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リクエスト作品:『愛してくれる?』 その1

この作品は、かなーり前にtamagoさんからいただいたリクエスト作品です。
大変お待たせ……ってレベルじゃないほどお待たせしました。すいません。
しかも『その1』、とついていることからもわかるようにまだ続いてますし……。
頑張って続きは書いています。とりあえずキリのいいところまで書いたのでアップしました。
リクエスト内容から微妙に外れているような気もしますが……お楽しみいただければ幸いです。
ジャンルは憑依系TSになると思います。

それでは、本編へどうぞ。

愛してくれる? その1




 怪物、怪異、化物。
 もしもそんな非現実的なものが存在するとすれば、それはきっと今の自分のようなモノのことをいうのだろう。
 床に組み敷いた相手の秘部を貪り食うように味わいながら、ふとそんなことを思った。
 組みしかれているその子――名前はなんと言ったっけか――は、噛まされた猿轡の奥で唸りながら、信じられない、という顔でこちらを見ている。まあ、信頼していた先輩に突然押し倒された挙げ句両手を拘束され、さらに猿轡まで噛まされて驚かない方がどうかしているが。
 あまりに怯えたような表情が可愛く、もっとそんな表情を味わいたくなった。はだけさせた服の隙間から、柔らかな丘の頂上に位置する突起に向かって指先を滑り込ませる。
 軽く触れてやると、彼女は細かく体を震わせて悶える。刺激に対する素直な反応として、その突起は硬くなり始めていた。
「感じてくれているのかな……嬉しいな」
 耳元でそう甘く呟いてやると、真っ赤になった顔を背けるようにして逃げてしまう。
 そんな動作の一々が可愛くて仕方なかった。
「さて、と……そろそろ貴女の準備も良さそうね」
 彼女の秘部を指先でもてあそんでみると、くちゅくちゅ、と水音がよく響いた。
「大丈夫……痛くないようにしてあげるから。一つになりましょう」
 そう呼び掛けてあげると、女の子は上気した顔でこちらを見つめていた。訳が分かっていない顔だ。まあ、それはそうだろう。繋がる、といっても、この体も、彼女も、そうするためのモノを持っていない。
 だが、何も自前のモノじゃなくても繋がろうと思えばいくらでもやりようはある。
 あらかじめこっそり準備しておいた道具箱から、必要な道具を取り出す。双頭バイブ、と呼ばれるそのためにある道具だ。
 それをまずは自分に埋め込み、身体の内部を抉られる感触を楽しむ。
「ん、あっ……はぁ……っ」
 口から思わず声が漏れたが気にしない。先輩が晒した痴態を目を見開いて見つめていたその子に、覆い被さる。
「さあ……一緒に逝きましょ……?」
 妖艶な笑みを浮かべて、彼女にもう片方の先を挿入する。
 背徳的な感情に犯されながら、快楽を貪り食らった。
 やはり、自分は化物なのだろう。快感に痺れる頭で、『俺』はそう思った。



 俺はそもそも女性ではないし、いまや人間なのかどうかさえわからなかった。
 正体、というと御大層なものに聞こえるが、元々の俺は冴えない男だった。親に虐待され、挙げ句捨てられ、施設でもいい扱いを受けずにいた、という、いい意味じゃない方で普通ではなかったが。しかも、俺は殺人犯でもあった。いや……殺人未遂犯か。
 なんとか就職した会社でも、学歴を持たないことによって差別され、低く扱われ、怒りに満ちた俺は経営者を殺してやろうとした。その挙げ句自分が捕まってもいいという覚悟の上で、だ。だが、その計画は失敗し、覚悟は無駄になった。
 服という奴は案外思っていた以上にナイフを通さず、俺は殺そうとした相手の反撃を許してしまった。
 揉み合い、争っている間に、ナイフは俺の方に突き刺さり、挙げ句階段から転がり落ちた。その間に殺そうとした相手には逃げられるし、大怪我を負ったのが自分とはいえ最初にナイフを持ち出したのは俺だったし、警察や病院に行くわけにも行かず、とにかくその場から逃げ出した。
 意識は朦朧となり、どこをどう歩いているのかもわからなくなって。
 俺はたまたま前を歩いていた人に助けを求めようとして手を伸ばし――

 気付けば、俺はその人になっていた。

 最初は、夢か妄想だと思った。まさか、と思った。死に瀕して、走馬灯ではなく夢を見ているんじゃないかと。
 だが、握りしめた手は本物で。鏡に写る顔は自分とは違うもの。
 どうやら、魂だけが体から飛び出してしまい、その上で人の体に入り込んでしまったようだった。
 まさかそんなことが自分に起きるとは思っていなかったから、それは驚きだったが……それ以上に俺は嬉しかった。ようやく俺はろくなことがなかった『自分』から解き放たれたのだから。

 しばらく色々試してみて、俺は霊として自在に動けるようになった。もはや肉体の制限から解き放たれた俺は、自由自在に生きることが出来た。
 悪霊としてこの世に顕現した俺は、その力を利用してまずかつての経営者を襲った。ただ殺すだけじゃ能がないから……様々な美女になって言い寄ったのだ。時に魅惑的に、時に純粋に、時に熱狂に。肉体的にも精神的にも這い寄って、快楽に溺れさせた。そいつの配偶者にも取り付き、情熱的な愛情を交わした。愚かな経営者は当たられるがままそれら全ての愛情を受け止め、一見上手くやっているように見せかけた。
 その状況が一気にひっくり返ったのは、いうまでもない。高くなりすぎたバベルの塔が神の手によって破壊されたように――必然として、全てが崩れ去る瞬間が訪れた。もっとも、俺が裏で糸を引いたのは言うまでもない。
 経営者が正式な配偶者と一緒にいるところに、全ての女性を集めた。それぞれが一番愛されていると思っていた女性たちは、当然経営者を責め立てる。俺が憑依した時に彼女達には散々経営者に対する愛情を刷り込んだため、それらの愛情は高まるところまで高まっていた。そして、裏切られたと思った時、それらの感情が一気に憎悪に変化するのは、何度も人の身体に入って様々な精神を凌辱していた俺にとっては、手に取るようにわかる現象だった。
 女性たちの手によって経営者はむごたらしく責められ、挙句殺された。滅多刺し、という言葉はそのためにあるのかもしれないというほど、何度も何度も刃物が経営者の身体を貫き、死体に慣れているはずの検死官が思わず口を覆うほど、酷い状態になっていた。
 そして、それだけでは俺は復讐を止めなかった。経営者の身体が死んだあと、魂らしきものが経営者の身体から出てきたので、俺はそれを捕まえて適当な野良犬に詰め込んだ。人の魂が獣の身体に入るのか、それはわからなかったがどうやら上手くいったようだ。
 あの経営者は畜生道に落ちたのかと思ったかもしれないが……まあ、野良犬として生きなければならないその後の人生に同情してやってもいいのかもしれない。いい気味だ。

 復讐を果たした俺は、いい気分になって好き勝手に行動して生を謳歌した。
 自分の身体が生きていることは、なんとなくわかっていたが、恐らく殺人未遂犯として警察に確保されてしまっているだろうし、自分の身体に戻る気にはなれなかった。いまさら戻るだけの理由もないし、何よりこの力がもしも失われたら困る。
 色んな身体に入って、様々な生活を楽しむことに勝る娯楽はない。金持ちの身体に憑依し、俺が手にしたこともないような額の金を一夜で湯水のように使ったり。誰からも認められる美人に憑依して向けられる賛美に応えたり。
 中でも俺が嵌ったのは、女性に憑依して自慰などの性的快楽を得ること、だった。SM嬢に憑依して拘束されてみたり、逆に女王様っぽいサドプレイを行ったり、極普通のセックスから、複数人に犯されることを体験してみたり。極普通の女子学生に憑依し、街中で露出してみたり。憑依した身体の立場を利用してレズプレイに走ってみたり……全てが刺激的で快感で、脳がとろけるような快楽を感じられた。
 利用された身体の者たちが俺が離れた後どうなるかなんてことは考えなかった。世界は広いのだ。わずらわしい人間関係などに縛られる必要もなかったので、楽しむだけ楽しんだら別の街に行けばいい。
 そんな風にして活動する俺は、もう人間なのかどうかもわからなかった。元は確かに人間だが……やはり化け物とか、そう表現するのが適切なのかもしれない。




(はぁ……気持ちよかったなぁ……)
 たまたま見かけた部活の先輩後輩を利用して快楽を貪った俺は、街から移動するべく駅へと向かっていた。
 突然尊敬する先輩に襲いかかれることになったあの後輩が、今後どう先輩に対応するのか興味はあったが、どうせ碌なことにはなるまい。処女を散らすことにもなったわけだし、そもそも先輩の方は覚えていないのだから。
 厄介なことは考えず、見ず、さっさと次の街に移動してしまうのが賢い生き方――俺はすでに死んでいるようなものだが――だろう。
(レズプレイってのも悪くねえな。相手の身体も臭くなくて柔らかいし)
 女として男を相手すると、たまに物凄く身体が臭い奴がいるのだ。大概はシャワーなどを浴びてもらえば耐えられるとはいえ……やはりどうせなら最初から色々と清潔な方がいい。女性は女性で、化粧臭いのはごめんだが。
(今度はどんな女に憑依してやろうかな……けけけっ、いまから楽しみで仕方ねえぜ)
 次はどんなプレイをしてやろうかと思いながら、俺は駅に辿りつく。別に空を飛んでいけばそれでいいのだが、方向などが正しくわからないのだ。下手に飛んで前に行ったことのある街に辿りつくのも都合が悪い。
 駅に沿って進めば、方向を見失うこともなく、確実に新しい街に行ける。
 もちろん改札なんていうものはスルーしてホームへと進み出る。適当な相手に憑依して、次の駅にたどり着くまで遊んでやろうと、憑依する対象を探す。いい対象がいない時もあるのだが、今回はラッキーなことに学校帰りらしい美少女がホームの端に立っていた。
 通っている学校の物だろう、制服に身を包み、長く柔らかそうな髪が風に靡いている。どこか憂いを帯びたような表情を浮かべている顔立ちはまるでモデルのように整っていた。容姿は十分基準点を満たしているし、なによりわざわざホームの端と言う周りに人がいない状況に身を置いていてくれていることもありがたい。
 基本的に憑依できない相手と言うものは存在しないが、たまに自我が強いのか入ろうとした時に抵抗してもがく人物がいるのだ。そういう相手に人の目がある場所で憑依してしまった場合、非常に周りの目を引く。一度、それで厄介なことになった経験もあり、憑依を実行するときには「周りに人気がない」という条件をクリアしていなければ、憑依しないことにしていた。
(まるで、俺に憑依してくださいって言っているみたいじゃねえか)
 嬉々として、俺はその子の背後に近付いた。
(へへ……次の駅まで、君の身体を使わせてもらうよ)
 身体を重ねるようにして、俺はその子への憑依を開始する。まるでお湯の中に手を差し入れる時のように、境界線を侵している感覚が全身を包み――あっさりと憑依は完了した。
「…………ん。なんだ、全然抵抗がなかった……な?」
 口を突いて出た呟きは、美少女の声音で発せられた。涼やかで、なめらかな高音が喉から出ている。手を開閉して憑依がきっちり完了していることを確認する。
「まあいいや。さて……この子はなんていう名前なのかな」
 憑依した相手の記憶は、意識を向ければある程度読み取ることが出来る。
「花坂奈津美……ちゃんか。ふんふん。結構な進学校に通っているみたいだな」
 一つ一つ声に出しながら確認する。周りには誰もいないので不審がられることもない。
「性体験は……ん、なんだ、あるのか。相手は彼氏……ふーん。まあイケメンだな………………ん?」
 浮かび上がってきた花坂奈津美ちゃんの記憶が、驚愕の真実を告げる。
「はぁ!?」
 思わず上がった大きな驚きの声に、少し離れた位置にいた男性がこちらを見る。慌てて口を抑え、愛想笑いをそちらに向けて置いてから、俺は改めてその記憶を精査した。
「……読み間違いじゃねえ。まじかよ……」
 驚いたことに、花坂奈津美という少女は。

――妊娠しているようだった。

 身分としてはまだ学生。当然彼氏と言うのも高校生だ。しかも妊娠しているという事実は両親に知られてしまっているらしく、猛反対を受けているようだった。彼氏の方も、学生なんていう立場では産めと言えるわけもなく、中絶することを強く求めているようだった。
 しかし、奈津美ちゃんはそれを拒否している。
 子供を産みたい、育てたいと言う一念で、両親とも彼氏とも言い争いになり、険悪なムードになっているようだ。まさかふと憑依し相手がそんな重い状況にある者であるとは思っていなかったため、完全に不意を突かれた形になった。しかも、この電車のホームの端に立っている理由も、いっそここから飛び下りれば楽になれるかも、と半ば本気で考えていたため、らしかった。
「うげ……ほんと生々しいな……」
 さすがにこんな身体を使って何かをする気にはなれない。憑依という行為に興奮していた精神もあっという間に冷めてしまっていた。ある意味、曰くつきというべきか。そんな身体に憑依してしまったことを後悔しながら、俺は奈津美ちゃんの身体から抜け出ようとして――それが出来ないことに気がついた。
「え、あれ……? なんで?」
 いままで、どんな相手に憑依してきた時も、『抜けたい』と思えばすぐ抜け出れたはずだった。元々その人物にとって俺の魂は異物であり、抜け出ることに支障が出るはずがないのだ。
「……まさか……」
 どうしてこんなことになっているのか、理由を考えた俺は、ある一つの推論に辿りついた。
 それは、花坂奈津美という精神が非常に弱まっているために、俺の魂を追い出す作用が働かないのではないかということだ。つまり、俺がいままで色んな身体を出入り……主に出る時が問題なのだが、それが出来ていたのは、その憑依した身体に元々あった魂が『俺の魂』を追い出そうとしていたから、ではないかということだ。そもそも魂というものは身体に入っているものであるから、それが身体から出ようと思うなら、何らかの作用が必要になる。その魂がその身体に元からあったものかどうかということは問題ではないのかもしれない。
「まずいな……ってことは、出れないってことかよ……マジか……?」
 妊娠、という重い状況下にある女子高生に憑依したまま、抜け出れないなんて……。
 途方に暮れた俺の前を、電車が猛スピードで通過していった。




その1 終

その2へ続く


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