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『雑貨店へようこそ』 ~犬耳~

 今回の話はかなりマニアックです。
 一応MC物に分類される……のでしょうか?
 ペットプレイが主になっています。需要、あるのかな……?





 ようこそいらっしゃいました。

 この店は様々な物品を売る店です。
 色々な品物がございます、ぜひごゆっくりご覧になってください。
 おや、お客様、それに興味がおありですか?
 それはとても面白いものですよ。使い方は自由ですが……自分自身では着けない方がよいですよ。
 商品の説明をさせていただきましょうか。

 その『犬耳』の使い方は――――




雑貨店へようこそ ~犬耳~





 冗談のつもりだった。
 全てはその一言で決着がつく。
 そもそも変な雑貨店(品揃えの意味では普通の雑貨店をはるかに超えていたが)で購入したそれが、店員の説明通りの特徴を持っているとは思っていなかった。信じていなかった、というのが正しいかもしれない。
 大体、非現実的にもほどがあるのだ。
 たとえば、あんたなら信じられるか?

 『この犬耳をつけた人は、心が犬になってしまいます。そしてあなたを飼い主として、どんな命令でも絶対に聞くようになります』――などと言われて。

 信じられるわけないだろ? 私だってそうだったさ。
 なのに、結構な高値がついていたそれを購入してしまったのは、正直に言うと私がペットプレイという特殊な性癖を有していたからに他ならない。
 彼女はいる。いるにはいるが、言えるわけないだろう?
 ペットプレイはSMとか露出とかよりも特殊な性癖に入る。そんな性癖を持っていると知られたら、速攻で別れたいと言われても反論できないだろう。
 だから誰にも言わず、墓の中までこの性癖は隠しておくつもりだったんだ。
 なのに。
 私は無神論者だが、思わず神に訊きたくなる。
 あんたはいったい何を考えて――こんな『犬耳』を私に与えたのか。
 とりあえず、実験をしてみないことにはこれをどう判断していいのかわからない。
 私はその犬耳を使ってみることにした。




 丁度、今夜は彼女が家に来て料理を作ってくれる日だった。
 元々仕事以外に興味がなかった私は、日常生活の範囲の行動をおろそかにしており、詩織――彼女の名前だ――と付き合い始めてすぐ、彼女に怒られた。
 まあ、我ながら三食カロリーメイトはどうかと思っていたが、いつもは穏やかな詩織があれほど怒るとは……想定外だった。
 それはともかく、そんなことがあってから詩織はたびたびうちに来て自慢の手料理をふるまってくれるようになっていた。
 ちなみに、詩織の料理は無難な味である。決して不味いわけではないが、ものすごく美味しいわけでもない。並みの美味しさだ。
 いまどき珍しく変に真面目で、だからこそ特殊な性癖であるペットプレイのことも言い出せなかったのだ。
 なにせ通常のセックスもあまり好きではないのだ。
 行為の最中はほとんど顔をしかめているし、終わったらすぐにシャワーを浴びて服を着てしまう。
 もちろん、普段の詩織は可愛いし、彼女として文句があるわけではないのだが……。
 とにかく。
 今日は彼女が料理を作ってくれる日で、詩織はすでに家で待ってくれていた。
「おかえりなさい。晩御飯、出来てますよ」
 帰ってきた私に向かって、淡々とした調子で言う詩織。
 その几帳面な皿の並べ方を見ても、彼女の生真面目さが伺える。
 とりあえずありがたく晩御飯をごちそうになり、風呂に入った。
 風呂からあがると、詩織は何やらテレビを見ていた。……その内容がバライティではなく、政治番組という時点で彼女のまじめさ加減はわかっていただけると思う。
 しかし、チャンスだ。
 詩織は目の前のテレビにくぎ付けになっており、風呂からあがってきた私にも気づいていないようだ。
 私はこっそり荷物の中から例の『犬耳』を取り出し、詩織の背後に忍び寄った。
 もしもあの雑貨店が全くのインチキ店で、この『犬耳』に言われていたような効力がなかった時のために、一応言い訳は考えている。
 会社の余興でこういった物を用意しろと言われていたと言えばいい。ちょっと詩織につけてみた、というのはおふざけの範囲で済む。
 実際にはかなりギリギリかもしれないが、悪くて「悪ふざけしないで」と怒られるくらいだろう。機嫌は悪くなかったし、恐らく呆れられるのが一番可能性としては高いはずだ。
 最悪の可能性を考えるとしり込みしかけてしまうが、思いきって一気に装着する!

――その瞬間。ぴくり、と『犬耳』が動いた。

 触れていた手に、妙な感覚が走る。思わず慌てて手を離した。
「うおうっ!?」
 さっきまで確かに作り物の感触だったそれが……なんというか、血の通った『本物』の感触になっていたのだ。
 私が手を離した後も、その『犬耳』はぴくり、ぴくりと動いている。
 詩織は気づいていないのか、じっと前を向いたままだった。
「し、詩織……?」
 恐る恐る詩織の後頭部に声をかける。
 また耳がぴくり、と動き、詩織が顔をこちらに向ける。
 いつもの詩織の顔だ。しかし――いつもの毅然とした意思が見えない。なぜか、どこか無邪気に見えた。
 形の良い詩織の唇が震える。

「わぅ?」

 一瞬、何か言ったのを聞き間違えたのかと思った。
 信じられない思いで、もう一度詩織の名前を呼ぶ。
「詩織?」
「……?」
 今度は何も言わず、ただ首を傾げる詩織。
 『いつもの』詩織なら絶対にしない仕草と表情だった。
 これは……現実か?
「詩織」
 言いながら、詩織が腰かけているソファを回り込んで詩織の前に移動しようとした。
 すると、詩織が手を使ってソファを越えてこようとした。
「ちょ、おい!」
 背もたれを身軽に飛び越えた詩織は、勢いよく私の腕に飛び込んできた。
 その動き、表情、どれをとっても、いつもの詩織なら絶対にしない。
 しかも。
「ちょ、しお、やめ……っ」
 なんと詩織は私の顔を舐めてきたのだ。はしたなく舌を垂らして、嬉しそうな表情で。
 間違いない。さっきから思っていたが……これは……犬の動きだ。
 いくらなんでも、冗談であったとしても、真面目な詩織がここまでするわけない。せいぜい鳴き真似をする程度だろう。
 『犬耳』の効力は本物だった。
 非現実的なアイテムを手に入れたことに精神が高揚したが、顔を舐めまわされるのはさすがに恥ずかしい。
「ま、『待て』! 詩織!」
 思わず出た言葉だったが、詩織は即座に舐めるのやめ、床に四つん這いになった。犬の『おすわり』のような格好だ。
 激しく跳ねまわる心臓を押さえながら、私は詩織の前に片膝をつく。
 詩織はじっとこちらを見つめているだけで何も言わない。
 ちなみに詩織はスカートをはいており、犬のおすわりのような屈み方をするとショーツが丸見えになっていたのだが、それに対して詩織が恥ずかしがる様子はなかった。
 私は片手を差し出し、命令してみる。
「『お手』」
「わぅ」
 ぽす、と詩織が片手を乗せてくれる。
 詩織が見せる完璧な犬の様子に心臓が跳ねまわった。いま背後から驚かされたら限界を超えて死ねそうだ。
「…………」
 少し考え、私は立ち上がった。
 そして少し詩織から距離を取って呼んでみる。
「こっちに来い! 詩織!」
「わん!」
 詩織の声で犬の鳴き真似が聴けるとは! もう喜びで昇天しそうだ。
 詩織は少しふらつきながらも、四つん這いで私の方に近づいてきた。
 足もとまできた詩織の頭をなでてやる。
「よーしよしよし」
 犬を連れている人がよくしている撫で方だったが、詩織は気持ちよさそうに笑っている。
 さて。もっと色々してみたいが、その前にやっておくべき実験がある。
 私は詩織を抱き上げ、ソファに普通に座らせる。
「『待て』」
 犬では決して取らない態勢での『待て』に効力があるのか疑問だったが、どうやら大丈夫だったらしい。その形で詩織は動きを止めた。
 それから私は詩織の後ろに回り込み、素早く『犬耳』をつかんで、外した。
 一瞬詩織はぴくり、と体を痙攣させたが、すぐに奇妙な声をあげる。
「あれ?」
 不思議そうな顔でテレビをみつめている。
 ……『犬耳』をつけている間のことは覚えていないようだ。それでテレビを見ていたはずなのに、突然コマが飛んだかのように場面が変わったから驚いたのだろう。
 『犬耳』を背中に回して隠してから、声をかけてみた。
「詩織、どうしたんだ? 変な声をあげて」
 私が背後に来ていたことに気づいたのか、詩織は少し驚いたような顔をしつつも、応えてくれた。
「あ、ごめんなさい。…………いま、わたし、寝てたのかしら?」
「ん? 少しうとうとしているように見えたけど?」
「そ、そう? ……?」
 しきりに首を傾げている。まあ、その反応は当然だ。
 あまり変な時に装着したら、記憶が断絶することになるから気をつけないといけないな……。
 そう思いながら、私は『犬耳』を鞄の中に仕舞った。この鞄の中には仕事道具もあり、詩織には触れないようにいっているから安全だ。
「ところで詩織、今日は泊まっていくんだろう? 風呂に入ってきたらどうだ?」
「あ、はい。わかりました」
 素直に応えてお風呂場に向かう詩織。その顔は少しばかり憂鬱そうに見えた。
 明日は休日。いつもならセックスでもしようと誘うところだが……今日はそのつもりはない。
 ふふふ……安心して眠ってもらおう。




「わん?」
 目を覚ました詩織の第一声はそれだった。
 時刻は深夜――今日はセックスしないと言ったら、詩織は嬉しそうに晩酌に付き合ってくれた。
 酒には強い方である詩織だったが、よほどセックスしないというのが嬉しかったのかリラックスして酒を飲み、早い時間帯に眠ってしまった。
 しかし、ここからが本番だったとは詩織も予測できなかっただろう。
 眠ってしまった詩織の頭に例の『犬耳』を着け、起こしてみると案の定詩織は犬になっており、無邪気な顔で飛びついてきてくれた。
 この『犬耳』をつけると意識の断絶が起きるが、最初から眠っていて意識がない状態なら断絶が起きるはずもない。存分に楽しめる、というわけだ。
 私はこっそりと集めていたペットプレイのための道具を寝室のクローゼットの奥から引っ張り出してきた。
 以前ネックレスを贈りたい、と称して彼女の首のサイズは調べておいたので、それに合わせて買った首輪。
 ペットプレイには必須アイテム、アナルにつけるふさふさの尻尾付きプラグ。
 さらにごく普通のペットショップで購入した犬用の手綱……。
 集めていた時は、一生使うことがないだろうなと思って自嘲していたものだが、まさか本当に使う日が来るとは……。
 詩織の服を脱がしながら、私は感無量だった。
 裸になった詩織の首に首輪をつけると、もう完全に詩織が犬になっていることを実感できて、倒錯的な性の興奮を感じる。
 さらに――少し嫌がったが――ローションで入れやすくしたアナルに尻尾付きアナルプラグを挿入する。
 とても卑猥な犬の完成だった。
 さあ、念願だったペットプレイを始めよう。
 私は四つん這いになっている詩織に向かって、犬に対する命令を出す。

――これから、夜の時間が楽しくなりそうだ。




~その2に続く~

Comment

No.71 / 名無しさん [#-]

どちらかというと取り憑きですかね
ありだと思います

2008-09/10 08:17 (Wed)

No.73 / 光ノ影 [#-]

コメントありがとうございます。
そうか、取り憑きっていうのもありましたね。
ありですか。よかったです。

2008-09/10 18:16 (Wed)

No.77 / 名無しさん [#-]

いつも楽しみに見さしてもらってます!

この話とても好きなんですけど続きを書く事はないんでしょーか?

2008-09/11 00:21 (Thu)

No.79 / 光ノ影 [#-]

いつもご覧になっていただいているとのことで、ありがとうございます!

実はこの話は自分も好きでして……(自分で書いておいてなんですが)出来れば続きを書きたいと思っています。
それに関係して、アンケートを設置したので名無しさんもぜひ投票してやってください。

それでは!

2008-09/11 14:16 (Thu)

No.80 / toshi9 [#YK3S2YpI] え~ここで終わりって感じで

ここで終わり!?って感じでしょうか(笑
犬化した志織との関係がこれからどうなっていくのか、ほんと続きが読んでみたいですね。

2008-09/13 15:58 (Sat) 編集

No.82 / 光ノ影 [#-]

 toshi9さん、コメントありがとうございます!

 どうも雑貨店シリーズは道具がメインみたいになっちゃって、その説明だけして終わることが多いので、「ここで終わり?」って感じになってしまうんだと思われます。
 続きはいずれ書こうと思っていますのでその時はどうぞよろしく見てやってください。

2008-09/13 16:22 (Sat)

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