FC2ブログ
  1. Top
  2. » スポンサー広告
  3. » 短編小説
  4. » 『どうしてこうなった?』

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  • ジャンル :

『どうしてこうなった?』

これは短編小説です。久々に書いた性転換物になります。
時期外れと言えば、時期外れですが……まあ、御愛嬌ということで(笑)。

それでは、続きからどうぞ

『どうしてこうなった?』




 モテない男達にしてみれば、12月24日なんていう日付は嫌なものでしかない。俺は自分の部屋で日本酒を呑んでいた。悪友と一緒だ。俺もクリスマスにはいい思い出はないが、悪友のクリスマス嫌いはそれに輪をかけて酷い。
 いまも明らかに俺以上に酒を呑み過ぎて、べろんべろんに酔ってしまっている。
「大体なんで日本に住んでいるのにイエスだかなんだかの誕生日を祝う必要があるんだよ。そんな奴知らねえよ」
 そんな風にクリスマスにまで絡み始めるのだから、もうどうしようもない。
「まあそう言うなって。たぶん誰もそんな元々の目的なんて忘れてるから」
 俺も割と飲んだせいか、舌が上手く回らない。休息を兼ねてお茶を呑みたいのだが、酒を呑んだ端から悪友がコップに酒を注いでくるので中々そう出来ずにいた。こういう押しの強さはこいつの魅力ではあると思う。しかしまあ、こいつと付き合ったことがある女性達が口を揃えて言うのは「なんかがっついてて嫌」だからな。クリスマスに恋人がいないのも無理からぬことか。確かに、この勢いで迫られたら女性は引くだろう。押しが強いから恋人が出来ないわけじゃないんだが。
 一度も恋人が出来たことのない俺からしてみれば、もっと上手くやれよと言う感じだ。
(あー、しかし本当に飲み過ぎた……眠い)
 俺は炬燵の魔力も相成って、悪友が何か言っているのをBGMに、そのまま意識を手放した。


 ふと、目の前に気配を感じて、目を覚ます。瞼が重い。少し力を入れて、ようやく半開きになった。視界は酒のせいか瞼が半開きのせいか、ぼやけてしまって鮮明にならない。
 俺はいつの間にか床に寝転がっていたらしく、そいつの向こうに天井が見えた。そいつ――悪友の顔がアップで見えていた。寝転がっている俺を覗き込んでいるようだ。
(……なんだよ。気持ち悪い。俺に迫ってくるつもりじゃないだろうな)
 思わずそう思い、それはないか、と否定する。こいつにその気がないのは知っている。じゃなきゃ、一人暮らしの家に呼んだりしない。こいつが俺に――男に対して迫ってくるなんてありえないことだ
 ぼんやりと意識がはっきりしない頭でそんなことを考える。悪友はじっとこちらを見つめて来ている。なんだか、その顔が妙に紅いような……酔ってんのか? いや、俺が寝る前から酔ってたか……。
 悪友の手が俺に向かって伸びてきた。正確には身体の、胸のあたりを触ろうとしているようだ。
(おいおい。何をするつもりなんだよおまっ……!?)
 そいつの手が触れた瞬間――俺は自分の体の異常に気付いた。明らかに、そいつの手は本来俺の身体に無い物を触っている。
 そいつが掴んだ、いや、『揉んだ』それは、柔らかく膨らんだ――乳房だったのだ。それを触られている感覚が、俺にあった。そんなありえないことに、男の俺にはありえない感覚に、俺の頭は混乱する。
「あ、あっ……うぁ……」
 声が出ない。身体が痺れている? 酔いが回り過ぎた時のように身体が自由に動いてくれなかった。泥の中に沈められたような感じだ。俺の身体を触ってくる悪友に対し、何も言えない。何も伝えられない。抵抗が、出来ない。
(ど、どうなってるんだ? 何が起きてる?)
 荒い呼吸を繰り返す悪友。おいおい、なに興奮してやがる。止めろ。
(待て、待て待て。俺だって)
「あ、ふぅ、んぁ……っ」
 必死に声を絞り出そうとしても、自由にならない身体はむしろ悩ましげな声を上げることしか出来なかった。これじゃあ、誘ってるみたいじゃねえか!
 瞼は半開きのままで止まってしまっている。向こうからしてみればこっちは、酒を呑み過ぎて正体を無くした状態なんだろうか? そんな感じで飲み過ぎて潰れた女性を見る度、無防備だなぁ、と思っていたものだが……なんで、俺がその状態になっちまってるんだよ!
 俺は訳が分からない状態だったが、悪友の方は躊躇いがなかった。まるで躊躇いなく、こちらの服を脱がしにかかっている。
(そ、そうか。夢か? これは夢なのか?)
 そういうことなら納得がいく。いや、どうしてそんな夢を見るのかという意味では納得はいかないが、この現状を理解は出来る。女が欲しいと思ったことはあっても、女になりたいと思ったことはないんだが……とにかく、そうだ。これはきっと夢なんだ。女になって、悪友に迫られる夢なんて、とんでもないが……そうでもなければ、この現状は理解できない。
 とりあえずの理屈をつけて、現状を理解した俺は、悪友の動きを観察する。あーあ。全く全然なってない。ボタンを外そうとして何度もミスってるし、なにより荒い呼吸がマイナスだ。悪友と付き合っていた女性が口をそろえていた「がっついてて嫌」ってセリフが実感を持って理解出来た。夢から覚めたら、改めてこいつに注意しておいてやらねえとなあ……。
 そんなことをぼんやりと思っている間に、上半身のシャツを肌蹴させられた。その下の肌着はあっさりめくられて、素肌が露出した感覚が生じる。そのめくられる動作の途中で、俺は自分の体の上で存在を主張しているそれのことを改めて意識した。かなりの巨乳に値する大きさがあるらしく、完全に肌着が肌蹴させられると、大きく揺れる感触があった。乳房が揺れる感覚はどういう感覚なのだろうと考えていたこともあったが、実際感じて見ると、なんというか、奇妙な感覚だった。身体の一部が身体の動きに合わせて動く感覚というのは……いつも股間にあるあれの感覚とは全く違うし。
「んぁ……ッ」
 それの動きを意識していると、妙な声が出てしまう。一瞬悪友はびくりと手を震わせたが、すぐに直接乳房を触ってきた。そいつの指の動きに従って乳房が変形する感覚が生じる。『触られている』と言う感覚をこんなにも意識したのは初めてかもしれない。もっとダイレクトに感覚があるものかと思っていたが……案外、じんわりとした感覚だった。乳房が変形し、歪むのは良く分かったが。
 そうやって触られ続けていると、段々変な気持になってきた。むずがゆいというのか、なんというのか、それは身体の中から徐々に顔を出してくる。最初はただ触られているだけという感覚があっただけだったが、いまはその触られるのに応じて身体の内壁が蠢くような感覚がある。
 その正体を理解しないうちに、悪友の手が違う動きを見せる。指先でこちらの乳房の先端、乳首を摘まんだのだ。
「――ぁッ!」
 思わず身体が跳ねた。なんだ、いまの。いまの感覚。頭の奥まで貫かれたような、そんな鋭い感覚。痛みとは別種の、甘い疼き。
 悪友の指が、乳首を押し潰しながら、すり合わせられた。コリコリッ、という音がしたような――気がした。
「あっ、あふっ、んぁっあ……!」
 余りに強い感覚の奔流。俺はそれに翻弄され、身体を波立たせる。
「も、もう我慢できねえっ!」
 いままでので我慢してたのか、と俺は思ったが、悪友が一息に乳房にかぶり付いてきた。胸の辺り、視界の端にそいつの頭が見える。
 悪友はこちらの乳房にむしゃぶりつき、乳房全体を、乳首を中心に舐め上げてきた。
「ふぁああああっっ!!」
 やばい。気持ち良すぎる。
 身体を仰け反らせて、俺は嬌声を上げていた。俺があげようと思ったわけじゃない。勝手に身体が快感に合わせて跳ねたのだ。
 乳房を舐め上げてくる悪友は、こっちが履いていたズボンを一気に引き下ろした。身体の自由が利かないこちらは相手の思う通りになるしかない。やはり股間にはあれはないらしく、直接空気がそこに当たる妙な感覚だけがしていた。
「おお……」
 変な声を出して、悪友がそこを覗きこんでいる。その場所に、その隠すべき場所に視線を感じると、さすがに恥ずかしいという感覚が湧いてきた。なんとか足を閉じようとしたが、悪友はむしろ膝を持って左右に割り開いてしまう。思いっきり御開帳しているポーズになってしまった。
「くぅ、んぁっ、み、みる……なぁ……」
 なんとかその言葉だけは発した。発したつもりだった。だがすでに限界の緊張と興奮状態にある悪友の耳には届かなかったようだ。
 悪友は突然立ち上がったかと思うと、ズボンを脱ぎ、いきり立った男性根を露わにする。自分の身体で見慣れているはずだったが、なぜかそれを見た瞬間、下腹部が引き締まるような、胸の奥が締め付けられるような、妙な感覚を覚えた。
 悪友はこちらの股間の前に割り込むように入って来て、片方の手は膝を抑えたまま、もう片方の手でその場所に触れて来た。本来人の接触がないそこに生じた他人の手の感覚は、背筋を這うに頭に登って来て、こちらの頭の芯を更に痺れさせる。悪友は俺のそこを弄くり回す。悪友の指が動くその度に、何か妙な感覚が生じて脳を揺さぶる。
「はぁ、んぁ、うぁ、あん、ぁうぅんっ、はっ、はぁっ、ぁっ!」
 鼻にかかった喘ぎ声。誰のものかと思ったら、俺の物だった。喉の奥から勝手に吐息が零れている。まるで悪友の指の動きに操られるように――俺の喉は勝手に喘いで、空気を取り込もうと頑張ってもがいていた。舌が意志とは無関係に蠢き、涎が零れて頬を垂れていく。頭の奥が痺れて、まともに思考が成り立たない。やがて変に粘着性のある水音が響くようになった。
「おお……すげえ……これが濡れてるってことか……凄いぜ……えろいな……」
 悪友がしきりになにか言っている。しかし俺はそんな悪友の言葉を気にしている余裕がなかった。徐々に、少しずつ、感じる快感の波が大きくなっている。高まりは、ある一定の水準を上回ると――『イった』。
「ふぁ、ああああああっ!!」
 身体が大きく波打ち、喘ぎ声が一層大きく零れる。イってしまったのだ。射精のそれとは全く違う、ひたすら昇り詰める感覚。まだ身体は高い所にいったまま降りて来てなかった。それも射精とは違う感覚であり、快感の状態だ。
 悪友の手が止まる。そして、物凄く熱い何かがあそこに触れた。こちらのあそこは感じすぎてかなり熱くなっているというのに、それを超える熱さを感じ、俺は驚いた。上手く動かない身体を何とか動かし、首を起こして、そこで何が起きているのか、見ようとする。あそこに、悪友の男性根があてがわれていた。それを理解した瞬間、背筋がすぅっと冷えた。
(ちょっと、まっ――)
 ぐいっと、それが押し入ってくる。身体の中に。俺の中に。
「んぁう、っぁっぁああっ!」
 ずぶずぶと。それはじっくりとこちらの中身を満たすように、入り込んできた。目の奥でちかちかと星が瞬く。光が弾ける。
 それは、衝撃だった。
 微かな痛みがある。処女膜があったのだろうか? 想像していたよりは痛くない……と思う。思うが、しかし処女喪失の痛み以上に、俺にしてみれば『身体の中で何かが動いている』という感覚が気になった。はっきりと、身体の中で何かが動く違和感。
「ふぁ、ああああぁ」
 訳のわからない声をあげてしまう。言葉が形にならない。
「くぅ……やべえ……この締め付け……最高……ッ」
 凄く熱を持った何かが、俺の中で動き始める。出て行こうとするかと思えば、また奥まで入り込んできて、入り込んだかと思えば、入口深くまで引く。ストロークが大きく、そして動きがゆっくりめだったため、その動きがよく感じ取れた。感じ取れたゆえに――感覚が鋭敏化し、快感はさらに強まっていった。熱いと感じるほどの熱を持っていたそれは、こちらがその体温に慣れたためか、熱いとは思わなくなった。一体化し、溶けあうような、そんな心地よい同一感があって――俺は身体の中で何かが動く感覚のみに集中することが出来た。
「くっ、あっ……で、出るっ!」
 悪友がそう言って、刺し込んでいるそれを更に奥まで突き込んできた。身体の内部が押し上げられるような、そんな感覚が生じた。それは、経験したことがない衝撃的で得体が知れず――しかしなにより気持ちいい――感覚だった。
「んぁっ!」
「くぅっ!」
 俺と悪友は同時にイき――そして、悪友のそれが俺の中で弾けた。
 熱い何かが、俺の中に入ってくる。俺を満たして行く。


 ふと気付くと――俺は元の身体に戻っていた。
 慌てて起き上がり、自分の身体を見下ろす。ちゃんと服を着ていた。膨らんだ胸もない。ズボンも履いている。寝起きのためにあれが屹立している感覚もある。俺は炬燵に潜り込んで、眠ってしまっていただけだった。
「まぁ……そうだよなぁ……」
 俺は炬燵の上に突っ伏し、溜息を吐く。現実なわけがないとは思っていたし、実際夢だと思っていたけど……こうなるとなんとも空しいものだ。……いや、でもまあ、夢でもあれだけの快感を得られたんだからいいことにしよう。
 俺は炬燵の上に置かれていた余りの酒を手に取り、一気に喉の奥に流し込んだ。ふと前を見るると、あいつがいなくなっていた。
「ん……? トイレか?」
 そう呟いてから俺は気づいた。炬燵の中にはもう一人入っている感覚がある。俺と同じようにあいつも寝てしまったのだろう。
 ちょっと身体を乗り出して炬燵の向こう側を見れば――ほら。

 見知らぬ女性が、そこに寝ていた。

 俺は『それ』から一端視線を外し、目をこすり、もう一度見た。やっぱりその女性は確かにそこにいた。
「…………はい?」
 『悪友が着ていた服』を身につけている女性は、幸せそうに眠っていた。


<終>

Comment

No.349 / hmk [#-]

ご馳走様でした。

2011-01/11 01:40 (Tue)

No.351 / 光ノ影 [#-] Re: タイトルなし

> ご馳走様でした。
hmkさん、お粗末さまでした。

2011-01/14 10:21 (Fri)

No.749 / チョビ [#-]  

おいしかったです(*^p^*)

2012-07/21 00:59 (Sat)

No.750 / 光ノ影 [#-] Re:  

> おいしかったです(*^p^*)
お粗末さまでした(笑)
この作品は即興で書いた物でしたが、結構気に入っています。

2012-07/22 10:15 (Sun)

Comment Form
コメントの投稿
HTMLタグは使用できません
ID生成と編集に使用します
管理者にだけ表示を許可する

Page Top

Trackback

Trackback URL

http://kuroitukihikari.blog60.fc2.com/tb.php/165-5486df98

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Page Top

カウンター
投稿先サイト
『小説家になろう』ノクターンノベルズ
(ユーザーページに飛びます)
運営サイト
暁月夜色
 どんなジャンルでもOKな投稿小説サイトです。お知らせには必ず目を通してください。

黎明境界
 自己満足小説の展示サイトです。
 注意事項には必ず目を通してください。
 以下、連載中の作品概要


『私の名前はまだない』
(MC物、ペット化、女性視点)
(最終更新日:2013/12/07)

『思い通りになる世界 ~forガール~』
(カオスジャンル、世界改変系)
(最終更新日:2016/02/28)

最新記事
カテゴリ
最新コメント
リンク
プロフィール

光ノ影

Author:光ノ影

連絡先は kuroitukinokage×yahoo.co.jp (×を@にしてください)

つぶやき
作品紹介
検索フォーム
FC2アクセス解析
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。