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『雑貨店へようこそ』 ~蛇~

 今回の雑貨店シリーズはMC物。
 特殊生物が出てきます。




 ようこそいらっしゃいました。

 この店は様々な物品を売る店です。
 色々な品物がございます、ぜひごゆっくりご覧になってください。
 おや、お客様、それに興味がおありですか?
 きちんと世話をしなければ大変なことになりますよ。大丈夫ですか?
 それなら、飼い方の説明をさせていただきましょうか。

 その『蛇』は――――

 夜道を一人で歩くのには危険。
 そんなことは女性であれば誰だって知っている。もっとも最近は男性であるからと言って安心できるわけではなかったけど。
 物騒な世の中になったもので、夜道を歩くのは危険だということだけは事実。
 だからいつも私は明るいうちに家に戻るようにしているのだけど、今日は上司に仕事を押し付けられて遅くなってしまった。
 「最近は強盗とかも物騒だから」と親に一人暮らしを反対されたため、しぶしぶながら少し都会からは離れた実家から勤め先に通っているけど、こう言うときは本当に逆効果としか言いようがないと思う。
 まあ、こんなところには不審者もやってこないだろうけど。
 それに万が一襲われた時のために催涙スプレーからスタンガンまで、一通りの武装はしている。
 護身術も習っているし、少なくとも性欲などを抑制することも出来ないふぬけた不審者程度に負けるつもりはなかった。
 現に、この田舎の夜道ではなかったけど、勤め先の近くで酔っ払いに絡まれた時は思いっきりその酔っぱらいに痛い目を見せてやった。
 その実績もあり、私は誰に襲われても大丈夫だと思い込んでいた。
 堂々と夜道を歩く私の背後から足音が聞こえてきたのは駅から家までの道のりが半分ほど過ぎたあたりのことだった。
 アスファルトで舗装されているわけではないため、足の裏が地面に擦れる音はよく響く。
 とうとうこんな田舎道にも不審者が現れたのか、と呆れつつ、私は振り返ることなく、足を速めることもなくそのまま進み続けた。

――さくっ、さくっ
――ざくっ、ざくっ

 どうやら私の足音と比較してみるに、その大きさや足音の感じから男性であることは間違いないようだ。
 まだ距離は遠かったため、無視して進み続けた。怯えているように見られるのも嫌だったし、必要以上に近づいてこないなら不審者以外の、例えば近所に住む人である可能性もある。
 もうしばらく様子を見てみることにした。

――さくっ、さくっ
――ざくっ、ざくっ

 だんだん近づいて来ているようだ。足音が大きくなってくる。
 これは本当に不審者かもしれないと思い始め、私はポケットに入れてある催涙スプレーと、スタンガンを片方ずつ、それぞれ両手に持った。
 まずは声をあげながら催涙スプレーを噴射して怯ませた後、一気に距離を詰めてスタンガンを押し付ける。
 護身術を教えてくれた道場で、ついでに教えてくれた不審者退治の一連の流れを思い出す。
 本来なら催涙スプレーを噴射しながら逃げるのがいいんだけど、自分の力に自信を持っていた私は不審者に多少痛い思いをしてもらおうと考えていた。
 さりげなくポケットからそれぞれの武器を握った両手を出し、いつでも攻撃出来るように体の前で構える。
 これ以上近づくつもりならやってやる。
 私は距離を測るために耳を澄ませた。

――さくっ、さくっ
――ざくっ、ざっ……

 「ん?」と思った。
 どうも数メートル背後まで迫っていた足音が止まったようだ。
 こちらが警戒していることを見て諦めたのだろうか?
 それならそれで構わない。自分の力は中々のものだと思っているけど、万が一がある。
 護身術を教えてくれた先生も、最大の勝利とは「戦わずに済むこと」だと言っていたことだし。
 そう思ってそのまま歩き続けることにした。
 ところが。

――ぱさっ

 何か、物が落ちる音がすぐ真後ろから聞こえてきて、思わず振り返ってしまった。
 そこにあったのは、いや、いたのは――。
(縄……? ……っ?! 違う! ヘビ!?)
 やけに細長い蛇だった。
 直径は五センチほどで、ヘビにしては太い方だったのだけど、長さの方がやけに長い。
 二メートル……いや、三メートルはあるかもしれない。
 ヘビの種類など詳しくはなかったけど、バランス的に明らかにおかしい。
 その異常さだけでなく、ヘビという個体の持つ気色悪さに思わず腰が引けてしまう。
 長大な身体をうねらせて、そのヘビが鎌首をもたげた。普通なら高くてもせいぜい膝くらいまでの高さにしかならないはずのヘビの頭は、常識を遥かに超えた高い位置まで昇る。
 女性として、そんなに背の低い方ではない私の頭とヘビの頭が並んだ。
 真正面からヘビと見つめ合ってしまい、思わず喉から悲鳴が零れる。
「ひっ!」
 その悲鳴に反応してか、ヘビがその口を開いた。
(噛みつかれる!?)
 咄嗟にそう思った私だったけど、ヘビの動作はその予想を超えていた。
 あんぐり、と開かれたヘビの口は――ヘビは構造的に顎が外れて大きく口が開くように出来ているとしても――明らかに開きすぎだった。
 十五センチは開いている。
 その異様な光景に完全に硬直した私だったが、そのヘビの口の向こう側に黒い服を着こんだ誰かが立っているのに気づいた。
 しかし、その人影はすぐに見えなくなった。

――冷たい何かが、私の顔に張り付いてきたから。




 もう何度も見た光景ではあるが、それでもこの瞬間は興奮に心臓が止まりそうになる。
 口に咥えた笛を決して話さないようにすつつ、俺はその光景を凝視した。
 俺の前には、一人の女がいる。その女は以前街でぶつかった女であり、少し文句を言ったら問答無用で投げ飛ばされた苦い関係がある女だった。
 確かにこちらも酒が入っていて言い方が大人げなかったことは認めるが、向こうも酒を飲んでいたようで、かなり派手に投げ飛ばされた。
 そのせいで大騒ぎになり、なまじ向こうがかなりの美人だっただけに、しがない中間管理職を務める中年男でしかないこっちはもう少しで社会的に抹殺されるところだった。
 偶然その光景を見ていた通行人が証言してくれたおかげで事なきを得たが……恨みは募っていた。
 そして、俺は偶然脚を踏み入れた怪しげな雑貨店で『そいつ』を手に入れたのだ。
 『そいつ』の特徴を聞いた時は、何の冗談かと思ったが……これが素晴らしい奴だった。
 目の前の女の顔に張り付いて――いや、張り付いているんじゃない。

 『そいつ』――『蛇』は、女の頭をいままさに呑み込もうとしていた。

 女は手で蛇の口をはがそうと必死にもがいているが、無駄なこと。
 ヘビは問答無用で女の頭部を完全に呑み込むと、さらに肩の方までも呑み込み始めた。
 普段の直径よりも遥かに大きい獲物を呑み込んでいるこの光景を見るたびに、俺はこの『蛇』は普通ではないと確信する。
 女はどうにか逃れようとしているが、蛇の力はその細い体からは想像できないほどに強い。
 見る見るうちに、肘の辺りまで呑みこまれてしまった。
 肘から先を必死に動かして逃れようとしている様は無様で面白い。
 もう上半身は完全に蛇の口の中に入ってしまっている。細い蛇の体が女の形に盛り上がっている。蛇の体はゴムのような伸縮性を持っており、人間のような大きなものを呑み込んでも大丈夫なのだった。
 蛇はさらに浸食を進める。
 女の腕は手首の辺りまで、胴体はほとんど呑みこまれている。
 手首から先と足をばたつかせて文字通り足掻く様は、惨めだった。
 足が浮いて、蛇は女の全体重を細い体だけで持ち上げている形になったが、蛇は揺るぎもしない。
 それどころか女の体を高く持ち上げ、重力をも利用して全てを呑み込もうとする。
 ずるずる、と女の体は蛇の口内に呑み込まれていき、もはや足先だけが見えている状態だ。
 細い体に女の体のシルエットが浮かび上がっている。
 完全に女を飲み込んでしまった蛇は、元通り直径五センチほどになった頭部をこちらに振り向けてきた。
 俺は笛を咥えたまま、その蛇を手招きする。
 近づいてきた蛇の頭を優しく撫でてやった。蛇に表情はないが、どことなく満足そうに見える。
 この蛇は笛を咥えた者を主と認識している。もう少し慣れれば笛なしでも言うことを聞いてくれるようになるとのことだったが、いまはまだ必要なのだ。
 蛇に呑み込まれた女は蛇の体の中で暫くの間痙攣していたが、もはやどうすることも出来ない。
 やがて痙攣も治まる。この蛇のことを知らなければ、窒息して死んだのだと思うだろう。
 しかしこの蛇は違う。
 俺は笛を改めて咥えなおし、必死になって覚えた旋律を奏でた。もっとも音は出ていない。音はこの蛇にしか聞こえないらしいのだ。
 だから正確には覚えたのは旋律ではなく指の動きなのだが、どうやら成功のようだった。
 蛇の体に浮き上がっていた女の体のシルエットが、徐々に丸い球形となっていく。大きさは丁度さっきの女が身体を丸めればそれくらいになるだろう、というくらいだ。
 覚えていた指使いを全てし切ると、その丸い球体になった蛇の体のシルエットが徐々に尾の方に移動していく。
 尾の先から三十センチほどの辺りにくると、その部分に開いていた穴――ちなみに排泄のための穴ではない――を押し広げて、球状の『それ』が吐き出された。
 地面にごろり、と転がったそれは――大きさが比べ物にならないが――誰が見ても『卵』だった。
 俺は緊張に乾いた喉に唾を流し込みながら、その『卵』にゆっくりと握り拳をあて、軽くノックするように叩いた。
 すると卵の叩いた部分からヒビが広がり、圧倒今に卵の殻が砕けていく。
 その中に膝を抱える格好で座り込んでいたのは――先ほど蛇が呑み込んだ女だった。
 膝の間に顔を埋めているので表情はわからないし、そもそも意識があるのかどうかもわからない。
 服は先ほど着ていた服をそのまま着ている。
 砕けた卵の殻はどんどん細かく連鎖的に砕けて行き、チリのような細かさになって風に運ばれて行った。
 そうして卵の殻が完全に消えてなくなる頃――うずくまる女の肩がぴくり、と動く。
 俺はその女の前にひざまづいて頭の位置を合わせて、前から女の肩を叩いた。
 びくり、という風に肩を震わせた女は、弾かれたように顔を上げ――俺の顔を見る。
 その瞬間、強張っていた女の表情がだらしなく緩んだ。
 形の良い唇が開き、言葉を紡ぐ。

「ご主人様……っ」

 嬉しそうな、これ以上はない、というくらいに嬉しそうな声だった。
 俺は一つ頷き、手を取って女を立たせてやった。
 軽く抱きしめて頭を撫でながら、耳元で囁いてやる。
「そうだ。いまから俺がお前のご主人様だ。……まず、名前を訊こうか」
 警戒心が強そうだった女はこちらに対し、全幅の信頼を寄せている表情で嬉しそうに自分の名前を名乗る。
「南本カズハです! ご主人さま!」
「そうか、カズハか……いい名前だ」
 嬉しそうに擦り寄ってくる女――カズハの頭を撫でてやりながら改めて『蛇』の恐るべき能力に戦慄を覚えた。
 この明らかに人智を超えている蛇の能力――それは、人を丸ごと飲み込み、『卵』に入れて産み落とすというものだ。
 そうして生まれた人間は、初めて見た相手に絶対の忠誠を誓う。早い話が鳥がよくする『刷り込み』という現象に近い。
 この蛇の場合、生み落とさせる時に奏でた旋律(指使い)によって生み落とされた人間が初めて見た相手に対して抱く関係は違ってくる。
 つまり『親子』の関係になるか、『恋人』の関係になるか、もしくはいましているような『主従』の関係になるか、それ以外か――選べるということだ。
 あの雑貨店の店員は、この蛇のことを『転輪の蛇』と呼んでいた。
「……さて……カズハ。家の者に今日帰宅することは伝えたか?」
 身体を離すと少し哀しそうな顔をしたが、従者としての精神が主人の質問に答えることを優先する。
「はい。帰宅は遅くなることを伝えました」
「……そうか。なら、あまりに遅くなりそうだから今日は……そうだな、同僚か何かの家に泊めてもらうことになったとかいう旨の電話をかけろ。怪しまれないのであれば、どういう理由でも構わないが、とにかく今日は家に帰らないことを伝えるんだ」
「はい!」
 勢いよく答えたカズハは蛇に呑み込まれた時の衝撃で落としてしまっていた鞄の中にある携帯を取り出し、家に電話をかけ始めた。
 それを確認しつつ、俺は自分の足元でとぐろを巻いて次の命令を待っていた蛇に向かって、指示を出す。
「マトー。背中の鞄の中に入っていてくれ」
 その命令を聞くやいなや蛇、いや、マトーは俺の体を這い上り、僅かに開かれた鞄の口の中に入っていく。中でとぐろを巻いているのか、三メートルはあるマトーの体はそこそこの大きさのリュックサックの中に入ってしまった。
 笛無しでの命令を試してみたが、だいぶ慣れてきてくれているようだ。
 それから自分の携帯を取り出し、あらかじめ用意しておいたメールをあるところに送る。
 そうするのと同時に、タイミングよくカズハの電話が終わったようだった。
 携帯を鞄の中にしまいながら、こちらに声をかけてくる。
「終わりました。特に怪しんでいる様子はありませんでした。実際時々本当にあることですから」
「それは良かった。さて……」
 これで心置きなく遊べるというものだが……さて、どうするか。
 そうだな、まずは以前の鬱憤を晴らさせて貰おうか。
「カズハ、お前は俺のことを覚えているか?」
「? いいえ」
 やはりな。まあ、こいつは俺のことを酔っ払いA程度にしか認識していないだろうとは思ったが……案の定、か。
 こちらは危うく社会的に抹殺されるところだったというのに……そう思ったらなんだか改めて苛立ちが溜まってきた。
「カズハ。俺は以前、お前にぶん投げられたことがある」
 その言葉を聞いたカズハは、信じられない、という顔をする。
 いまのこいつにとって俺は最愛にして至上のご主人さまだから、その反応は当然だ。
「す、すいません!」
 慌てたように頭を下げるカズハ。ご主人様にそんなことをしていた、という驚愕と恐怖からだろうか、膝が震えているのが目で見てわかった。
 これだけでも普段なら十分なくらいだ。
 普通なら。
 しかしいまカズハは普通ではない。
 なら、もっと要求しないと面白くないだろう。
「いーや、頭だけ下げられてもな……誠意が感じられない。お前が大騒ぎにしてくれたおかげで、俺は危うく社会的に死ぬところだったんだ。お前も死ぬくらいの覚悟を見せてほしいものだな」
 死ぬ、という単語に顔を引き攣らせるカズハ。だが、すぐに覚悟を決めたような表情になった。
「わかりました……! ご主人様に対する無礼は、死を持って……!」
「まあ待て。いくらなんでも従者に死んで償え、なんてことは言わない」
 放っておくと冗談でなくほんとに死を持って償おうとするだろうから、そう声をかけてやった。
 カズハは納得していない表情だ。
「しかし!」
「俺はあの後、警官に痴漢だのなんだの言われ、見世物のようになって散々な辱めを受けた……それと同じくらいの辱めを受ければ、許してやらないこともない」
 カズハはその言葉を聞き、顔を輝かせた。それで許されるのなら軽いものだと思ったのだろう。
「では、いくらでもわたしをなじってください! いくらでも、何時間でも構いません!」
「そんな非効率なことはしない。辱めを受けろ、と言っただろう? だから」
 俺は無意識のうちに唇の端を持ち上げながら言った。

「ここで裸になって、土下座しろ。そうして謝れば許してやる」

 びくり、とカズハは体を震わせた。
「こ、ここで……?」
「そうだ。ここでだ」
 俺にとっては単なる田舎の道でしかないが、カズハにとっては知り合いが多い地域、毎日通る道だ。
 そんなところで裸になって土下座する……普通なら、とても受け入れられるものではない。
 大体、俺に対する絶対の忠誠を誓っているとはいえ、羞恥心や自尊心まで全て消えたわけではないのだから。
 カズハが躊躇するのも当然だった。
「そ、そんな……」
 俺は逃げることを許さない。
「どうした? 許してもらいたいなら、早くしろ。俺はそんなに気が長い方じゃない」
 許してもらえない、と思ったカズハは焦燥の表情になる。
「ま、待ってください! やります。裸になって、土下座しますから!」
「じゃあ早くしろ」
 カズハはぐっ、と声を詰まらせる。
「は、い……」
 言いながらシャツのボタンに手をかける。上から順に、確かめるようにして外していった。
 ボタンを全て外してしまうと、合間からちらりとブラが見える。全てのボタンを外してしまったところで暫く間固まっていたが、俺が黙ったまま見つめていると、観念したようにシャツを脱いだ。
 上半身が下着姿になる。
 スーツのズボンを震える指先で脱いでいく様子は、そのつもりはもちろんないのだろうが、ストリップショーでもしているようだった。
 靴と靴下も脱ぎ、これでカズハは下着姿だ。
 真っ赤になった顔で許しを請うように上目遣いでこちらを見つめてきていたが、無視。
 さっさと全部脱げ、という風に眼で促してやると、背中に手をまわし、ブラのホックを外す。
 Cカップはあるであろう、大きなバストが支えを失って揺れる。
 カップを押さえ、完全に筈ことを拒むカズハに、俺は追いうちの言葉を投げかけてやった。
「そうやって固まっているものいいが、あまり時間をかけるとどこから、誰に見られるかわからんぞ。誰かが通りかかるかもしれんしな」
 それを聞いて自分の状況がどれほど危うい状態なのかわかったのか、慌ててブラを脱いだ服の上に投げるように落とす。
 そして、最後の衣服――ショーツに手をかけた。
 ぶるぶるとはっきりとふるえがわかる手をぎこちなく動かして、それも脱いでしまうと、カズハは生まれたままの姿となる。
 腕で胸や股間を隠そうとするカズハを、俺は叱る。
「許しを請うために土下座をするんだろう? そんな中途半端な立ち方をするな! 態勢は気をつけだ!」
「は、はい!」
 慌てて両手を胸と股間から外し、気をつけの姿勢をとるカズハ。
 完全に支えを失った胸がぷるん、と揺れた。
「よし。しばらく間動くなよ」
 酷な命令を出し、俺はしばらくカズハの姿を観察することにした。
 乳房もいい形をしているし、体つきも中々のものだ。恥部はどうかと視線を落とすと、やはり年相応に恥毛は生えているようだった。
 乳首の形を見る限り、それほど使い込んでいる、というわけではなさそうだ。
 そうしてじっくりと眺めている間、カズハはずっと直立不動のまま動けない。
 やがて何が原因だったのかはわからないが、おそらくはいつも通っているところでこのような格好を晒しているという惨めさからだろう。
 カズハはしゃくりあげて泣き始めた。
 こぼれる涙にそそられるものはある。これで許してやるかという思いが浮かんだのも事実だった。
 しかし。
「よし、カズハ。土下座しろ」
 実はこの瞬間を待っていたのだ。
 カズハはぼろぼろと涙を零しながら、土下座の態勢を取る。
 そしていかにもみじめな涙声で「すいませんでした……」と頭を地面に付くほど下げる。
 泣きながらの土下座は最大九に惨めで、俺は思わず鬼畜な感情が湧き上がってくるのが感じられた。
 足を持ち上げ、カズハの頭を踏みつけてやる。
「声が小さい。もう一回だ」
「すいませんでした……!」
 いかにも悲痛な泣き声での謝罪は俺を心の底から興奮させてくれた。
 十分すぎるほど、気持ちは晴れた。
「よし、顔をあげていいぞ」
 優しく声をかけてやると、カズハは泣きながらだがゆっくりと顔をあげた。
 俺はその頭を軽く撫でてやる。
「これで過去のしがらみはなくなった。ふふ、これからは奴隷としてちゃんと可愛がってやるから安心しろ」
 奴隷、という単語に一瞬おびえたような表情を見せたが「可愛がってやる」という言葉には安心したようだ。
 その時だ。

 車のヘッドライトが、遠くの曲がり角を曲がってこちらに向けて向かってきたのは。

 カズハは慌てたように隠れようとしたが、そこはさすがの田舎道。都合のよい遮蔽物などない。
「ご、ご主人様! 服を、服を着させてください! 近所の人に見られたら、ここで生活出来なくなってしまいます……!」
 必死な形相を浮かべるカズハだったが、俺はすっとボケた顔を作って応じてやる。
「ん? それがどうした? 大体、お前は露出狂だろう。こうして裸でいるんだから。むしろ立ちふさがって見せつけてやればどうだ?」
「そ、それはご主人様が……っ」 
「ご主人様が?」
 真顔を作り、低い声でそう訊いてやると、カズハは怯えたように体を震わせた。
「い、いえ、なんでもありません……」
「お前はマゾの露出狂。そうだろう?」
「っ……は、い……そうです……」
「なら、露出狂のカズハに命令だ。車道の真ん中に立って、あの車を止めろ。快感かもしれんぞ?」
 信じられない、というように目を見開くカズハだが、俺の命令を否定する権利はカズハにはない。
 悲壮な決意を顔に浮かべて、車道の真ん中に立った。
「体を小さくしていたら向こうが気づかんかもしれんだろう。ちゃんと両手を左右に伸ばして、足も肩幅以上に開け」
「……っ!」
 さらに残酷な『命令』を出してやる。
 カズハはぶるぶると震えながらも、何とかその命令を遂行しようと手足を動かした。
 手はまっすぐ左右に伸ばし、足は俺の言った通り肩幅以上に開く。
 正面から来る車に全てを晒してしまう格好だった。
 顔を背けていたが、まあそこはご主人様の優しさ、ということ許してやった。
 やがてすぐ近くまで近づいてきた車のヘッドライトに、カズハの全身が照らし出される。
 がくがくと足を震わせたカズハはなんと――失禁しはじめた。
「おいおい……」
 さすがにそこまでなるとは思っていなかった。少し意地悪が過ぎたか?
 漏らしたとはいえ、そこに勢いはほとんどなかったため、ほとんどの尿はカズハの足を伝わって地面に水溜まりを作り出す。
 車はカズハの全身を最も強く照らす位置で止まった。
 扉を開いて出てきたのは、一人の若い、メガネをかけた女だった。
「あらあら。お漏らしするなんて、ちょっと刺激が強すぎたのかしら?」
「どうやらそのようだな。おい真沙美、車のライトを消せ。さすがに目立つ」
「あー、はいはい。了解よ」
 そう言って、車から降りてきた女――真沙美はヘッドライトを消した。
 緊張の糸が切れたのか、カズハの足から力が抜け、自分で作り出した尿の水たまりに尻もちをついてしまう。汚いな。
「え…………? え……?」
 事態が理解できていないのだろう。虚ろな声を零すカズハ。
 俺は種明かしをしてやることにした。
「こいつは俺の協力者だ」
「相棒って言ってほしいわね」
 いかにも「できる女」という風な、メガネを指の腹で押し上げた真沙美は苦笑した。
 もちろん、こいつも蛇の、マトーの力で『相棒』という関係にした女の一人である。
 本当はカズハと同じ『従者』にするつもりだったのだが、まだマトーを手に入れて間もない頃だったため、関係性を決める笛の旋律を間違えてしまったのだ。
 しかし結果的に真沙美の快活な性格は従者というよりも『相棒』という関係に相応しいものだったため、中々に良い関係を築けている。
 真沙美には車などの移動手段を担当してもらっているのだった。
「それじゃあ真沙美。悪いけどそいつを運んでくれるか?」
「いいわよー。つーか、そのために来たんだしね。この子の名前は?」
「カズハ、だ。俺との関係性は『従者』。奴隷だな」
「りょーかい。んじゃまあ運びましょ。あー、でもその前に体を拭かないとね。尿交じりの泥だらけよこの子」
 俺は後部座席に乗るために歩きながら、真沙美に指示を出す。
「タオルはあるだろ? それで拭いたらそれでいい」
「匂いが残っちゃうわよ? 車内が臭くなっちゃうけど」
「なんで奴隷を車内に入れなきゃいけないんだ?」
 わざとらしくそう言ってやると、真沙美はああ、そうだったわね、と呟きを返してきた。
 そしていまだに座り込んでいるカズハに歩み寄った。
「いつまで座りこんじゃってんのあんた。さっさと立ちなさい」
「あ、あの……ごめんなさい、腰、腰が抜けて……」
 立てないのだった。
 真沙美は眉をしかめる。
「なあにそれ。情けないわね……ねえ、どうする? この子このままここに置いていく?」
 冷酷な真沙美の提案を聞いたカズハは、がたがた震えだした。
 それはそれで面白そうだが、さすがにそういうわけにもいかない。
「悪いが手を貸してやってくれ。置いていくのはさすがにまずいからな」
「はーい。仕方ないわねえ……」
 言いつつも、まず真沙美はその辺に投げ出されたカズハの荷物を拾い集めた。
 それらを車のトランクの中に無造作に放り込んだあと、タオルを持ってカズハの傍に行く。
「あんまし世話掛けさせるんじゃないよ。ほら、肩に掴まって立って」
 置いていくという真沙美の台詞がよほど利いているのか、カズハは必死に足を動かして立とうとしていた。なんとか肩を借りれば立てる程度には回復したようだ。
 立ち上がったカズハの股間から足をタオルでおおざっぱに吹いた真沙美は、そのタオルをカズハに持たせ、膝の後ろと脇に手を入れて持ち上げた。
 俗に言うお姫様抱っこの形だ。あまりに足ががくがく震えているのを見て、その方が早いと思ったのだろう。
 カズハは車の後部座席に乗せてもらえると思ったのだろうが、真沙美はその予想を裏切って車の後部に――つまりはトランクに向かった。
「ちょ、ちょっと! ま、まさかここに……!?」
「仕方ないでしょうが、あんたおしっこ臭いんだから。裸であの人の家まで来いって言われないだけありがたいと思いな」
 無造作にトランクの中にカズハを入れた真沙美は、運転席に回り込んできて座った。
「安全運転で行くからちょっと時間はかかるけど、いいかい?」
 もしもこの状況で事故でも起こしたりしたら後々面倒なことになるので、当然了承する。
「ああ、頼むぞ」
 俺は後部座席に座って膝の上に置いたリュックサックから顔を覗かせた蛇の頭を撫でてやりながら真沙美に言う。
「任せときな」
 真沙美は嬉しそうな顔でそう応え、車を発進させた。
 これからカズハには奴隷としての生活が待っている。
 もちろん日常生活はこれまでどおり送ってもらうが……その一生のほとんどを奴隷として俺に捧げなければならないのだ。

 それを可能としてくれた蛇を愛しく撫でながら、俺は喉の奥を震わせて笑った。




『雑貨店へようこそ』 ~蛇~ その2へ続く

Comment

No.84 / 名無しさん [#-]

これは欲しいw
使えば使うほどに成長するタイプですね
結構目立っちゃうのが難点・・・

ふと思ったんですけど別に深い催眠状態に落とすだけでもいろいろ出来たんじゃ・・・

2008-09/16 08:00 (Tue)

No.85 / 光ノ影 [#-]

コメントありがとうございます。

 成長するというよりも飼えば飼うほど蛇が自分に懐いてくれるので扱いやくなるという感じです。もちろん能力的にも成長するのですけどね。
 目立ってしまうのは仕方がありません。人目のないところなら問題ないのですが……部屋の中で使うのなら大丈夫かと。

 えーと、それはわざわざ卵状にする必要はないんじゃないかという意味ですか?
 確かにそうですが、ただ深い催眠状態に落とすだけなら蛇である必要がないですし。やっぱり蛇の特徴(呑みこむ・卵を生む)を生かしたかったのです。
 対象者を強制的に催眠状態に落とす道具も考えています。ただ催眠状態に落とすのってワンパターンになっちゃっうんですよね……まだまだ精進が足りないようです。

2008-09/16 09:05 (Tue)

No.87 / 名無しさん [#-]

ちょっとばかし遅れましたが1万突破おめでとうございます

結構人は来てるんですけどコメントの方は活気が無いですね・・・・

2008-09/19 17:53 (Fri)

No.88 / towhi9 [#CFnWuolQ]

カズハが飲み込まれていく様の描写がすごいですね。想像しながら読んでて唸ってました。
でもよほど場所に気をつけないと大騒ぎになるでしょうねぇ。

2008-09/20 07:49 (Sat) 編集

No.90 / 光ノ影 [#-]

名無しさん、toshi9さん、コメント・感想ありがとうございます。

>名無しさん
 なんとびっくり一万ヒットですよ! 結構速く達成できたので驚いています。
 コメントは確かに少ないのかもしれませんけど、それでも駆け出しのブログとしては上々だと思われます。
 コメント書くのって結構大変ですし、沢山の人が読んでくださるだけで私は満足です。
 ええ、満足ですとも……(寂)。
 ごめんなさい、うそです。出来れば匿名で一言でもコメントしてくださった方が嬉しいです。創作意欲にも繋がりますし。

 というか、私が思わずコメント書いてしまうような作品を書けばそれでいいんですよね!
(アクティブに考えます!)
 がんばります!

>toshi9さん
 この道具に関しては呑みこまれていくシーンこそを書きたかったのでそこに力を入れたつもりです。唸っていただけて嬉しいです。
 確かにかなり目立つので基本的はホテルなど閉鎖空間で行うのが常道手段だと思われます。今回は特殊なケースだったんです。(実際今回『相棒』として出てきた真沙美は室内で蛇に呑み込まれました)

2008-09/20 21:29 (Sat)

No.91 / 名無しさん [#-]

>アクティブに考えます!

・・・ん?

2008-09/20 23:39 (Sat)

No.92 / 光ノ影 [#-]

 ああ、すいません。言葉不足でした。

「アクティブに考える」というのは
 皆さんにコメントをしてもらおうという「受け身」的な
考えでいるのではなく、皆さんが思わずコメントしたくなるような作品を自分が書こう、という「能動的」な考えでいよう、という意図です。

 やっぱり訪問者の皆さんに甘えるのは良くないですからね。
 良い物を書くことができれば自然と訪問者もコメントも増えるはずですから。
 そう言う意図だったのですが……疑問に答えることが出来ましたでしょうか?

2008-09/20 23:48 (Sat)

No.93 / 名無しさん [#-]

なるほど、でもあまり頑張りすぎないようにw

2008-09/21 08:19 (Sun)

No.96 / 光ノ影 [#-]

お気づかいありがとうございます。
無理せぬ程度に頑張りますので。

2008-09/23 23:02 (Tue)

No.186 / 裏郎 [#mQop/nM.]

読ませてもらいました。

実に刺激的で面白かったです。関係性を設定する蛇というアイデアはユニークですね。

今後もエロエロな展開を期待してます。

2009-05/13 00:29 (Wed) 編集

No.193 / 光ノ影 [#-] Re: タイトルなし

> 実に刺激的で面白かったです。関係性を設定する蛇というアイデアはユニークですね。
> 今後もエロエロな展開を期待してます。
 ありがとうございます!
 蛇は今度もガンガンエロエロな展開をしていくつもりですので、どうぞお楽しみに!
 返信が遅れて申し訳ありませんでした。

2009-05/17 18:26 (Sun)

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