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『脱出不可能な絶望の中で』

50万ヒット記念50本リクエスト
№03『閉鎖空間の女王』の話です。
 
それでは続きからどうぞ!
 
 
『脱出不可能な絶望の中で』



 その女性はゆっくりと目を開いた。
 玉座としか見えない豪奢な椅子に悠然と腰掛けているその女性は、いかにも女王と呼べるような外見をしていた。
 緩く流したブロンドの髪は強いウェーブがかかり、その実際の量以上に多く見える。その効果は彼女の体を大きく見せ、威圧感を増していた。その身に纏っているのは触れただけで破れそうな薄い羽衣のような布だけで、女性として大事な部分を一切隠せていない。それでも彼女の気品を損なうことはなく、むしろその姿こそが自然だと見る者に思わせるほどに、その服装は彼女に似合っていた。
 彼女は顔にかかっていた髪を払い、傲慢そのものの口調で口を開く。
「退屈じゃ」
 その言葉が広い部屋に響くと、それだけで空気が緊張した。女性以外の誰もその場にはいないのに、緊迫感が満ちる。まるで彼女にかしずく無数の人がその場にいるようだ。
「おい、誰か妾を楽しませられる余興を思いついた者はおらんのか?」
 その言葉にさらに緊張が高まり――不意に、どこからともなく声が響く。
『僭越ながら。私に新しい余興の案が』
「ほう? 許す。申してみよ」
 女王さながらの態度で女性は続きを求める。
 声が告げた余興の内容に女性は唇を歪めた。それは彼女の興が乗った証拠であり――

 『誰か』にとっての絶望が始まる合図だった。
 
 
 
 
 それは、突然のことだった。
 学校帰りの道端で、不思議な丸い石を見つけた。いつもなら素通りするだけのことだったが、なぜかその石に吸い寄せられ、手に取ってしまった。それだけでも異常なことだったが、異常はそれだけにとどまらず、触れた箇所から体が石に吸い込まれ、石の中に飲み込まれてしまったのだ。
(え――?)
 当然、何が起こっているかなどということを彼女が理解できるはずもなく、気付けば石の中に閉じこめられてしまっていた。
(なに、これ。なにが、どうなってる、の?)
 体は丸い石の形状に沿うように無理矢理丸められており、指先などの僅かな遊び以外は全く動かせない状態だった。体が柔らかい彼女でなければ、全身が降り畳められることによる激痛に泣き叫んでいたことだろう。とは言っても、いくら体が柔らかいとはいえ、押し込められて窮屈でないわけがなく、全方位から体が圧迫される苦しみに彼女は悲鳴を上げていた。
(……くる、し……いっ! だ、誰か――助けて!)
 微かに透けて見える外では普段通りに人々が行き交っている。しかし彼女の叫びに気付くものは誰もおらず、そもそも石の中にいる彼女に誰も気づいていなかった。そんな彼女の元にやってきたのは、幼い子供達だ。
 小学校の帰りなのか、ランドセルを背負った少年たちは、道ばたに落ちていた彼女が中にいる石に目を付けた。
「石蹴りしようぜー。どこまで蹴っていけるか勝負な!」
(え、ちょっと、待って!)
 彼女の言葉も虚しく、いきなり少年の蹴りが石を蹴飛ばした。石は勢いよく転がっていく。当然、中にいる彼女は溜まったものではない。
(いやあああああああ!!)
 全身をシェイクされるに等しい衝撃に彼女の意識は危うく途切れるところだった。全身にかかる負荷は並大抵のものではなく、吐き出さなかったのが不思議なほどだ。
 しかし、地獄はまだ続く。少年たちは代わる代わる彼女の入った石を蹴り、その度に彼女の身体はめちゃくちゃに振り回された。子供の無邪気さを恨んだのは初めてのことだったが、回数が重なってくるとそんなことを考える余裕もなくなり、彼女の意識はやがて散り散りになって消えていった。悪夢ならば早く醒めて欲しいと願いながら。

 だが――この程度のことは、悪夢の始まりでしかなかったのだ。

 彼女が気を取り戻した時、そこは広い部屋の中だった。
 照明がほとんどなく、薄暗いために部屋の隅が見えないほどだ。
「うぅ……ここは……どこ……?」
 見覚えのない場所に放り出されていた彼女は、自分の体が自由に動くことに気づく。だが、それで安心することはできなかった。
「……っ! うそっ……」
 なぜならば、彼女は全裸だったからだ。
 着ていたはずの学校の制服はもちろん、身につけていた下着、靴下の類まで全てはぎ取られていた。すぐさま両手で要所を隠すが、どことも知らない場所に裸で放り出されているということに彼女は恐怖を覚える。
「いったい、誰がこんなことを……?」
 この時点で、自分を拉致した相手に対する憤りはまだ覚えていなかった。それ以前に困惑の方が強い。一体ここは何処なのか、誰がこんなことをしたのか、そして自分がこれからどうなるのか――。疑問と不安ばかりが大きくなっていく。
 急転する事態に怯えていた彼女だが、持ち前の気丈さがここで活きる。
(……とにかく、このままここにいるわけにはいかないわ)
 彼女は自力での脱出を試みることにした。幸い拘束の類はなく、体の自由は全く奪われていなかったため、歩き回ることはできた。
(流されるままでいたら、何をされるかわからない……望み薄かもしれないけど……なんとか、ここから脱出しないと!)
 彼女はなるべく体を縮め、手で胸や股間を隠しながら歩き出す。
 歩き出してしばらくして、彼女は妙なことに気づいた。
(あれ……? 壁が近づかない?)
 遠くにあるように見えていた壁にまずは取りつこうと考えていたのだが、いくら歩いても壁に手がつけなかったのだ。まるで彼女が歩けば歩くほど壁が遠ざかっていくようだった。
(向こうの方が近かったのかな……? …………!?)
 背後を振り返った彼女は目を見開いた。
 なぜなら、その前に広がっていた光景は、最初に彼女が目を覚まして周りを見渡した時と寸分違わぬ光景だったからだ。かなりの距離を歩いたはずなのに、どの方向の景色も変わっていない。
(な、なにこれ!?)
 彼女は走り出す。スプリンターではないが、運動がそこそこできる彼女の足を持ってしても、壁は全く近づかず、逆に遠ざかりもしなかった。
(……おかしい……絶対にあり得ないわ、こんなの)
 足下を彼女は確認する。ひんやりと冷たいタイルの床は特別変わったものではない。ベルトコンベアのように動くことはないと考えて良い。なのに、彼女はいくら歩いてもその立っている場所から動けなかった。
(なんなのよぉ……)
 まるで陳腐なホラーのような出来事が堂々と起きていることに彼女は戦慄する。顔は泣きそうに歪んでいる。ただの誘拐事件とはもう思えなかった。常識どころか、世界の法則さえもねじ曲がってしまっているその空間の恐ろしさに、心と体が浸食され始めていた。
(夢なら早く醒めて……っ)
 歩き続けるしかない彼女だが、動いても何も変わらないというのは恐怖を容易く煽る。
「ああ、もう……いつになったら壁に辿り着けるの……!」
 恐怖を紛らわす一貫として、彼女はそう言った。

 ――まさに、その瞬間のことだ。

 いままでどれほど歩いても近づいてこなかった壁が目の前に迫った。危うくぶつかるところだった彼女は驚いて勢いよく体を後ろに引いてしまい、体勢を崩して尻餅をつく。
「……っ! ……な、なに……っ、なんなのよ!?」
 白くねっとりとした壁が目の前にある。求めていた壁が目の前にあるというのに、彼女は全く喜べない。
 むしろより不気味さが増し、たどり着きたかった壁に触ることを躊躇してしまう。
(……こうしてても仕方ないわ……とにかく、まずはこの壁を調べないと……!)
 そう考えた彼女は意を決し、壁に向かって手を伸ばす。
 手が壁に触れた――かと思えば、いきなり彼女の腕は壁に呑み込まれた。
「!?」
 驚愕する間はほとんどなく、彼女の腕は肘のあたりまで壁に減り込んでしまっていた。その感触はまるで固まっていないコンクリートに手を突っ込んでしまったかのようだ。
 彼女は昔工作の時間に粘土で自分の手の型を取った時のことを思い出す。その時の何倍も気持ち悪かったが。
「な、なんなのよ!?」
 泣きそうになりながらも彼女は腕を引き抜こうとした。だが、沈み込む時は一瞬だったのにも関わらず、腕を抜くことはどう頑張っても出来なかった。彼女は思わずもう片方の手を壁についてしまい――そちらの手も同じように沈み込んでしまう。
 パニックを起こしそうになるのを必死に堪え、なんとか腕を抜けないかと足を踏ん張ってみたがどうにもならない。
(横になら、少し動く……!?)
 試行錯誤するうちに、横向きならば少し動かせることを彼女は発見する。動かせる限り動かそうと考えた彼女だったが、それはただの罠だった。ちょうど両足を開いて踏ん張り、両手を壁についた時のような体勢になるまでは動いたが、その体勢になるとびくとも動かなくなってしまった。いいポーズを取らされただけだということに彼女は遅ればせながら気づく。
「最、悪……っ」
 力を込めて体を揺すり、腕を引き抜こうと彼女は苦心するが、壁に呑み込まれた腕はびくともせず、ただむき出しの乳房が揺れるのみだ。
 疲れた彼女がいったん抵抗をやめると、まるで獲物が弱るのを待っていたかのように腕が引かれ、さらに深く腕が沈み込んでいく。
「ひっ!? や、やめてよ……っ!」
 足を踏ん張って耐えようとするが腕を引く力は全く緩まず、彼女の体はどんどん壁に沈み込んでいく。
 顔が壁に触れるのをなんとか避けようと首を限界まで曲げて逸らすが、些細な抵抗にしかならなかった。ついに壁に頬が接し、ゆっくりと沈み込んでいく。
(し、死んじゃう……っ)
 彼女が呼吸する術は当然ながら口と鼻であり、そこが塞がれてしまえばあとは死を待つのみだ。彼女はそれを避けるべくどうにかしようとするのだが、無情にも壁は彼女の顔を全て飲み込んでしまった。呼吸が出来ず、彼女は唯一自由になる足をばたつかせて暴れる。限界に達すると、壁に飲み込まれた状態で思わず息を吸いそうになったが、空気を吸い込むことは出来ず、口を開くことも出来ず、ただ苦しみのみが増す。
(もう、だめ……っ、死、ぬ……ぅ……ッ!)
 意識が遠くなっていく。彼女は訳の分からないまま、死を覚悟した。
 その時、彼女は顔に外気を感じて即座に口を開いた。
「――ぷはっ、っ!?」
 開いた口から新鮮な空気が肺に入り込み、彼女の意識が活性化する。
「たすっ、か……」
 荒い呼吸を繰り返しながら目を開いた彼女は、助かったという言葉が甘すぎることに気づいた。彼女の目の前には、小さな袋のような空間が広がっており、その空間の壁面には無秩序に動き回る細長い『何か』が蠢いていたからだ。
 生理的な嫌悪感を呼び覚ますその『何か』は、強いて表現するならば『触手』という表現が相応しい。色が白いため、イソギンチャクのそれが大きくなったというのが、一番近い表現であろう。そんな触手が何十本も蠢く光景が顔の序の目の前に広がっていた。
「っ――! いあっ――っ、うぁっ!?」
 思わずあげかけた彼女の悲鳴は、殺到する『それ』によってかき消された。彼女の大声を封じるように口内に飛び込み、物理的に彼女の声を押し潰す。
「んん、んむぅっ!?」
 中へと入り込んだ触手達は躊躇うことなく彼女の口内を蹂躙する。歯の一本一本、歯茎、下の裏側に至るまで、触手が触らないところはなく、さらに喉の奥まで触手は入り込み始めた。
 そして、触手が入り込もうとしていたのはそこだけではなかったのだ。
「うぶ、ふくぅ、っ――っ!」
 小さく細い触手が彼女の鼻の穴に入り込んでいく。異様な感触に彼女が戸惑う間もなく、さらに触手の蹂躙は続いた。耳の穴に入り込んだ触手が回転しながらそこに刺激を与え始めたのだ。
「――――っ!」
 もはや何がなんだかわからなくなった彼女の意識は再び途切れそうになったが――その意識は突然明瞭になった。
 否、明瞭に『させられた』。
「んぐぅ――ッッ!?」
 いつのまにそちら側もそうなっていたのかわからないが、彼女の腰側の方も無数の触手が蠢く空間に変わっていたのだ。そして当然、触手達の狙いは彼女の穴である。
 一本の太い触手が、いともたやすく彼女の中に侵入を果たしていた。経験が全くない彼女だったが、その侵入に際して痛みは全くなかった。それは触手自体が滑り気を持っていたということもあるし、それに加えて何らかの作用によって彼女の方の穴が緩くなっていたということもあるようだった。触手は容易く浸食した彼女のその場所を弄ぶように蠢き、彼女に対して刺激を与え続ける。
「んぉっ、ふぁぅ、うぁっ、ふぅっ……っ!」
 精神的には嫌悪感しかなかったが、肉体の反応は違った。触手の分泌する液体が媚薬的な効果を持っているのかもしれなかったが。
 彼女の体は熱く火照り、特に触手が挿入されている箇所がもっとも強い反応を示していた。
 触手が分泌しているだけではない液体が彼女のその場所からは溢れ、垂れて太股を濡らしていく。
「んんっ……!」
 初めてとも言える感覚に、彼女は狼狽するしかない。その感覚が気持ちいいということを理解する暇もなく、ただ肉体の感覚に翻弄され、意識は高みへと持ち上げられていく。
「んあああああ――ッッッ!!!」
 彼女の体が彼女の意志に反して跳ね、震える。それがいわゆる『達した』状態なのだとうことを、何も知らない彼女は理解できなかった。ただ、自分の体が異様な反応を示しているという恐怖に苛まれる。
 しかし彼女がどう感じようと触手の動きに変化はなく、触手はただひたすら彼女に快感を与え続けた。その快感の強さは経験乏しい彼女が耐えきれるようなものではなく――彼女の意識は絶頂の中に消えていく。

 不意に、彼女の意識が引き戻された。

「え?」
 思わずそんな言葉が出てしまったほど、彼女にとってそれは唐突なことだった。慌てて周囲を見渡すと、そこには不思議な広い空間があり、自分の体の状態を見ると全裸であること以外特に変化のない状態だった。
「いったい……何が……?」
 触手に嬲られた感触はまだ彼女の記憶に色濃く残っている――だというのに彼女の体には何の変化もなく、違和感もなかった。
 それが逆に不気味で、彼女はそれを強い違和感として受け取ってしまう。
「どうなってるの……? この場所……」
 立て続けに起きる恐ろしい現象に彼女はひたすら恐怖のみを感じていた。震える自分の体を抱き締め、怯えていることしか出来ない。たとえ自身を浚った者が出てきても、自分から動くよりはマシな結末が待っているのではないかと考えた彼女は、何らかの動きがあるまで待つことにした。
 すると、即座に動きがあった。
 大きな音と共に天井が降りてきて――

 再び、彼女の意識が引き戻される。

 変わらない風景、変わらない自分の状態。
 それを感じた彼女は息を呑んだ。
「……ッ!」
 彼女の体から冷や汗が吹き出し、先ほどまでとは違う理由で彼女の体が震える。それは『何がなんだかわからない』という不明確な恐怖ではなく、明確な恐怖によるものだった。
 彼女は死んだのだ。
 動きがあるのを待とうとした瞬間、落ちてきた天井は、その勢いそのまま彼女の体を押し潰した。彼女が感じたのは一瞬のことだったが、身体が押し潰されて死に至ったという恐怖ははっきりしており、彼女の意識を完全に塗り潰した。
「……だめ、だ……っ、このままいたら……また……っ」
 彼女は特筆するほどに勘の鋭い人間ではなかったが、それでも理解出来ていた。何のリアクションも起こさなかった場合、この空間は情け容赦なく彼女を殺しにかかるのだ。ゆえに彼女は脱出のための行動を起こさないといけない。だがその行動を誤れば壁に飲み込まれた時のように気が狂うほどの快感を与えられる。
(誰が何の目的で、どんな方法でやっているのかはわからないけど……これは、『脱出ゲーム』なんだ……っ)
 密室からの脱出。
 ブラウザゲームでよくあるパターンである。密室に閉じこめられた状態から始まり、部屋の中を探索して様々なヒントを得て、最終的に密室空間からの脱出を計る。ゲームオーバーになる条件はいくつもあるため、常に正しい道を選び続けなければ脱出できない。
 彼女のおかれている状況はその脱出ゲームに酷似していた。ゆえに、彼女がその先選ぶべき道も、一つしかない。
(クリアするしか――ない)
 そう決意した彼女は、地獄のような現状から脱するため、試行錯誤を重ねる。
(壁はだめだった……たぶん、他の壁も一緒……)
 もしかすると別の方面の壁なら大丈夫なのかもしれないが、試す気にはなれなかった。
 どうしても他に方法を見つけ出せなかった時のために取っておく。
(まずは……)
 彼女は自分が立っている床をみる。何の変哲もないタイルが並べられた床。しゃがみ込んだ彼女はなんとかタイルを剥がせないかと、継ぎ目の間に爪を入れてみる。
 すると――タイルはまるで紙切れのような容易さで剥がれた。
「や、やった!?」
 そのあまりの抵抗の少なさに正答を引き当てたのだと彼女は喜ぶ。タイルを完全に剥がし、その下を除き込んだ。
 何か空間が広がっているようにも見えたが、暗くてよく見えない。もっと穴を広げないとだめかと感じた彼女は、剥がしたタイルの周辺のタイルを剥がした。だが、どれほど大きくタイルを剥がしてもその下の様子は窺うことが出来なかった。
「あれ……? いけたと思ったのに……」
 これもだめなのかと落ち込む。すでにタイルの剥がされた床の面積は人間一人簡単に落ちるほどの広さになっていた、
 その時だ。
 下に広がる暗闇の中から、突然黒い触手が伸びて来て、彼女の足に絡みついた。
「ひっ!?」
 短く悲鳴を上げた彼女が抗う間もなく、触手によって彼女の足はタイルの剥がされた場所に引きずり込まれる。その中は生温かく、例えるなら獣の口内のような感触だった。足に絡みついた触手はさらに彼女の足を這い上がり、付け根を越えて秘部へと達する。
「い、いやぁっ!!」
 大きな悲鳴をあげ、なんとかその触手を引き剥がそうとした彼女だが、触手はそんな彼女の抵抗を意に介さず、あっという間に秘部の中へと入り込む。
「い、ぎっ!?」
 先ほど壁に飲み込まれたときには感じなかった抵抗を体の中に感じた。その抵抗はすぐに激痛に変わり、彼女は悲鳴を上げる。まるで体が内側から裂かれるような感触にひたすら呻き、叫び、触手を引き剥がそうと苦心する。しかし、そんな抵抗は何の意味もなく、彼女のそこはひたすら触手に蹂躙され続けた。
 最初は体の中に異物の存在を感じて、激痛と違和感に苛まれていた彼女だったが、突然それが消え、代わりに快感が頭に叩き込まれ始めた。いきなり百八十度違う感覚を味わうことになった彼女は、翻弄されるあまり何をどう感じていいかもわからなくなってしまう。
「あ、あっ、あぁ、あぇっ、あっ……!」
 快感の強さが彼女の許容量を越え、視界が真っ白に染まった。絶頂に達したのだということがわからない彼女だったが、臨界値に至ったのだということくらいはわかる。
 そうなったのと同時に彼女の足が引かれ、抵抗する間もなくもう片方の足も真下の空間へと飲み込まれた。見えないところで足が無理矢理割り開かれ、必然彼女の足の付け根にあるところも大きく開帳してしまうことになる。
 絶頂に至る感覚は知らなくても、一定の臨界値を越える度にさらに深く飲み込まれるのだと察した彼女は、なんとかそれに至らないようにと意志を固める。だが、彼女の中に侵入した触手は彼女のそんな意志をあざ笑うかのように、さらに強力な快感を生じさせるべく動き始めた。
 彼女の前の穴には太い触手が一本だけ入っていたのだが、その太い触手がいったんその穴から抜き出ていく。その抜き出ていく時も、ただ抜けていくのではなく、回転を加えて彼女の内壁を余すことなく抉りながら、だ。それだけでも彼女は達しそうになったが、触手の本領はそこからだった。いままで入っていた触手より一回り細い触手が、二本連なって彼女の秘部を狙う。それぞれ別々の動きをしながら彼女の中へと潜り込んだ二本の触手は、彼女に倍近い快感を与え、あっという間に彼女を絶頂へと導く。
 さらに彼女の体は沈み込み、腰の上あたりまで地面に埋まった。
「うぅ、っ、うぅぅぁっ……!」
 彼女は腰から下から這い上がってくる快感に頭が沸騰しそうなほどの熱を感じていた。彼女の腰から下は余すところなく触手によって覆われ、執拗に嘗められているようなものだった。前の穴だけではなく、後ろの穴や尿道に至るまで、触手によって侵されていない場所はない。異物感はすぐになくなり、それぞれの場所から強い
「あがっ、あ、ァーーっ!」
 三点をなぶられた彼女は、あっという間に逝ってしまった。ずるずるとさらに深く沈み込む。それでも彼女の絶頂は終わらない。ぶるぶると体が震え、どんどん体が沈み込んでいく。深く沈み込む度に嬲られる彼女の箇所は増えていった。
 お腹まで至ったときは、へその穴を丹念に嬲られた。胸に達した時は乳房全体を締め上げられた。乳首に至った時は極細の触手が乳腺の中まで入り込み、肩胛骨に達するとその場所も性感帯へと染め上げられた。
 そしていよいよ、彼女の体で外に出ている部分は顔だけとなった。
 窒息してはならじと顔を真上に向けていたのだが、すでに耳の穴まで床のラインが来ている。あと一押しで彼女は完全に落ちるだろう。そしてその最後の一押しはすぐに行われた。
 彼女の唯一出ている顔の周囲の床から無数の触手が立ち上り、その先端が狙いを定める。それが何を狙っているのかは記憶上彼女にもわかったのだが、顔しか外に出ていない彼女にはどうしようも出来ない。
「や、やめ……っ」
 拒否の言葉も意味を成さなかった。殺到した触手達は彼女の顔面を襲い、口から耳まで穴という穴を蹂躙した。
 触手は舌に絡まり、口内を弄って、喉の奥まで侵していく。彼女にしてみれば実質二度目の蹂躙だが、それで何かが変わることはなかった。それもそのはずで、地面に埋まった彼女の体はあますところなく触手によって侵されていたのだ。全身が床に浸かっているために壁に飲み込まれたときよりも遙かに強く、激しく触手達は動く。
「―――――ッッッッ」
 彼女は嵐の中に漕ぎ出した小舟の如く、強すぎる風に振り回され、翻弄され、そして飲み込まれて、いつ逝っているのかもわからないほどに激しい快感の渦に飲み込まれた。
 完全に彼女の体が床に沈み込み、彼女の呻きも足掻きも何もわからなくなった。
 
 そして――彼女の意識は引き戻される。
 
 
 
 
 少女が何度も何度も抗う様を、笑みを浮かべて眺める者がいた。
 それは玉座に座った女王で、右手に持った水晶玉のような物の『中』で足掻く少女の様子を眺めていた。離れた場所の景色を映し出しているのではなく、女王が手に持つ水晶の中に少女は閉じ込められていた。そこから脱出しようと様々な方法を取っているのだが、その度に失敗し、快感に狂わされて最初から繰り返されている。
「ふふふっ……小さな者が必死になって無様に足掻く姿は愛いものじゃの。――なかなかの余興じゃ」
 女王は自己の思いのままに出来る閉鎖空間を作りだし、その中に人間を閉じこめることが出来た。その力を活用し、少女という存在を捉え、弄んでいるのだ。女王は水晶玉を片手で持ち、中身の様子を眺めつつ、ご機嫌な様子だった。
「おやおや――また呑まれてしもうたか。肉体は毎度リセットしておるが、いい加減精神の方は限界じゃろうに。そろそろ脱出に達しても良かろうにのぅ」
『あなた様の空間から脱することの出来る者は、そうはいないかと』
 独り言のような女王の言葉に、反応する声があった。女王は目線をその『声』を発する『モノ』へと向ける。
「ヒントは色々と散りばめておるんじゃがなぁ。所詮、愚民は愚民ということかの」
 女王の向ける視線の先、そこには彼女が座っている玉座があった。女王の言葉に応える声は玉座から響いている。
「いい余興を思いついたものじゃの。誉めて遣わす」
『ありがとうございます』
「お主らを変える時は一瞬で変えてしもうたからの……いまから思えば、『変えていく課程』というものも楽しめば良かったのぅ。四肢の端から徐々に変えて行くような……そういう方法を取ればよかったかの?」
 女王はその不可思議な力を使って、人から調度品などを作り出していた。彼女が座っている玉座だけではなく、周りの全ては人間が変えられているものだ。タイルの一枚一枚に至るまで色んな人間が遣われている。基本若い女性が変えられていることが多いが、少数ながら男性が元になっている調度品もあった。一体何十人、何百人の人間が使われているのかすらわからない。
「まあ、これから手に入れる者達でじっくり楽しませてもらうとするかの」
 すいっ、と女王が虚空を指でなぞる。するとその指がなぞった部分の空間が裂け、その裂け目の向こう側に景色が広がった。景色はいくつもの場所に分かれており、それらの景色は全て女性を中心に据えている。
 それらが次の獲物なのだと、誰にでもわかる。女王に見られていることはもちろん、獲物とされていることも何も知らない彼女らはそれぞれの生活を送っていた。
 彼女たちの様子を眺めていた女王は、その端正な顔に邪悪な笑みを浮かべていた。
「さて……こやつらは、どの程度妾を楽しませてくれるかのぅ?」
 
 そして再び――絶望が始まる。
 
 
 
 
『脱出不可能な絶望の中で』 終
 
 
 
 

Comment

No.778 / 名無しさん [#-] 死にゲー

乙です
謎解きとしての難易度はわかりませんが実際にやるとなると相当な物、訓練を受けてても難しいんでしょうね
彼女の心がどのように折れるか、見てみたいものです

2012-08/13 00:06 (Mon)

No.786 / 名無しさん [#-] No Title

乙カレー

理不尽なのが素晴らしい

2012-08/13 00:57 (Mon)

No.788 / Torainu [#CNtCm3fU]

執筆お疲れ様です

普通に生きていた子に焦点を当てる、さすが光ノ影さんです!

死んでも繰り返され、ちょっとずつ精神が蝕まれていっているところがいいですねぇ
エロ成分は控えめな感じもしましたが、壁に引き込まれていく描写などがググッときました
面白い作品でした!

次の作品も楽しみにしています!

2012-08/13 07:49 (Mon) 編集

No.789 / ごんべー [#-] No Title

こんばんは、今夜も楽しく見ております。

リクエスト内容の文から想像していたのとは少々違っていましたが、これはこれでいいものですね。一昔前の理不尽な死にゲーを彷彿とさせ、極限状態で彼女の心が折れていくさまがよくわかります。
これから彼女が泣き叫びながら絶望していくのだと思うとそそられます。強めの精神の持ち主だから本編中で折れなかったのが残念でもあり面白くもあり…女王サマもそこらを考慮して選んだのかな?ドSとしてなかなかいい趣味をしています。
…あと楽しそうな女王サマがちょっと可愛かったですw

お疲れ様でした、次も期待しております。

2012-08/13 20:36 (Mon)

No.790 / [#] 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2012-08/13 20:52 (Mon)

No.791 / 光ノ影 [#-] Re: 死にゲー

コメントありがとうございます!

> 謎解きとしての難易度は~
そうですね~。難易度設定は例えると自他共にゲーマーと呼ばれる人達でギリ一発クリア出来るか出来ないかのレベルです。
ちなみに。の裏設定ですが、仮に女王がこの閉鎖空間に挑戦した場合一発でクリアします。彼女はTASさんレベルです(笑)。

> 彼女の心がどのように折れるか、見てみたいものです
続編の構成はありませんが、きっとかなり粘って頑張ってついにへし折られる瞬間が来るのだと思います。その溜めに溜めた絶望を書き切れないのは何とも力不足で申し訳ないです……精進します。

それでは、どうもありがとうございました!

2012-08/14 22:51 (Tue)

No.792 / 光ノ影 [#-] Re: No Title

コメントありがとうございます!

> 理不尽なのが素晴らしい
とにかく理不尽に仕上げてみました。
脱出出来る確率は普通の人だとほぼ皆無です。
正確には何百回も繰り返していけば脱出出来るのですが、その前に精神が折れるという……鬼畜仕様なわけです。
こういうゲーム、いつかバーチャルリアリティで実現しませんかねえ?(笑)

それでは、どうもありがとうございました!

2012-08/14 22:55 (Tue)

No.793 / 光ノ影 [#-] Re: タイトルなし

Torainuさん、毎度コメントありがとうございます!

> 執筆お疲れ様です
そう言っていただけると疲れも吹き飛びます。
ホントにありがとうございます。

> 普通に生きていた子に~
この系統で、専用に飼育された子とかの話も書いてみたいなー、とは思うのですが、やはり何の関係もなかったところで生きていた子が急に巻き込まれて(取りこまれて)しまう系の話が大好物です(笑)

> 死んでも繰り返され~
肉体は回復しても精神は回復しない、そんなことを強調して書いてみました!
徐々に壊れていく様も書ければよかったのですが……腕がまだまだ足りません。

> エロ成分は控えめな感じもしましたが~
そうですね、今回はあまりエロ分を書けなかったのが残念です。ちょっと前置きというか、それ以外のところに注力しすぎたかな~、とも思います。
エロエロでそれ以外の部分もきちんと書ける、そんな人に私はなりたい。

> 面白い作品でした!
> 次の作品も楽しみにしています!
ありがとうございます!
さらに上を目指して頑張ります!

それでは、どうもありがとうございました!

2012-08/14 23:33 (Tue)

No.794 / 光ノ影 [#-] Re: No Title

ごんべーさん、いらっしゃいませ!
毎度コメントありがとうございます!

> リクエスト内容の文から想像していたのとは~
少しごんべーさんの希望からは外れてしまいましたか……申し訳ありません。
でも、これはこれでいいと言ってもらえて良かったです! 我ながらこの手の話を書くのが好きなのだな、と実感しました。死にゲーの発想はほとんど思いつきだったのですが、思った以上に好評価みたいで良かったです。

> これから彼女が泣き叫びながら~
きっと最後は快感に呑まれてしまい、何も考えられなくなるのだと思います。哀れなのか幸せなのかは人によるということで。
精神力がそこそこある人間を選んだのは女王様の趣味です。あまりあっさり折れてしまうとつまらないという理由なので、本当に彼女はドSだと思います(笑)。

> …あと楽しそうな女王サマがちょっと可愛かったですw
可愛く感じていただけましたか! やってることは超鬼畜ですけどね(笑)
些細なキャラ描写の中にもそれなりの個性が出せるようになりたいです。今回は某人外キャラをイメージして書いてみました。イメージ元のキャラはこんなにドSじゃないですが。

> お疲れ様でした、次も期待しております。
ありがとうございます。
次も頑張って書きたいと思います!

それでは、どうもありがとうございました!

2012-08/14 23:40 (Tue)

No.795 / [#] 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2012-08/15 09:04 (Wed)

No.796 / 光ノ影 [#-] Re: No Title

ご指摘ありがとうございます!

> >T○Sさんレベル
> その例えは最適解を知っててかつ洗練されてるって意味になりますよ
Σ(゚Д゚)!
言われてみればその通りでした!
ろくに考えずにTASさんレベルとか言っちゃいました。ありがとうございます。

一時期TAS動画に嵌り過ぎてて、どんな鬼難易度も一発クリアする存在=TASさんみたいな認識になってしまっていました。
言葉を扱う者の端くれとして、不用意に間違った言葉を使わないように気をつけます。

ありがとうございました!

2012-08/15 16:45 (Wed)

No.799 / 名無しさん [#-] No Title

あれから一ヶ月経っちゃったんですね・・・

2012-09/13 00:57 (Thu)

No.807 / 光ノ影 [#-] Re: No Title

> あれから一ヶ月経っちゃったんですね・・・
一か月どころか、二カ月も放置してしまって本当に申し訳ないです!
コメントありがとうございます。

2012-10/07 21:48 (Sun)

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