽蔑する目で見た。
「あんた達はどうしてこんなことを平気で出来てたのかしらね」
 元々、冴美は人を傷つけられるような性格をしていない。そんな彼女が散々他の者を傷つけられていたのは、単純に彼女の怒りや憎しみがそれほどのものに育っていたということと、天使の力によってそういうことが出来る人間になっていたからだ。しかしそれでも、出来ることと平気であるということは別問題だった。彼女にとって、人を傷つけることは苦痛を伴うことであり、ましてや直接殴る蹴るという行為をするには彼女は優しすぎた。
 そんな彼女をそんな風にしてしまった愛実は、冴美の問いかけに応えることも出来ず、ただ硬直するだけだった。
 冴美はそんな愛実から視線を切り、ふらつきながらも立ちあがる。もう一度口元を袖口で拭った。その服は元男の血やその他色々な物で汚れている。冴美は上半身の着衣も脱ぎ捨て、全裸になった。惜しげなくその肢体を晒しながらも、冴美の歩みに迷いはない。
「……行くわよ、愛実」
 恥ずかしがる様子もなく、冴美は愛実の手綱を引いて歩き続けた。
 大人しくついていく愛実に目線すら向けず、冴美は前を向いたまま言う。
「これからあんたが暮らす『家』に、案内してあげる」
 彼女達は校庭へと進んで行った。
 
 
 
 
『あなたの望みを叶えてあげる』 ~復讐賛歌~ 第九章に続く
 
 
 
 

Comment

No.972 / 名無しさん [#-] No Title

やりすぎなんてとんでもない!
相手が屑なだけに凄く気持ちいい展開です。

2013-03/10 23:59 (Sun)

No.973 / ごんべー [#-] No Title

冴美「私ったら甘いわよね」
……マジじゃないよね?マジで言ってるわけじゃないよね?!w

冴美の鬼畜レベルがこのところ急上昇中ですね。
真っ白で真っ直ぐな娘だっただけに一度黒くなったら染まり具合が半端ない。

まさかの女体化(物理)
冴美らしい素晴らしいアイデアと思いますが、苦痛を伴う射精とかも見たかったのにちと残念です。
教師はもうちょい先かな?

冴美の思考パターンや先は今までの主人公でもあまり読めないタイプなので終わり方やその続きが楽しみです。

2013-03/11 00:32 (Mon)

No.974 / Torainu [#CNtCm3fU]

なんと素晴らしい文章でしょうか

膨腹と異形化の部分は、完全に私を虜にしました
以前お話した「人間ではあり得ないほど」というのを使ってもらえて、大変嬉しかったです
また、異形化した上に、「それも動かせてしまう」というのは非常に良かったです
本人が嫌がろうと、もう体の一部になってしまった…
生まれて初めてのそんな感覚を味わった愛美を上手く表現できていたと思います

自分の好みに照らすと、眼球の部分はまぁまぁですね
目も取り外し可能にしたのは面白いですが、体内をただ進ませるというのでは少し勿体ないかなと思います
あ、自分は脳姦系は全く受け付けないんですよね(汗)

性転換はバッチグーです!
一瞬でするのではなく、じわじわと変わっていくのは良いと思います
でも、「じわじわ」の過程も知りたかったかな…(笑)

今回は1話がかなり長く、すごく得をした感じがします
改造にしても、ちょっとずつではなく一気にやって、しかもそれを連発で公開したのは読んでいて面白かったです
どれも新鮮な内容でした
本当に面白かったです!
次の話も楽しみに待っています!

2013-03/11 03:26 (Mon) 編集

No.975 / 疾風 [#ew5YwdUc] 感想です

 成程,これが男子への罰ですか。完敗です,全く想像出来ませんでした。TSシーンはありませんが,それが全く気にならない,素晴らしいものでした。
 で,一つ提案です。愛実と『彼』,仲は良いけど男女の関係では無かったとのことですが,せっかくなのでくっつけちゃいましょう。愛実が凸,『彼』を凹として。
ついでに『彼』を身ごもらせ(胎児へのダメージは両親へ行くようにして),公開出産させて,生まれた子に罪は無いので即刻両親からは引き離し,冴美と共に攻める側として育ててはいかがでしょうか。

追記
 前のご返事ありがとうございました。
 100人も当選者がいるなら,送られてきたアイドルをどう扱っているかも気になりますね。ガールフレンドやメイド・奴隷はもちろん,ペットや自動人形・オブジェとして所持している当選者もいそうですね。

2013-03/11 22:51 (Mon) 編集

No.976 / 光ノ影 [#-] Re: No Title

コメントありがとうございます!

> やりすぎなんてとんでもない!
ありがとうございます。そう言っていただけるとほっとします。
今回は性的な攻撃ではなく、単純な暴力だったのでどう思われるのか不安だったのですが……一安心しました。

> 相手が屑なだけに~
それはつまりもっとやれ、という振りですね(笑)
わかりました。次章は二割増しでやってしまいましょう。

それでは、どうもありがとうございました!

2013-03/11 23:27 (Mon)

No.977 / 光ノ影 [#-] Re: No Title

ごんべーさん、コメントありがとうございます!

> 冴美「私ったら甘いわよね」
> ……マジじゃないよね?マジで言ってるわけじゃないよね?!w
いえいえ、大真面目です。
……すいません、冗談です(笑)
たぶん冴美も嫌味のつもりで言ってるのだと思います。

> 冴美の鬼畜レベルが~
実は作者もこんなに酷いことになるとは思っていなかったのですが……どうしてこうなった\(^o^)/
真っ白だったからこそ、黒く染まるというのはあると思います。

> まさかの女体化(物理)
我ながらドSな発想だと思います。暴力的性転換の方ではなくて射精が苦痛に変わると言う点が。
もしも現実がそんな世界だったとしたら、きっと恐ろしいことになっていることでしょう……人類滅亡するかもしれませんよね。洒落抜きで。

> 冴美の思考パターンや先は~
実はすでに終わりまでの道は夢想しております。
その通りに進むかどうかはわかりませんが……楽しんでいただけるよう、頑張って練り込んでいきますね。

それでは、どうもありがとうございました!

2013-03/11 23:31 (Mon)

No.978 / 光ノ影 [#-] Re: タイトルなし

Torainuさん、いつも長文ありがとうございます!

> なんと素晴らしい文章でしょうか
そういって頂けることが私にとって最高の喜びです。

> 膨腹と異形化の部分は~
お気に召していただけたようで何よりです。
実は手足を増やすと言う異形化は考えていたのですが、脈絡なく変化させるのもあれかなと思っていました。
そこに例の膨腹のネタですよ。重くなる身体を支えると言う、見事なマッチング具合を見せ、これはぜひ取り入れなければ!と思って書きました。
素晴らしいネタをありがとうございます。

> 自分の好みに照らすと~
目だけ取り外して何か別の動物に付けてしまおうかとも思いましたが……(あるいはその目玉自体を自立して動かせるようにするとか)いい展開が思い浮かばなかった&冗長になりそうでしたので、喰わせてまた出てきたら装着する、という何とも詰まらない(洒落じゃないですw)展開にしてしまいました。

> 性転換はバッチグーです!
ありがとうございます!
ここも冗長になりそうで削ったんです……ぶっちゃけリンチの実況みたいになっちゃうんで、あまりにも暴力的過ぎるのはさすがに止めとこうかなー、と思いまして。
……十分暴力的ですよね、ごめんなさい。

> 今回は1話がかなり長く~
鬼畜が苦手と公言しているのに鬼畜のシーンで筆が乗るとはこれいかに(笑)
冗談はともかく、筆が乗り過ぎて『あなたの望みを叶えてあげる』にしては長い話になってしまいました。
次章はどうなるかわかりませんが、長くても短くても楽しんでいただけるように頑張ります。

それでは、どうもありがとうございました!

2013-03/11 23:38 (Mon)

No.979 / 光ノ影 [#-] Re: 感想です

疾風さん、いつもありがとうございます。

> 成程,これが~
男子への罰は冴美らしいといえばらしいものになりました。楽しんで彼女を犯していた男子生徒達にとってはこれは何よりの罰になったことでしょう。

>  で,一つ提案です。
素晴らしい鬼畜なアイデアをありがとうございます!
鬼畜なことを考えるのは苦手なので助かります(棒)
冗談はさておき、申し訳ないですがこの『あなたの望みを叶えてあげる』に関しては最後の展開が決まっていますので、御期待には添いかねてしまいます。
またいずれ疾風さんに頂いたアイデアを活かせる話を書いたら、ぜひ取り入れさせていただきたいと思います。

> 追記~
きっと様々な形でアイドルが使い倒されていることでしょう。
中にはきっと普通では想像もできないくらいの行為を強いられているアイドルもきっといることでしょうね。
それでも、彼女らはプレゼントされたことを自覚しているので、アイドルらしく笑顔で受け入れるのでしょう。
やっぱり、いつか『プレゼントアイドルシ』リーズとして書きたいですね(笑)

それでは、どうもありがとうございました!

2013-03/11 23:43 (Mon)

No.980 / 疾風 [#ew5YwdUc] ご返答ありがとうございます

 正直,私の感想なんぞ所詮外野席からのヤジのようなものなので,気にせず自分の書きたいものを書いていって下さい。『あなたの望みを叶えてあげる』の続き,楽しみに待ってます。
 『プレゼントアイドル』シリーズについて,やはり,ルルちゃんとあわせて彼女たちのその後は知りたいですね。願わくば,彼女達が皆(本人視点で)幸せでありますように。

2013-03/12 22:43 (Tue) 編集

No.981 / 光ノ影 [#-] Re: ご返答ありがとうございます

疾風さん、コメントありがとうございます。

> 正直,私の感想なんぞ~
しかしその歓声がなければ私もモチベーションを維持することが出来ませんので、蔑にはしたくなかったのです。理解あるお言葉ありがとうございます! 満足していただけるような続きを頑張って書きますね!

>『プレゼントアイドル』シリーズについて~
幸せになれるかどうかは……たぶん大丈夫かと思われます。彼女らはプレゼントされた時点で所有者のものですから。所有者にどう使われるにせよ、使われて使い尽くされて捨てられて本望、みたいな。
周りからはどう映るかわかりませんが、少なくとも本人達は幸せを感じているはずです。

それでは、どうもありがとうございました!

2013-03/12 23:31 (Tue)

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