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『思い通りになる世界・外伝』 ~はじまりは喫茶店~

この作品は『思い通りになる世界』の外伝シリーズになります。
『思い通りになる世界』の主人公・久人ではない視点からの物語になります。

※連載していた時はなかった『西上鈴』の視点からのシーンを少しだけ追加しています。

それでは、続きからどうぞ。

『思い通りになる世界・外伝』 ~はじまりは喫茶店~




 なんじゃこりゃ。

 その光景を見た時、僕はそんな風に思った。
 というか、そんな風に思うことしか出来なかったというべきかもしれない。
 それくらいその光景は僕の常識を覆すものだったし、理解出来るようなものでもなかった。なのに、周りの人はまるでそれが普通のことだとでもいうような平然とした態度で対応している。
 僕の頭がおかしくなったのか、それとも世の中がおかしくなったのか。
 どちらにしてもその光景は現実のものとしてそこにあり、そしてその光景は僕に気づくと輝く笑顔を向けてきた。
「いらっしゃいませ。おひとり様ですか?」
 鈴のような綺麗な声が僕にかけられる。ウェイトレス……なのだろうか。綺麗な声をしているな、と僕は何気なく思った。
 カランカラン、といまさらな音が頭上で鳴り響く。その音が耳に入って、僕は自分が喫茶店に入ったところだったことを思い出す。
 回転が完全に止まってしまった頭では、上手く物を考えることが出来ない。
「あ、ああ。はあ。ええっと……はい」
 意識は衝撃に痺れていたけど、彼女の問いかけに対し、条件反射的に応える。
「お席にご案内します。こちらにどうぞ」
 そう言いながらその子は僕を先導するように、背を向けて歩き出す。
 僕はやっぱり条件反射的にその背についていきながら――やっぱり衝撃から抜け出せないでいた。
 店内を見渡してみるものの、やはり普通の喫茶店であり、『その手の』店でないことは明白だった。というか、大通りに接するようなところに『そんな』店があるわけがない。
 錯覚か何かと思ったが……視線を目の前の子に戻してみると、やはり錯覚ではありえなかった。

 この喫茶店のウェイトレスだと思われるその女の子は、なぜか――全裸だった。

 恐らく学生アルバイトなのだろう。若く健康的な体つきをしている。程よく引き締まったウエスト、触りたくなるようなヒップ、柔らかく膨らんだバスト――本来服の下に大部分が隠されているはずのそれらは、全てが衆目に晒されている。
 女の子がこんな格好で給仕をしていたら、あるいは店がさせていたとしたら…………すぐ警察が飛んで来そうなものだけど……その様子はない。いや、そもそも現在喫茶店の中には結構男性客もいるのに、好色の視線を彼女に向けている客は一人もいなかった。平然とコーヒーや紅茶を飲み、それぞれ全く彼女を気にしている様子がない。ウェイトレスがすぐ真横を横切った時でさえ、その客は全く平然としたままコーヒーを飲んでいた。
(ど、どうなってるんだ……?)
 僕が首を捻るのと、目の前でそのウェイトレスが立ち止まるのは同時だった。危うくぶつかりそうになり、慌てて止まって一歩下がる。彼女のむき出しの肩が変に眩しかった。白い肌にはシミ一つない。
「こちらの席にどうぞ」
「あ、はあ……」
 とりあえず言われたまま、その席に座る。ウェイトレスが抱えていたメニューを机の上においた。座った僕の目線は、ちょうど彼女の胸の辺りになっている。柔らかさを示すように揺れる乳房の頂点に、綺麗な色をした乳首がある。無修正動画以外で乳房をこんなに近くで見るのは初めてのことだった。ましてや、こんなに若い女性のそれを生で見たことなんて、哀しいことにこの二十数年一度もない。
 真正面から裸の乳房を見てしまった僕は、思わず慌てて視線を逸らす。それは正しい行動だっただろう。
 ところが、一般常識に照らし合わせれば普通のはずの動作が、彼女にとってはむしろ不自然だったのか、不思議そうな顔をされてしまった。
「……? ご注文が決まりましたら、お声かけください」
 それだけ言い残し、彼女は厨房の方へと歩いて行く。裸のお尻が左右に揺れていた。
 それを見送った後、僕は改めて首を捻る。
「…………どうなってるんだ?」
 呟くことくらいしか、僕には出来なかった。




 一端フロアから厨房に入った私は、いま案内した男の人のことを考えて首を傾げた。
 その動作を見咎められたのか、厨房の渡貫さんがカウンター越しに話しかけてくる。
「どうした、西上。ぼーっとして。注文はなんだったんだ?」
「あ、すいません。えっと、まだ決まってなかったです。持っていく物はまだありませんか?」
 渡貫さんは、手を左右に振ってまだ出来あがっていないことを示す。
「いまトースト焼いてるから、あと30秒くらいだな。……で、西上は何を不思議そうな顔をしてたんだ?」
 私は渡貫さんに言うべきかどうか迷った。別に気にしないでいいレベルといえばレベルだったのだけど……。
「実は……先程ご来店した人が、なんだか挙動不審で……」
「挙動不審?」
「私を見て、急に赤くなって、視線をこっちに向けなかったんです。目が合うかと思ったら、すぐ逸らしちゃって……」
 ふーん、と渡貫さんは興味がなさそうに呟いた。
 私は自分の姿を確認して、おかしなところがないかどうか確認する。
「あの、渡貫さん。私、どこか変なところありませんか?」
「……んー」
 渡貫さんが私の頭から足先まで、目線を流していく。
「……いや、いつも通りだな。特に変なところがあるようには見えねえ」
「ですよね……私、そもそも裸ですし。あ、髪が跳ねてるとか?」
 頭に手をやった私に対し、渡貫さんは首を横に振る。
「いや、髪も問題ねえな。ふむ……もしかして、そいつ、お前にほの字なんじゃねーの?」
 思わず、引いた。
「……渡貫さん……老けてるのは顔だけにしてください」
 ほの字って。そんな言葉、今時誰も使わない。
「お前、さりげにキツいな……」
 二十歳とは思えない渡貫さんの言語センスには、度々どん引きさせられている。
 それにしても……やはり、わからない。あの男の人の挙動不審の理由が。
 顔を赤くして、目を逸らすような理由が私にあるようには思えない。それこそ、ちょっと路地を歩いたところにあるような、いかがわしい店のように、色々際どい制服を着ているのならともかく。赤くなる理由も、目を逸らす理由もないだろう。
 私はちゃんと全裸なのだから。
「……ひょっとして……あの人、食い逃げするつもりなのかも」
「それはねえと思いたいな……まあ、俺も気をつけとく。ほれ、3番テーブルだ。持ってけ」
 プレートがカウンター越しに差しだされ、私はそれを手に取った。
「スープが熱いから気をつけろよ。お前の制服の場合、熱湯から肌を護ってくれるもんは何もないんだからな」
「裸なんですからそりゃそうですよ。……まあ、気をつけます」
 私は軽く笑って、けど慎重に、プレートを運ぶ。
 あ、そうだ。これを運んだら、あの男の人に、お冷とおしぼりを出さないと。




 とりあえず喫茶店に入った目的を果たそうと、僕はウェイトレスが置いていったたメニューを開いた。
 ホットドリンクに、アイスドリンクに、軽食――そうやって何気無くメニューの項目を眺めて行き、最後のところで思わず吹いた。
(なんだよ……これ……まじか?)
 軽食、デザートと項目は続いていて、その最後に『鈴の特別メニュー』という項目があったのだ。
 しかもその内容がまた凄い。『鈴のフェチラオ』、『鈴とセックス』はまだ序の口だ。最後には『肉便器鈴』という品が……いや、これを品と言っていいのかわからないけど。それにしてもどんなだよ。便器……というからには、まさかとは思うけど、排泄物の処理とかしてくれるのか? 衛生上問題あるんじゃないか……これ……。
 本当にどうなってるんだこの喫茶店は。
「お冷やと、お絞りお持ちしました」
 さっきの子がいつのまにか戻ってきていた。思わず背筋が伸びる。
「ど、どうも……」
「ご注文はお決まりですか?」
 営業スマイルで問いかけてくるその子。僕は少し迷って、メニューを彼女に見えるように示した。
「あの、この最後の項目のところなんですけど……」
 『鈴の特別メニュー』の項目のところを指差す。さすがに口に出すのは無理だった。
 その子はメニューを確認し、軽く頷く。
「『鈴の特別メニュー』ですね。かしこまりました。どれになさいますか?」
 どうやら、注文するのだと思われたようだ。僕は慌てて首を横に振る。
「あ、いやいや! 注文するんじゃなくて、どういう内容なのかなー、って……」
「ご覧の通りですけど」
 と、ウェイトレスさんは言う。
 そんな当然なことをなんで聞くんだろうって顔をしないで欲しい。
「えっと……とりあえず。この鈴っていうのは、君のこと?」
「はい、そうですよ」
「つまり、このメニューを注文したら、君がここに書いてある内容をしてくれるってこと?」
「はい」
「……」
 なんだろう、このそれが当然ですっていう彼女の態度は。僕が間違っているのか? いやいや、そんなことはないだろう。
「……とりあえず、アイスコーヒーをお願いします」
「はい」
 彼女は素直に応じて、手に持っていた伝票に注文を書き込む。そして厨房の方へと歩いていった。
「……なんだってんだよ」
 よく見ると、机の上に置かれたスタンド型のメニューや、壁に貼られたメニューにも『鈴』の項目があった。
(なんかのドッキリか……? いや、それにしたってこんなこと普通の喫茶店でやったら、警察沙汰は確実だし……)
 何より不自然なのは、『それが当たり前』ということになっていることだ。
 演技とかそういうレベルじゃなく、彼女も回りもそれが常識のように受け止めている。
 非現実的なエロいシチュエーションのDVDの世界に入り込んでしまったような、むしろ自分の方が場違いであるような感覚。
「……夢オチ……じゃないよな」
 ぐい、と頬を摘んでみる。普通に痛かった。
「どうか、されましたか?」
 またも、いつのまにかウェイトレスがそこにいた。
「あ、いえ! ちょっと徹夜続きで眠くて! あはは!」
 咄嗟に誤魔化したものの、完全に疑念は払えなかったようで不思議そうな顔をされてしまった。
「アイスコーヒーをお持ちしました。ごゆっくりどうぞ」
 軽く一礼して去っていくウェイトレス。
 気を落ち着けるために、早速アイスコーヒーを口に含む。
 何気無く、裸のウェイトレス……鈴さんを目で追ってしまう。最初の衝撃からはかなり立ち直れていたから、少し冷静に観察することが出来た。
 やはりかなり異常な光景だと思う。この店のウェイトレスは彼女だけじゃなく、もう一人いたけど、そっちの子は普通に可愛い店の制服を着ている。その子と鈴さんとが並ぶと、ますます鈴さんの格好が異質に見える。
 注文が途切れたのか、二人のウェイトレスはこそこそとないしょ話を交わしていて、それはまあ微笑ましい光景の筈だったけど……やはり、鈴さんの格好が全てをぶち壊していた。
「すいませーん」
 その時、別の客が声を上げてウェイトレスを呼ぶ。会社の昼休みなのか、スーツをきっちり着込んだ、真面目そうな男性だった。
 それに鈴さんが対応する。
「はい。どうなさいました?」
「『鈴』のサービスをお願いします。『鈴のフェラチオ』で」
 こともなげに放たれた男性の注文に、僕の心臓は跳ねた。
 僕の目の前で、ただでさえ信じられない光景が、さらに信じられない光景へとなっていく。
「座ったままになさいますか?」
 相変わらず笑顔のまま、鈴さんはその注文をした男性に聞く。
「今日は座ったままで」
 そんな台詞が出ると言うことは、前にも頼んだことがあるということだ。
 いかにもお堅いサラリーマンが、そんな行為を平然としていることに僕はあっけに撮られるばかりだった。
「では失礼いたします」
 鈴さんが、男性が座る席の傍に膝を突いた。そして、なにやらゴソゴソやり始める。残念ながら僕が座った席からは何をしているのか位置的に見えなかった。見えるのは中年男性の上半身と、テーブル。その男性の傍に膝を突き、男性の膝の方に上半身を預けている鈴さんの胸から下だけだ。
 暫くして、二つ離れた席に座る僕の耳にも、「ぴちゃくちゅ」というような、水音が聞こえてくる。動画なんかで良く聞く卑猥な音が、何の変哲もない喫茶店に響いていた。
 しかしそんな音が響いても、客は誰一人としてそれを問題とせず、至って自然体で過ごしている。一体全体、何がどうなっているのか、凄く気になったのだけど、下手に動くとこちらが注目されそうで動けない。不自然じゃない程度に身体を傾け、なんとか覗いてみようとするが、ちっとも見えなかった。
 諦めるしかないかな、と思いかけたけど、不意に天啓のようにいいアイデアが頭に浮かぶ。トイレに行く振りをして、傍を通ればいいのだ。思いついてみればなんということはないアイデアだった。けれども、怪しまれないためにはそれが一番いい。
 僕は速くなる鼓動を抑えつつ、席から立ち上がって、トイレを探す振りをしながら床に膝をついている鈴さんの方へと歩いて行く。
 徐々にテーブルの影になっていた部分が見えるようになっていき……ついに、鈴さんの頭が見えた。男性の股間に顔を埋めている。男性のズボンは前のチェックが下げられていて……そこから屹立した物を、鈴さんが口に含んでいるのは間違いなかった。
 男性は至って普通の顔をしながら、目の前にあるコーヒーを飲んでいる。鈴さんの行為がまるで肩揉みか何かのように、ついでとして受け取っているようだった。相手に気がないのだから、鈴さんは相手を刺激だけでイかせなければならない。
 それでも、刺激を与え続けていれば当然いつかは射精に至る。ちょうど僕がゆっくりその席の真横を通る時、射精に至ったのか、軽く男性が身を震わせていた。僕には鈴さんは背を向けていたけど、その喉が嚥下して『何か』を呑みこんでいることはなんとなくわかった。
 身体を起こし、それから口を離した鈴さんは、軽く口元を拭いながら、男性に向かって言う。
「終わりました」
「ああ、ありがとう」
「またのご利用お待ちしております」
 鈴さんが立ち上がって男性に一礼する。そして――
「お客様? どうかなさいましたか?」
 後ろに立っていた僕に気づいた。思わず足を止めてしまっていたことに気づき、僕は慌てる。
「い、いや、あのその、トイレを探してて……」
 席から立つときに考えていた言い訳を口にした。すると、なぜか鈴さんは申し訳なさそうな顔になる。
「申し訳ありません、お客様。お待たせしてしまって」
「あ、いや。別にいいよ。自分で探すし……」
 どうやら、僕がトイレの場所を彼女に聞こうとしていたのに、男性に対するサービス中だったので対応出来なかった、という風に考えているらしい。別にそういうつもりではなかったのだけど、確かに普通は背後で人が待っていたら何か用事があると思うだろう。
 と、言う風に僕は考えていたのだけど……彼女の『常識』は僕の想像を超えていた。
「では、失礼します」
 彼女はそう言いながら、僕の前に跪き、そしていきなりチャックを降ろしてきた。
「え、ちょ!?」
 思わず僕が声を上げると、鈴さんはあくまでも不思議そうな顔で応えた。
「お客様が尿意を覚えたら、ウェイトレスが処理するものですから」
 鈴さんの言う『常識』は、変わった性癖の女性でも中々しないような類のことだった。
 相手が当然だと思っている以上、下手に止めると妙に思われてしまう。
 いまさら断ることも出来ず、僕は鈴さんにペニスをズボンから取りだされるのを見ていることしか出来なかった。
「あら……興奮していらっしゃるんですか?」
 目の前に裸の――しかもかなり可愛い――女性がいて、しかもいままさにフェラをしてくれようとしているのだ。興奮しない方がおかしい。僕のペニスはかなり硬く屹立してしまっていた。
「それでは……失礼します。好きな時に出してくださって構いませんよ」
 言うだけ言うと、鈴さんは僕のモノを口に含んだ。鈴さんの口の中の感触は物凄く気持ちよく、その瞬間爆発してもおかしくないほどだった。それを何とか耐えれたのは、単に場所が場所だったからだ。喫茶店の店内。周囲には普通に人がいて、誰がいつ通ってもおかしくない通路だからこそ、爆発寸前で止まったのだ。
 僕のモノを口に含んだまま、鈴さんは動きを止める。僕が出すのを待っているのだ。
 しかし、出そうにもペニスが勃起したままでは出しようがない。僕は困った挙句、先に別の物を出してしまうことにした。
「あ、あの、すいません……」
 僕の呼びかけに答えるため、鈴さんが一端口を僕の物から放す。
「ぅあ? ぷはっ……はい、どうかなさいましたか?」
 いままで僕を包んでいた生温かい感触が遠ざかり、少し残念に思ってしまった。
「えっと、ト、トイレの前に、メニューにあった、『鈴のフェラチオ』、って奴をお願いできます?」
 一度精子を吐き出してしまえば、落ち着くと思ったのだ。というか、でなければいつまで経っても出せないだろう。
「ええ、わかりました」
 鈴さんは淡々と頷き、もう一度僕のモノを口に含んだ。今度はただ咥えるだけではなく、舌を使って唾液を絡ませてくる。アイスの棒でも舐めているようかのように、舌を動かしながら、しかしその動きはそれより遥かにいやらしい。屹立する棒に唾液がべちゃりと絡みつき、さらにこすりつけるように、染み込ませるように、舌が動いている。
 柔らかく、暖かい感覚が僕のモノを包み込んでいる。その感覚は僕が初めて味わう感覚だった。それをこんなただの喫茶店で味わうことになるとは。その異常な状況に興奮はさらに高まる。
「ふぅ……んぁ……はむ……むぁ……」
 ぺちゃぺちゃと、口と舌と涎が立てる音が喫茶店の中に響く。鈴さんは目を閉じて、舐める動作に集中しているようだ。
 僕は結構長い間射精に至れなかったが、ついに射精の瞬間が訪れた。
「……くぅっ……!」
 激しくペニスが脈動し、鈴さんの口の中にドロリとした液体を噴き出す。鈴さんは慣れた様子でそれを呑みこんでいた。咳きこまないのは、それを呑むことに慣れているからだろうか。
 まあ、下手に咳き込んだりされてせっかく出した精液が零れるのも勿体なかったから、良かったと言っておこう。
「ふー…………」
 僕は息を長く吐いて気を落ち着かせる。これから僕はもっと凄いことをしなければならないのだから。
 鈴さんは僕のペニスを咥えたまま、次の僕の行動を待っている。一回欲望を吐き出したことで、なんとか落ち着いた僕のそれに、力を込める。
「……出しますよ」
「ふぁい。ふぉうぞ」
 肯定の返事が返ってくる。僕のモノを咥えながらだったから、不明瞭な言葉にしかならない。
 僕は生まれて初めて、人の口内で排尿を行う。恐らく一生縁がなかったであろう行為だ。出してはいけないところ……それも、他人の口の中、なんてところに出す。その背徳感は僕の気持ちを高めてくれた。おっと。また勃起したら意味ないんだから、まずは行為に集中しよう。
 僕は意を決して、排尿を始めた。鈴さんの喉仏が上下し、明らかに僕が出した物をそのまま飲んでいた。
 やがて僕の物から尿が出る感覚がしなくなると、鈴さんは舌を絡めて、念入りに綺麗にしてくれた。
「ふぅ……ご利用、ありがとうございました」
 口の中に出された全ての液体を呑みこんだ鈴さんは、そう言って立ち上がり、僕に向かって頭を下げた。
「気持ちよかったよ。ありがと」
 僕はとりあえずそう言って、鈴さんを労う。お世辞抜きに凄く気持ちよかった。
 すると鈴さんは少しだけ微笑み、頭を一つ下げると厨房の方へと戻って行く。僕はその背中を見送りながら、自分の席に戻った。
 なんか、一度やっちゃうと、色々吹っ切れてしまった。これは夢なのかもしれないし、あるいは単なる妄想なのかもしれないけど、この状況を少しでも楽しまないと損だ。
 店員を呼ぶためのスイッチを押すと、鈴さんではない店員が近づいてきた。
 普通の制服を身に付けた店員。これはこれで可愛いけど、やはり鈴さんの格好の方がいい。
「どうかなさいましたか?」
 そう聞いてくる店員さんに、ふと僕は気になったことを聞いてみた。
「ねえ、聞きたいんだけど……君は、あっちの子と同じ制服を着ないの?」
 あっちの、と指したのは当然鈴さんの方だ。一度厨房の方に姿を消していた鈴さんはちょうどホールに出てきていたのだ。
 店員さんは鈴さんの方を見て、それから僕に向き直った。
「ええ。あれは彼女専用の制服ですから」
「そうなんだ……」
 なるほど、そういう認識になってるのか。 制服とかそういう以前に 何も着ていないのだけど。
「ま、いいや。あのさ、追加で注文したいんだ」
 壁に張り出されているメニューを見ながら言う。
「『鈴とSEX』、お願いします」
 風俗店のような注文を、普通に見える喫茶店で行う。その倒錯感に緊張しながら、僕はその注文を口にした。
「畏まりました。少々お待ちください」
 伝票に追加で記入した店員さんは、店の奥へと歩いていく。
 戯れに耳を澄まして見ると、
「鈴ちゃーん。『鈴の特別メニュー』セックスの注文入ったわよー」
「はーい。……何か今日は多いなあ」
「商売繁盛、いいことじゃない。ほら、お客様を待たせちゃ悪いわよ」
 などというやり取りが聞こえてきた。他愛ない会話だけど、だからこそ違和感は大きい。
 奥から出てきた鈴さんが、僕のテーブルの横までやって来て、小さく礼をした。
「ご注文ありがとうございます。早速メニューに入りたいと思いますが、よろしいですか?」
「もちろんだよ。あ、ところでこのメニューは本番だけ? それとも、前準備や後処理も込み?」
 質問してみると、鈴さんは気安い感じで答えてくれた。
「お客様の自由です。時間がないようでしたら、前準備は省略していただいても構いません。また、後処理はこちらでいたします」
「わかった。じゃ、前準備はしっかりしてから本番にするよ」
「畏まりました」
「テーブルの上に、こっちに体を向けて座ってくれるかな」
 僕に言われた通り、テーブルの上に登って、身体の全面をこちらに向ける。なお、テーブルはこれを想定しているのかかなりがっしりした作りであるためぐらつくことはなさそうだった。
「足を開いて」
 鈴さんは言われた通りに足を開いた。M字開脚と言う奴だ。
 いままでは股間と股間の間で見えにくかったそこが、店の照明に照らされて、よく見えるようになった。
 健康的に白く眩しい太股に挟まれ、その場所はまるで鈴さんとは違う、別の一個の生命のようにグロテスクな姿を晒していた。
 ぬらぬらと光っいるのは、汗ではない。もっと粘着質で、恥ずかしい物だ。本来、進んで見せたい物ではないだろうが、鈴さんは実にいい笑顔でその場所を示していた。
 僕はそのさらけ出された鈴さんの股間に向け、屹立した自分のモノを突き刺した。
「ふぅ……っぅ……!」
 全体を締めあげるような、その圧迫感が心地いい。もしもフェラチオで一回抜いていなかったら、たやすく出してしまっていたところだ。
 鈴さんの中の感触を思う存分貪りながら、僕は鈴さんについでにもう一つやってみることにした。
「鈴、さん……っ、あの、胸も、触って、いいかな……?」
「はい、もちろん、存分に、どう、ぞっ」
 許可が出てすぐ、僕は手を伸ばして鈴さんの乳房に触れた。マシュマロみたいに柔らかく、でも肉の感触がするそこは、凄く心地いい感触の天国だった。力を入れて、その感触を堪能する。
「あぅっ! お、お客様……そ、そんなに、強くしたら…………痛いですっ」
 相当痛かったのか、涙目になって鈴さんが抗議してくる。僕は慌てて力を緩めた。
「ご、ごめん。加減がわかんなくって」
 なるべく優しく、鈴さんの乳房を撫でまわし、柔らかく揉む。そうすると鈴さんも感じてくれているのか、呼吸が徐々に荒くなり始めた。乳房の頂点にある乳首が硬くなってきたのが、指先の感触でわかる。
(…………気持ちよくなってるんだ)
 その事実を手のひらで感じて、興奮が高まる。僕は痛いくらいに自分のモノが勃起しているのを感じた。鈴さんの中で硬さを増したそれは、鈴さんの内壁を押し広げ、さらに鈴さんに快感を与えているに違いない。僕自身、そこから感じる感触が増し、いまにも暴発してしまいそうだった。
 けど、まだ終わっちゃ勿体ない。料金は書いていなかったけど、小市民的な思考が働いて、出来るだけのこの至福の時間を延長させておきたかった。さすがに三回目は中々出来ないだろうし。僕の精液的な問題で。
 胸を触っている手に意識を集中させたり、乳首を舐めて吸ってみたり、様々なことを試して、射精を先送りにする。絶頂ギリギリで保たれている均衡は、いつでも崩れそうで、そのギリギリの快感は頭が割れそうなほど強い物になっている。
「くぅ…………!」
 射精を堪えながら、何度も何度もストロークを重ねる。こちらも厳しくなってきたけど、ずっと中身を揺さぶられ続けている鈴さんも厳しくなってきたようだ。
「ま、まだ……ですか……っ……あっ、んぁっ……」
 ついには、そんな言葉で弱音を口にする。
「っ…………くっ……よ、し…………じゃあ、出す、よっ…………!」
 一際大きなストロークで打ち付けた衝撃に、ついに僕は鈴さんの中に、盛大に精子を吐き出した。
 どくり、どくり、と精子がペニスの中を通って排出されていく感覚がする。鈴さんの中に、出している……いまさらながら、凄いことを、平気に出来ているものだと思った。もしも子供が出来てしまったら……鈴さんはどうするつもりなんだろう。それとも……この異常な状態でのことだ。子供は絶対に出来なかったりするんだろうか?
「んっ……ふぅ…………ご注文、ありがとうございました」
 にこやかな笑みを浮かべて、鈴さんはそう言う。けど――その顔には微妙に不満そうなものがあった。
 なんでそんな顔をしているのか、一瞬訝しげに思ったけど……すぐにその理由がわかった。
 彼女は、イケなかったのだ。僕の経験が浅かったからか、あるいは別の要因があるのかはわからなかったけど……僕は、彼女を逝かすことが出来なかったということに、猛烈な恥ずかしさを感じた。男として、自分だけ満足してしまったのは失敗だったんじゃないかと思えたのだ。
 しかし、あくまでこれはお店のメニューだとでも言っているかのように、鈴さんは僕のペニスを咥え、残りカスを絞り取って舐めてしまって、後処理を済ませてくれる。
「それでは、失礼します」
 あくまで事務的な鈴さんの態度。
 僕はその背中をなんとなく悔しい想いをして見送ることしか出来なかった。




 厨房の方に入った私を、同じウェイトレスの平波さんが迎えてくれた。
「あ、終わったの? はい。ティッシュ」
 差しだされたティッシュを受け取り、私は股間から垂れて来ていた精液をふき取る。特別メニューの内容自体はともかく、この後処理はいつも面倒だ。
「どうだった?」
「んー。いまいちだった」
 同じような動きばかりで、ただ中に圧迫感を感じるだけだったし、今一つ気持ち良くなれなかった。さっさと出されてしまったために、こちらがイク暇もなかったし。
 なにより、最初に胸をあれだけ強く揉まれたのも、気持ち良くなれなかった原因の一つだろう。いま乳房を確認してみると、やはりあの人の指の痕が残ってしまっていた。痕にならないか心配で、上手く集中することが出来なかった。
「……あー、もう。迷惑な話だわ……」
「あら、痕を残されちゃったの?」
 平波さんが、私の乳房を触って、良く見えるように動かしながら訊いてくる。私は軽く頷いた。
「白い肌に、こんな無粋な痕を付けるなんて……最低ね。目立っちゃうし」
「そうなのよ……もう。服で隠すわけにもいかないし……どうしようかな……」
「包帯でも巻く?」
「駄目だよ。全裸って決まりだから。だからこの前インフルエンザが流行った時とかも、マスクの着用すら出来なかったんだから」
「それはそうよね……まあ、仕方ないって。あんたの責任じゃないわ」
 背中を軽く平手で叩いてくれる平波さん。ぴしゃっ、といい音がした。
「……ちょっと、平手の痕が出来たらどうしてくれるのよ」
 身体の前面ならまだ手やお盆で隠せなくもないけど、背中は誤魔化しようがないのに。
「あ、ごめんごめん。つい」
「裸なんだから、ちょっとしたことで痕になるの。気をつけてよ」
 ごめんってば、と謝ってくる平波さんに、もういいよ、と返しつつ、私は中に出された精液を上手く掻き出して、ティッシュで処理していた。




「お会計、560円になります」
 ちょうど僕の会計には、運よく鈴さんが入ってくれた。
 相変わらず見事な身体を惜しげもなく晒した彼女は、自然すぎるにこやかな笑顔で会計を済ませ、お釣りを渡してくれる。
「また来てくださいね」
「あ、うん、まあ、機会があったらね」
 僕はとりあえずそう曖昧に頷いたものの、明日にでもすぐ来たいと思っていた。今日のリベンジというか……今度こそ、鈴さんをイかせてしまいたいと思っていたのだ。
 なんとなく気恥ずかしく思った僕は、鈴さんの視線から逃れるために、店から外へ出て行く。
「ありがとうございました!」
 鈴さんの声を背中で訊きながら、僕は外に出た。相変わらずの景色。沢山の人がなんでもない様子で歩いていて、この喫茶店で異常な光景が広がっていることなど、誰も認識できていないようだった。
 僕は店の前を通る形で、歩き出した。店の大きな窓から、店の中はよく見える。ちらりと窺うと、鈴さんは別の客に呼ばれて注文を受けていたところだった。座っている男性の腰の上にまたがって、恐らくはペニスを身体の中に受け入れている。
 頼まれれば、誰にでも股を開く……そういうと唯の酷い女性だけど、鈴さんはそれを自覚していない。あくまで喫茶店の一メニューとして、客の注文に答えているだけだ。
 ……今さらだけど……この喫茶店は、何がどうなっているんだろう。違法行為をしている店、というわけではない。鈴さんの態度といい、他の従業員の様子といい、そんなレベルの問題じゃない。
 僕の頭はおかしくなってしまったんだろうか。
 それとも、世界がおかしくなった……誰かがおかしくしたんだろうか?
 わからない。わかるわけがない。
 ……ならばそれに乗っかってもいいだろう。
「折角だしね……楽しませてもらうことにするよ」
 僕は店の前から歩いて去っていきながら、明日鈴さんと繋がる時のことを考えていた。
 差し当たっての目標は…………セックスをしている時、鈴さんをイかせることだ。
「……でも、まてよ?」
 この喫茶店の鈴さんのように、異常な行為を異常だと思わないで、行っているところや人が他にもあるかも、他にもいるかもしれない。

 これから、そんな場所や人を探してみるのもいいかな、と思った。




~はじまりは喫茶店~ 終



Comment

No.329 / フリクリ [#-]

鈴視点面白いですね。
すっかり常識を書き換えられて順応してしまって…。
本人にとっては「当たり前」の事だから、男が裸の鈴を見て挙動不振になってるのも怪しく見えちゃいますよね。
やっぱりこういう被害者視点がある事によって「異常な常識」が際立ちますね。

2010-08/25 17:28 (Wed)

No.330 / こくり [#-]

鈴みたいな、操られた(?)側の視点っていいですね。
ものすごく。

あとは学校編の文化祭・体育祭・修学旅行の三つが見れたら嬉しいです。

2010-08/26 09:01 (Thu)

No.331 / 名無しさん [#-]

鈴視点すっごいよかったです
羞恥心や疑問が全く無いっていうのはやっぱりMC物ならではですよね
次回以降もあったらいいなぁ…

2010-08/27 01:47 (Fri)

No.332 / 名無しさん [#-]

外伝本編も勿論ですが、加筆部分が素晴らしいですね

2010-08/28 21:37 (Sat)

No.333 / 光ノ影 [#-] 皆さんコメントありがとうございます!

戻って来てみたら、四人もの方からコメントをいただけていて感激です!
フリクリさん、こくりさん、8/27と8/28の両名無しさん、ありがとうございます!

鈴視点(加筆部分)の評価が高くて、びっくりしています。
確かにこういう視点の重要性は、MC物ならなおさらですよね。もっと入れておけば良かったかなー、とも思いつつ、番外編はそれをメインとした話にする予定なので、そっちでやればいいかな、と思っています。

色々書きたい物、書かなければならない物が累積している状況ですが、気合いを入れて頑張っていきたいと思います!

2010-08/29 22:29 (Sun)

No.371 / 渡りガラス [#DzVePD6I]

操られる側視点も良かったですが、異常に気づき恐る恐る便乗して楽しむという点も最高です。
外伝の異常に気づいた人視点もシリーズ化して欲しい」。

2011-03/28 18:33 (Mon) 編集

No.372 / 光ノ影 [#-] Re: タイトルなし

渡りガラスさん、感想ありがとうございます!
異常に気づいた人視点……そうですね、シリーズ化はひそかにもくろんでいるのですが……現シリーズらも中々描き進められない状況ですので……いつシリーズ化出来るのかわからない状況です……すいません……。

またどうぞお越しください! ではでは。

2011-03/31 21:13 (Thu)

No.407 / かまぼこ [#DzVePD6I]

肉便器鈴のメニュー内容が気になって仕方がないw

2011-09/10 01:52 (Sat) 編集

No.408 / 光ノ影 [#-] Re: タイトルなし

> 肉便器鈴のメニュー内容が気になって仕方がないw
かまばこさん、コメントありがとうございます! 返信が遅れて申し訳ありません。
肉便器鈴のメニュー内容ですが、申し訳ないことに単にそのままの意味で、客の排泄物を処理するというだけのものです。
鈴本人の意識は歪められていますので、排泄物を食するということに関しては『ちょっと変な物を食べさせられる接客の一つ』としか認識していません。
この話の中で書くと、ちょっと行き過ぎたスカトロプレイになってしまうので、話の中では詳しい描写をしませんでした。
それでは。

2011-09/14 19:06 (Wed)

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