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『思い通りになる世界・外伝』 ~新しい学校性活~ その5

この作品は『思い通りになる世界』の外伝シリーズ第二弾『新しい学校生活』の続きです。
これまでの話はこちら→ その1 その2 その3 その4

それでは、続きからどうぞ。
『思い通りになる世界・外伝』 ~新しい学校性活~ その5




 昼休み。
 私は美南さん達に誘われて屋上へとやって来ていた。
「中庭もいいけど、やっぱりここがご飯食べるのに一番いい場所よね」
 美南さんがそう朗らかに笑いながら皆に向かって言う。万由美さんと武蔵さんはそれに頷いて同意を示した。
「結構見晴らしがいいね」
 初めて屋上にやってきた私は、そこから見える景色に目を奪われた。周りに高い建物がないから、かなり遠くの方まで見ることが出来る。
「ほいでも、今日はまだ見通しが悪い方やね。天気が凄くええ日やと、遠ーくの山の方まで見えんねんで」
 万由美さんが持ってきたシートを敷きながら教えてくれる。この景色よりもっと遠くまで見ることが出来るなんて……その景色が見れる日が楽しみだ。
 私はシートの上に座って、持ってきた弁当をそこに置く。他の三人も思い思いの場所に腰を下ろした。
「あ、古林さん、珍しい座り方してるね」
「え?」
 私はそう言われて自分の座り方を見下ろす。普通に正座を崩したような形で、特に珍しい座り方をしている認識はなかった。
「そう? ……でも、言われてみれば皆の座り方の方が普通なのかな」
「この学校に正座とかで座る人はあんまおらへんで。――あ、別にそう座るんが悪いゆうとるわけやないんやけど」
 慌ててフォローしてくれる万由美さんは、胡坐をかいて座っていた。それも、両足の裏を合わせたアソコが良く見える座り方だ。武蔵さんはM開脚に近い座り方で、美南さんは両足を左右に投げ出し、柔軟でもしそうな体勢になっていた。
「なるべくアソコがよく見えるように座るのがマナー」
 武蔵さんはぽそりと呟く。そう言われて、私はきちんと股を閉じていることが恥ずかしいと感じる。
「そ、そうだよね。ん、っしょ……っと」
 私は万由美さんの座り方を真似して、胡坐をかく形に座り直す。いままで閉じていた場所に屋上に吹く風が当たって、奇妙な感覚だった。マナーとしてはこの座り方が正しいのに、この形で座るのは初めてのことだ。いままで自分がどれほど行儀が悪かったのかを実感して、少し恥ずかしく思う。
「うーん……ちょっと、落ち着かない、かな」
「慣れれば平気やって」
 同じ座り方をしている万由美さんがそう言うと説得力があって安心できる。
 美南さんが弁当箱を開けながら言った。
「食べながら話しましょうよ。時間がなくなってしまうわ」
 その美南さんに賛同し、万由美さんと武蔵さんの二人も昼食を取りだす。私も弁当の袋を開いた。
「古林さんは自分でお弁当を作ってるの?」
「ううん。お母さんに頼んでる」
「かわええお弁当やねぇ」
「ありがと」
 私は皆のお弁当を見渡した。それぞれ特徴的なお弁当を持ってきている。
「美南さんの弁当、美味しそうだね」
「そう? ありがと。自分で作ってるから簡単なものばっかりなんだけどね。結構レトルトに頼ってるし。ほら、これとか」
 そう言って美南さんが示したのはトンカツだった。確かにこれは前日の夜の残りでもない限り、朝に揚げてくるということはないだろう。
「でも、色とりどりで美味しそうだね。それにかかってるのはタルタルソース?」
「違うよ。お兄ちゃんの精液。美味しそうでしょ?」
 美南さんは誇るようにそう言った。私は息を呑む。呑んでから、それほど驚くようなことでもないことに気付く。
「そっか、家族に男の人がいれば、そういうことも頼んだり出来るんだね」
「あれ……もしかして、古林さんのとこって……」
 離婚家庭か、父親が早くに亡くなったかと思われたのだろう。一瞬周りの空気が重くなる。
 私はその空気を吹き飛ばすように笑って見せた。
「お父さんは単身赴任でね。普段家にはお母さんしかいないんだ。ここに転校してきたのは、お母さんも働いているから、お母さんの転勤でね」
「なんや、そういうことか。……それは、ちょっと残念やねえ」
 ほっとした表情に皆がなる。武蔵さんだけはあまり表情が変わらなかったけど、気遣っていてくれていたのは何となくわかった。
 最初に仲良くなれたのがいい人達みたいで本当に良かった。
 美南さんと万由美さんは普通のお弁当だったけど、武蔵さんだけは購買で昼食を買ってきたらしい。
「身内に男性がいないなら、たまに購買や学食を利用してみるといい。搾りたてのソースをかけてもらえるから」
 武蔵さんが取り出したのはホットドックだった。カスタードやケチャップがかかっているその上に、白い物がかけられている。
「武蔵さんも、お父さんが単身赴任とか?」
 私がそう聞くと、武蔵さんは首を横に振る。
「私の場合は、単に朝準備してもらう時間がないだけ」
「武蔵さんは陸上部に所属していてね。物凄く朝早くからトレーニングをしてるのよ」
 口数の少ない武蔵さんの変わりに、美南さんが捕捉してくれた。続いて万由美さんも口を開く。
「武蔵んとこは兄弟姉妹は多いんやけどねえ。上に兄が二人、姉が一人、下に三つ子の妹、そんで弟が一人、やったっけ?」
「ということは全部で……八人もいるの!?」
 一人っ子の私には想像出来ない話だった。武蔵さんは少し照れくさそうに頷く。
「五月蠅いだけ」
「ああゆうとるけど、面倒見ええお姉ちゃんやねんで。兄弟姉妹の中で一番背は低いんやけど――イタッ! 叩かんといて!」
 万由美さんの肩を平手で叩いた武蔵さんは、拗ねてしまったかのようにそっぽを向いた。その行動が妙に子供っぽくて、思わず笑ってしまう。
「喧嘩しないの、二人とも。全く……ごめんね」
「ううん。楽しいよ」
 嘘じゃなかった。仲のいい三人の輪にちょっと入りにくい感はあるけど、転校初日なんだから仕方ない。これからどんどん仲良くなって行きたかった。
 美南さんがじゃれあう二人を諌めて、それぞれ買ってきたジュースの缶を手に取る。
「それじゃあ、新しい友達との出会いに乾杯しましょうか」
 にっこりと笑う美南さん。
「お酒が良かった」
 ぽつりと呟く武蔵さん。
「校内で売ってるわけないやん」
 武蔵さんにツッコミを入れる万由美さん。
 三人が差し出す缶ジュースに、私は自分の持つ缶を軽く当てる。
「ありがと、これからよろしくね」
 乾杯をした私達は、早速昼食を食べ始める。
「古林さん、私の兄が特製ソースをかけてくれたトンカツ、食べてみる?」
「え、いいの?」
「いいわよ。お近づきの印……って奴?」
「物で釣るとは卑怯」
「人聞きが悪いわね、武蔵さん」
「わ、私、食べてみたいな。そういうの食べたことないから……」
「『したことない』ことばっかやねえ。古林さんは」
「こら、万由美。それぞれの学校の方針や校風があるんだから仕方ないでしょう」
「それもそやね。ごめん、古林さん」
「う、ううん。いいよ。本当のことだし……えっと……じゃあ、美南さん、もらうね?」
「はい、どうぞ」
「ありがと。…………はむ」
「どう? 美味しい?」
「――――む、んぅっ……なんていうか……独特な味……だね。苦くて、ちょっと、生臭くて……」
「慣れると癖になる味に感じられると思うわよ」
「あと、匂いが……なんか、変な感じ……」
「精液やからねぇ。女が興奮してまうんはしゃーないって」
「そっか……胸がドキドキするのは、当たり前だよね」
「世の中にはその成分が非常に強い男性もいるみたい」
「興奮する度合いがってこと?」
「百人に一人くらいの発現率らしいけどね。うちの学校にも何人かいるわよ。まあ、そういう人は大抵『特殊学級』に配属しちゃうけど」
「『特殊学級』……って、あの、特別優れた素質を持つ人だけが所属してるっていう?」
「そうそう。よう知っとるね」
「一応、調べられることは調べて来たから。……へー。やっぱり数人はそういう人がいるんだ」
「話もいいけど、そこそこで食べないと時間が足りなくなる」
「あ、そうだね。食べよ」
「古林さん、その卵焼き美味しそうね。もらってもいいかしら?」
「いいよ。じゃ、特製トンカツのお返しってことで」
「ありがとう。……はむ……うわっ、この卵焼き美味しいね」
「えへへー、お母さんはこれが凄く得意なんだ」
「美南、ほんまなん? そんなに美味しいん?」
「食べてみたらわかるわよ。塩加減が何とも絶妙な感じ」
「もろていい?」
「うん、いいよー。武蔵さんも食べる?」
「そう言われるのを待ってた」
 和気あいあいと楽しく、私達はお昼を食べ進めた。

 私達はお昼を食べ終わった後も、食後のお茶を飲んで休みながら、取りとめのない話を続けていた。
「そういえば、体育の授業で言ってた『罰則』ってどういうものがあるの? 数学の時みたいなのかな?」
 私の質問に対して、美南さんがすぐに答えてくれる。
「基本的に、体育の授業の罰則は肉体労働系が多いわね。男子は荷物運びとかトイレ掃除とかだけど……」
「女子も肉体労働系といえば労働系やね。男子の罰則とはちょっと種類が違うんやけど」
「『精子運び』、『二週間トイレ設置』が代表的」
 ぽつりと呟かれた武蔵さんの言葉に、私は首を傾げる。
「あんまり聞いたことのない言葉だね。『精子運び』って何?」
 『トイレ設置』の方は予想が付いた。トイレと言えば、朝担任の見崎先生が言っていた『性奴隷』の常駐場所。そこに『設置』されるということは、期間限定の『性奴隷』としてトイレで過ごすという罰則なのだろう。
 そちらはそういう風に予想出来たけど、もう片方の『精子運び』に関しては想像が出来ない。
 首を傾げる私に対し、美南さんが優しくわかりやすく説明をしてくれる。
「簡単に言えば、学校中の男子生徒から精液を貰って、それをある場所に移す作業のことよ。……ちょうどいいわ。ちょっとこっちに来て」
 言いながら美南さんは立ち上がって屋上の端へと歩いて行く。私は立ち上がって彼女についていった。
 フェンスの前に立った美南さんの隣に並ぶ。脚と脚の間を吹き抜けていく風が、妙な感じだった。思わず身体が震える。
 慣れているのか、美南さんは風など気にせず、校庭の一角を指さす。
「あの辺りなんだけど……見えるかしら。大きなプールの横辺りに、小さなプールがあるでしょう?」
 私が美南さんの指差した方向を見ると、確かに大きなプールの横に、まるで子供が入るためにあるような小さなプールがあった。大体横幅が五メートル、縦幅が三メートルくらいだろう。深さはここからではわからないけど、そのプールは白い液体で満たされている。隣の大きなプールは普通の水が満たされているようだ。
 私は白色の水が何なのだろうと思って――そのことに思い至る。
「……あれってもしかして!?」
 驚いて私が美南さんを見上げると、彼女は楽しげに笑っていた。まるで手品の種明かしをするように、どこか得意げに言う。
「そう。あれは男子から貰った精子を溜めているの。あのプールは特殊な構造をしていてね……普通、体外に放出された精子は、暫くしたら腐って酷い匂いを発するようになるけど、あそこのプールに満たされている精子は、いつまでも出された瞬間のような鮮度を保つことが出来るの」
「へぇ……凄い技術だね」
「うちの学校の自慢の設備だしね」
 言いながら、美南さんは万由美さんや武蔵さんのいるところに戻って行く。私も一緒に戻った。
 改めて腰を降ろしながら、美南さんは説明を続ける。
「『精子運び』は学校中を回って男子生徒から精子を絞り取って、あそこのプールまで運んで注ぎ足すって感じ。あの場所に溜められた精子は腐ったりはしないけど、色々な原因で減るからね。飲んだり塗ったり」
「膣ん中に入れて運ぶもええし、口に注いで貰って運ぶのもよし、一度に運ぶ量を多くしたいんやったらアナルを使うのがお薦めやね」
「へぇ……なんだか、大変そうだね」
 思わずそう呟いたけど、武蔵さんがそれを短い言葉で否定する。
「そうでもない」
 どう考えても大変そうな罰則だったから驚いた。
「そうなの?」
「やること自体は気持ちいいから。精子を零さないようにしてプールまで行くのが面倒、ということくらい」
 そうか、そういう考え方も出来るのか。私は思わず感心してしまった。
「ちなみにあのプール自体の使い道は、精子が苦手な子を縛って放り込んで苦手を克服させたり、確実に妊娠するために漬かりながら数日間過ごしたり、色々あるのよ」
 罰則に利用しながらも、それ自体を有効に活用する。
 私は『この学校の校則や規則は本当によく考えられているなぁ』と感心するしかなかった。
 その時、突然美南さんが口を開く。
「あ、罰則といえばね。遅刻はしない方がいいわよ」
「遅刻?」
 私は思わず首を傾げる。そんな私を置いて、万由美さんや武蔵さんも美南さんの言葉に同調して頷く。
「そやね。遅刻だけは厳禁やね」
「……あれは、辛い」
 三人が三人揃って言うからには余程の理由があるのだろう。
「それは、やっぱり罰則が厳しい、から……?」
 思わず小声になってしまう。私に合わせてか、美南さんも声を潜めるようにして説明をし始める。
「うん。恥ずかしい話なんだけど……私も一度遅刻しちゃったことがあってね……あの罰則は凄くきつかった」
「二度と遅刻せんようにしよって思うもんなぁ。あれは恐ろしいで」
 声を震わせる美南さんと、しみじみという万由美さん。
「…………その割に、万由美は全然遅刻が直らない」
「そうよね……一週間に二回は遅刻してくるものね」
「朝は弱いねんて!」
 恥ずかしそうに万由美さんが叫ぶ。
 私は三人をここまで恐れさせる罰則の内容が酷く気になった。
「それで……どんな罰則なの?」
 私が口を挟んだことで説明が途中だったことに気付いたのか、改めて美南さんが説明をしてくれる。
「やること自体は簡単なのよ。ただ遅刻してきた授業の間中、ずっと廊下に立たされるだけだから」
「格好はガニ股でなー。こう手を頭の後ろで組んで、腰をこう前に突き出すような格好やねんけど」
「それが、凄く辛いの?」
 私は少し不思議に思った。授業中ずっと立ち続けなければならないのは辛いような気もするけど、ただ立っていればいいだけだし、そんなに恐れるような罰則じゃないように思える。
 そんな私の想いが顔に出ていたのか、武蔵さんが首を横に振る。
「それだけのこと、と思うかもしれないけど、これが本当に辛い。……やってみないとわからないことかもしれないけれど、出来る限りやらないようにした方がいい」
「簡単に言えばね、すっっっごく恥ずかしいの」
「恥ずかしい? 別に変なところ見られるわけじゃないのに?」
 私はいよいよわからなくなった。別に見られちゃいけないところを見られるわけでもないし、ちょっと立ち姿としてはダサいくらいで恥ずかしい格好ではないように思える。
 万由美さんは私の言葉に賛同して、何度も頷いていた。
「そうなんよ。いまここで話す限りでは全然大したことのように思えへんやろ? けど、遅刻して廊下に立たされる時――そん時は物凄い恥ずかしく感じるし、実際恥ずかしいねん。『なんで裸なんやろ』とか『あそこ見られとうないッ!』って思ってまうねん。顔が熱くなってもうて、頭ん中まで沸騰するみたいに恥ずかしいねんで」
「うそぉ」
 さすがに大げさではないかと思った。実際そうなのかもしれないけど、私には想像できない。
 裸であることになぜ疑問を抱くのかもわからないし、あそこを見られたくないなどと思うのも訳がわからない。
 しかし三人の真剣な表情を見る限りは、私をひっかけようとしているという悪戯の可能性も低そうだった。
「うーん……わかった。とにかく注意しておくね。幸い学校からは家が近いし、遅刻することはないと思うけど……」
 そう言った時、びしり、と鼻先に万由美さんの指が突き付けられた。
「甘いで! そういう子ぉが一番よう遅刻するんや」
 あまりの剣幕に驚く。私は慌てて頷いた。そんな私や万由美さんの様子を見ていた美南さんと武蔵さんがくすりと笑う。
「さすが、万由美の言うことには説得力があるわね」
 楽しそうに美南さんが言う。私は首を傾げた。
 話がわからない私に対して、武蔵さんが耳打ちをしてくる。
「万由美の家は、徒歩十秒の距離にある。学校の隣が万由美の家」
 なるほど。遅刻が多いという万由美さんだったけど、それは家が近すぎると言う理由だった。
 確かに、近いからすぐに行けると思っていたらいつの間にか時間が過ぎていた、というのはよくある話だ。私も注意しなければならないだろう。
 話がひと段落したところで、美南さんが立ち上がる。
「それじゃ、そろそろ教室に戻りましょうか。あと少しで昼休みも終わるし……」
 お弁当箱をか片付け、シートも畳んで手に持ち、屋上から校舎の中へと入る。
 階段を降りながら、私は美南さんに話しかけた。
「次の時間は英語だっけ?」
「そうね。英会話の授業だから、外国人の先生が担当よ。ちなみに男の先生ね」
「うち、あの先生苦手やぁ」
「そうなの?」
「なんというか、豪快な先生やし……」
「私も苦手。あそこのサイズも外国サイズだから」
 何となく二人が苦手とする理由がわかったような気がする。
 私は話題を変えた方がよさそうな気がして、ちょうど見えて来た階のことを口にする。
「ここの校舎の最上階は特別教室が並んでるんだっけ?」
「そうよ。生徒指導室とか実験室とか――ああ、懲罰室もこの階ね」
「懲罰室……?」
 物騒な響きだと思った。なるべくお世話になりたくない。
「ついでやし、ちょっとだけ覗いていかへん?」
 その万由美さんの提案に、美南さんは少し考えてから同意を示す。
「そうしましょうか。外からちょっと見るだけならそこまで時間もかからないし」
 そう決めるが早いか、美南さんは階段の踊り場から続く右側の廊下へと足を進めた。私達はその後に続く。
 美南さんはいくつか教室を通りすぎた後、一つの教室の前で立ち止まる。
「古林さん、ここが懲罰室よ。窓から少しだけ中が見えるわ」
 ドアに小さな四角い窓があって、そこから中が覗けるみたいだった。他の窓は不透明で中の様子は見えない。
 私は美南さんに薦められるまま、懲罰室の中を覗きこむ。昼だというのにその中は薄暗くて、出入り口とは反対側の窓はカーテンが閉められていて陽が差し込まないようになっているようだった。
 部屋の中には黒くてよくわからない物がいくつも吊り下げられている。それらは風が吹き込んでいるわけでもないのに、ゆっくりと揺れている。
「あの、吊られてるものは何?」
「あれが懲罰を受けてる生徒」
 私が口にした疑問に、信じられない答えが返ってきた。思わず武蔵さんを振り向いた。
「え!? ど、どういうこと?」
「それが懲罰。特別反抗的な生徒はああやって光も音も届かないように、特殊な袋に詰め込まれて何日間も吊るされる。痛みこそ少ないけど、苦しみは拷問と変わらない」
「どんな反抗的な生徒も、二日もああして吊るされていたら大人しくなるのよ。出来れば卒業までお世話になりたくない部屋ね」
「まあ、余程のことがない限り『罰則』で済むから、そんなに怖がることはないで」
 それは果たして安心していいことなんだろうか。私はそう思いながらも、この学校で馬鹿な真似はしないようにしようと誓う。
 その時、別の教室の扉が開いてその中から誰かが出て来た。私達の視線がそちらに集中する。
 俯きがちに教室の一つから出て来たのはクラスメイトであり、私の隣の席である――那古くんだった。
 那古くんは出て来た教室の中に向かって頭を下げると、ゆっくり扉を閉める。そしてこちらにまで聞こえるような溜息を吐き出した。
 そして顔を上げ、私達の存在に気付くと、遠目からでもわかるほどに大きく身体を震わせ、慌てた足取りで逃げるように去って行く。あまりの脱兎ぶりに、私達は顔を見合わせた。
「なんなんやろ。うちらの顔を見て逃げるように去っていくて……失礼な話やで」
「不愉快」
「どうやら、生徒指導室に呼び出されたみたいね。体育の時の不真面目な態度が問題視されたのかしら」
 三人が三人、それぞれの感想を言い合う中、私は那古さんが去って行った方を見詰めていた。眉を潜めて唸る。
「……うーん。やっぱり、気になるなぁ」
 思わず出た呟きは、美南さん達にはよく聞こえなかったみたいだった。
「呼び出しくろうた、ってことは、なんかの『罰則』でも課せられたんやろな」
「さすが罰則マニア。よくわかってる」
「マニアちゃうわ! そもそも、遅刻以外でそんなに罰則受けたこともあらへん!」
 口喧嘩を始める二人の間に、美南さんが割って入る。
「はいはい。二人とも、喧嘩はあとでね。とりあえず教室に戻るわよ」
 美南さんの指示に従い、万由美さんと武蔵さんは喧嘩を止め、教室に向かって歩き出す。
 私もそれについて教室へと向かった。
 
 
 
 
『思い通りになる世界・外伝』 ~新しい学校性活~ その6に続く
 
 
 
 

Comment

No.425 / 十里一元 [#-]

男子の存在にも意味があるというか、男子も調教されている様なのがいいですね。
その内、仲良くなった子の家までお弁当の材料を分けてもらいに行く事も出来そう。

>精子が苦手な子を縛って放り込んで苦手を克服させたり
苦手、正気な子もいるのが面白い。

那古くんへの教育(調教?)も楽しみです。

2011-10/16 16:09 (Sun)

No.427 / 光ノ影 [#-] Re: タイトルなし

十里一元さん、コメントありがとうございます!

>男子の存在にも意味があるというか~
せっかく共学の設定なので、男子にもスポットを当ててみました。
今後もしつこくない程度に男子の存在は出していきたいと思います。

>その内~
家が近い場合は十分ありえますね。
よくラブコメである『家が隣同士の幼馴染』みたいな人はよくやっているかもしれません(笑)。

>苦手、正気な子もいるのが面白い。
その視点でも書きたいと思うのですが、この学校に正気の女の子を放り込むと真面目に可哀想なことになるので少しためらわれます。色々書いてきていまさら何だと言われるかもしれませんが(笑)。

>那古くんへの教育(調教?)も楽しみです。
自分から吹っ切れるのかそれとも強制教育で染まってしまうのかそれとも意外な道を切り開くのか……那古は一体どうなるのでしょうね(笑) 楽しみにしていただきたいと思います。

それでは。
感想ありがとうございました!

2011-10/17 02:16 (Mon)

No.459 / 大福まんじゅう [#DzVePD6I]

学校の違和感に気づいてるっぽい男子生徒がいたけど、あの男子生徒の視点の話とかそのうちでるのかな?

2011-12/17 17:28 (Sat) 編集

No.460 / 光ノ影 [#-] Re: タイトルなし

大福まんじゅうさん、コメントありがとうございますー。
返信が遅れて申し訳ありません。

> 学校の違和感に~
ぶっちゃけ、彼視点の話を書く予定はあります。
あるのですが……ほんとに申し訳ないのですが、いつになるかわからないです。
頑張ります。

それでは、またどうぞコメントくださいませ!

2011-12/18 23:50 (Sun)

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