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『あなたの望みを叶えてあげる』 ~復讐賛歌~ 第二章

この話は以前書いた『あなたの望みを叶えてあげる』 ~復讐賛歌~の続きです
以前の話はこちら 第一章

では続きからどうぞ

『あなたの望みを叶えてあげる』 ~復讐賛歌~ 第二章




 毎週月曜日の朝に行われる全校集会。
 ほとんどの学校の生徒がそうであるように、江橋愛実もその全校集会が嫌いだった。朝早くに登校しなければならないし、なにより退屈なばかりで面倒だからだ。もっとも、そこで溜まった憂さはあとで江藤冴美で晴らすつもりだったが。
 彼女は江藤冴美が嫌いだった。名前の音が似ていることも一因だが、何より許せなかったのは小学校の頃、愛実よりも彼女の方が成績が良かったからだ。冴美に出会うまで、常に一番を独走していた愛実には耐えがたい屈辱だった。その差の分だけ、愛実と冴美にはコミュニケーション能力で差が生じていた。普通に人と会話することも出来ない冴美と、上手く人の輪に入れる愛実。その優位で、冴美は優越感を抱いていた。
 だが、大人は成績が良く、聞き分けの良い――愛実に言わせれば主体性のない――冴美の方を褒めた。それが愛実の屈辱感を増す結果になった。
 中学、高校に上がるにつれ、苛めはエスカレートしていったが、それでも愛実の気は晴れなかった。
 今度はどんなひどいことをして冴美をいじめてやろうか。そんなことを常に考えていた。
 ひょっとしたら冴美は自殺するかもしれない。それでも構わなかった。そうなったら、自分が完全に冴美の全てを蹂躙したということなのだから。
 逆に言えば、愛実にとってあれだけの行いをしたのに冴美が死を選ばないことは、冴美がいまだ自分に屈していないということなのだとさえ思っていた。冴美が死ぬまで終わらない、悪循環。
 それは、本当に冴美が死ぬまで続くはずだった。
 ただ、それを断ち切ったのは冴美の死ではなかった。


 全校集会で、壇上の校長はだらだらと長話を続けている。体育館は完全に締めきられており、ムシムシと暑さが込み上げてきていた。
 まだ五月の半ば。真夏には程遠いとはいえ、締めきっていては暑いのは当たり前だ。愛実は頭の悪い教師達に苛立ちを募らせていた。愛実が苛立っている原因は他にもあった。今日は冴美が学校に来ていなかったのだ。いつもなら、まず教室で冴美が昨日出しておいたメールの指示通り、ノーブラ・ノーパンに膣の中にバイブを入れて来たことを確認して、その場で暫く嬲るのが日課だった。
 しかし、愛実は姿を現さず、何の連絡もないまま時間はすぎ、こうして全校集会が始まってしまった。
 朝の憂さ晴らしが出来なかった愛実は爪を噛んで苛立ちを発散する。
(全く……覚悟しなさいよ、冴美。来たら二度と勝手に休もうなんて思わないようにしてやるんだから……)
 そうこうしている間に、ようやく校長の長い話が終わったようだ。やっとこの蒸し暑い状態から解放される、と生徒達の間に開放を期待する予兆が広がった。
 愛実もやれやれ、と怒らせていた肩を落とす。
 だが。
『えー、最後に、今日から新しく施行される校則について、お知らせします』
 事前に通達がなかったことに、生徒達のざわめきが広がっていく。校長は静粛に、という言葉を繰り返すが、ほとんど効果はない。
 愛実の背後に立っていた愛実の友達が愛実に耳打ちをしてきた。
「新しい校則ってなに?」
「あたしに訊かないでよ」
 愛実とて、知るわけがない。
「ふざけんなって感じよねー」
「そうね」
 ざわめきにしか聞こえないが、体育館中で同じような会話が成されているのは明白だった。
 ようやくざわめきが収まった頃、校長が一枚の紙を取り出し、咳払いの後にその紙に書いてあることを読み上げる。
『校則・生徒の取り扱いに関する規定・第一条――』
 相変わらず、聴いている者の眠気を誘う、やる気の感じられない声で。

『生徒番号四五〇二三番、江橋愛実を我が校の所有物と見なし、全ての人権を剥奪した性奴隷とする』

 何の悪い冗談かと思った。
 体育館の中のざわめきは嘘のように止み、しんと静まり返っている。
「え?」
 思わずそう愛実が小さく呟いた声が、体育館の端まで響いたくらいだ。
 愛実は混乱する頭を抱えて、唇を歪めて何とか笑う。
「なに、言ってるの? な、なんかのどっきり?」
 自分で言いながらも、それが違うということはわかっていた。たとえドッキリでも生徒を性奴隷呼ばわりする企画など、学校が許可できるわけがない。
 壇上で校長が相変わらず眠気を誘う声で続けた。
「えー、江橋愛実さん、壇上に上がってきてください」
 愛実は動けなかった。何かの聞き間違いだと愛実は思っていたが、それにしては明白に聞こえたし、何より静まり返った周りの雰囲気がおかしい。
 慌てて、愛実は先程話しかけてきた友達に確認をする。
「ね、ねえ、いま校長なんていった?」
 その友達は、いつもと同じような顔で愛実の質問に応える。
「え? 壇上に上がってだって」
「その前!」
 周りが異様に静まり返っているので、愛実の叫びは体育館中に響いていた。
 友達は不思議そうな顔をして言う。
「愛実を学校の所有物にして、性奴隷にするんだって。よかったジャン」
「…………」
 愛実は絶句するしかなかった。あまりに平然と口にされた言葉に、耳を疑うことさえ忘れた。
「ね、ねえ、何言っているの……そんな、ばかなこと……」
 その時、愛実の両脇に男性教諭が立った。思わず身体を竦ませる愛実に、片方の男性教諭が言う。
「こら、江橋。聞こえなかったのか? はやく壇上にあがりなさい」
 その言い方は、普段と全く変わらないもので。だからこそ愛実は恐怖にかられた。
 ひたすら震える声を無様だと思うことも出来なかった。
「い、嫌です」
 必死に首を振って拒否の意を示したが、すかさず男性教諭達が愛実の手を掴む。
「だめだ。昇りなさい」
「い、嫌!」
 必死に手を振りほどこうとした愛実。
 次の瞬間、いきなり腹を殴られた。
「ぐ…………えっ!」
 手加減なしの一撃。愛実は胃の中の物が逆流しそうになって、必死にそれを堪えた。
 無理やり引きずられてしまう。力的に抵抗出来るわけがなかった。
「な、なにす、るの……! だれ、か! 助けて!」
 もがいて、周りの生徒に助けを求める。だが、生徒達はそんな愛実を見て嗤いはしたが助けようとする者は誰もいなかった。
 ついに愛実は壇上に引きずりあげられる。両腕は重ねた形で背後に立った男性教諭に抑えられていた。
 何が起こっているのか、わからない。恐怖で愛実の身体はガクガクと震えている。
 校長はのんびりとした様子で、何事もないかのように続ける。
「えー、それでは、江橋愛実さんに、奴隷としての宣告をしてもらいましょう。――あ、その前に、奴隷化の儀式を、司祭にしていただきます」
 そう言うだけ言って、校長はさっさと壇上の袖に引っ込んでしまった。その様はいつものやる気のない校長そのものだったが、それが逆に愛実の不安を煽る。
 愛実が息を呑んで見つめる中、校長が消えた舞台袖から、二つの人影が歩み出てくる。
 その人影のうち一つが、誰のものかわかった愛実は、悲鳴交じりの声をあげた。
「さ、冴美!?」
 その人影とは、愛実がこれまで散々甚振ってきた江藤冴美だった。
 いつも通りの制服に身を包んでいる。ブラウスの形や堂々とした仕草から、彼女がノーブラでもノーパンでもないことは容易に知れる。
 冴美は校長がいままで立っていた場所に立つと、愛実を後ろから抑えている男性教諭に視線で合図を送る。
 頷いた男性教諭は、無理やり愛実を床に引き倒し、正坐に近い形で愛実を座らせた。
「さ、冴美! これはあんたの仕業ね!? 何をしたの!?」
 愛実が怒鳴るが、冴美は動じない。
 ただ、恐ろしく静かな目で愛実を見下していた。
 不気味に静まり返る体育館内。
 愛実の喚く声だけがその場で起きている音の全てだった。
「冴美!! 答えなさい! 何をしたのよ!? こんなことして、許されるとでも思ってるの!? さっさと皆を元に戻しなさい!」
 ほとんど金切り声になっている愛実の叫びを真正面から受け止め、冴美は立つ。
 その表情はどこまでも冷たく、鋭い視線が愛実を見つめていた。
 昨日まで自分が凌辱していた少女と同一人物なのか、疑問を抱きながら愛実は叫び続ける。
「やめなさい! 冴美! いい加減にしないと怒るわよ!!」
 あまりに叫び過ぎたのか、息も絶え絶えになる愛実。
 冴美はゆっくりと口を開いた。
「玩具が、人間の言葉を喋らないで」
 凍るような声音。そこには、圧倒的な威圧感が伴う。
 いままでの冴美ではあり得なかった。愛実はそのことに驚きつつ、自分が凌辱していた相手にそのようなことを言われて頭に血が昇る。
 愛実は『ふざけないで!』と声を荒げようとした。
 だが。
「――っっぅうぁッ?!」
 口から出たのは、言葉にならない単なる呻き声。どれだけ頑張って舌を動かそうとしても、僅かにも動いてくれなかった。
(な、なんなの、こえ、が……! 言葉が、でてこな……!)
 愛実の口はまるで言葉の喋り方を忘れてしまっているようだった。
 喘ぐ愛実に、冴美の隣に立っていた愛実が見知らぬ女性が声をかけてくる。
「あいにく、この空間において冴美の言うことは絶対よ。彼女が喋るなといえば喋れなくなり、動くなといえば動けなくなる。死ねといえば――死ぬでしょうね」
 淡々と語られる異常な現象。
 愛実はその女性こそが冴美に力を与えた存在だと直感することが出来た。
(なんなのよあんた!)
「んぁうんぁううあ!」
 愛実の言葉にならない声の意味を理解できるのか、女性は愛実を見下して笑う。
「そんなことを気にしている場合じゃないんじゃないかしら? ね? 冴美?」
 女性の呼びかけに対し、冴美はゆっくりと頷く。冷静な声音で言葉を紡いだ。
「これから、江橋愛実の奴隷化の儀式を始めます」
 そう言って冴美は愛実に一歩近づく。
 視線で冴美を殺すつもりかというような、凄まじい眼光で愛実は冴美を睨んでいたが、冴美の視線もそれに負けていない。
 これまでの憎しみが解放された反動か――むしろ、愛実の視線を圧倒してしまうほどの凶悪で冷酷な敵意が籠っていた。
 そんな冴美の前に、女性が手を差し出す。その掌の上に、金属で出来た首輪が出現する。形は犬につけるような首輪に近いが、全てが金属だという点で異なっていた。冴美はそれを手に取り、愛実の目の前で見せつけるように揺らす。
「これからこの首輪を装着します。この首輪が嵌った瞬間、あなたはこの学校の所有物になり、学校にいる全ての人の命令に逆らえなくなります。体も心も私の物。一生を『物』として過ごして、老いることも病気になることも死ぬことすらなく、心も体も蹂躙して、堕ちれるところまで堕ちてもらいます」
 冴美の目に、偽りの光はなかった。
「一度そうなったら、もう解除は出来ない」
 そのように、彼女が決めた。たとえ天使の力を使っても、解除出来ないように。
 取返しのつかない場所へ愛実を堕とすために。
「それが嫌なら――逃げなさい」
 慈悲など、ない。
 力の強い男性教員に抑えつけられているのに、どうやって逃げれるというのか。
 愛実が絶望の入口へと引きずられていく中、冴美は言い捨てる。
「逃げられるものならね」
 高い位置から愛実を見下して。
 ゆっくりと、冴美が持つ首輪が愛実に迫る。
 愛実は恐怖に満ちた目でその首輪を見つめ、必死に逃げようと身体をくねらせた。だが、体力自慢の体育教師の腕は振り解けない。
「こら、大人しくしなさい!」
 まるで授業中うるさい生徒に注意するように、教師は普通の口調で言う。だからこそ逆に違和感が際立った。何せ、いま愛実には自信の人権を全て剥奪し、学校の所有物としてしまう恐ろしい首輪が迫っているのだ。それを身につけられたら最後、二度と戻れなくなるというのに。
 それが冗談でも嘘でもないことは、周りの生徒達が異常事態にも関わらず身動き一つ取らないこと、自分の声が冴美の言った通りに奪われたことからも明らかだ。愛実も、いまさら一連のことがどっきりである、というような楽天的な考え方は出来なかった。そうであったらどれほどいいだろうかとは思ったが。
「んぁうあうううううううあああああ!!」
 必死に声を絞り出す愛実。やはりその言葉は形にならない。ただのうめき声となるだけだ。
 その愛実の様子を楽しんでいるのか、冴美は不必要なほどゆっくりと近づいてくる。
 無理やり座らされているため、足を使って蹴ることも出来なかった。唯一自由に動く頭を右に左に振り、何とか拘束を脱しようと試みるが、所詮女子の腕力で大の男の腕力を跳ねのけることは不可能だった。
「先生、愛実の頭を抑えてください。こんなに動かれたら首輪をつけられません」
「ああ、わかった」
 片手で冴美の両腕を捕まえた男性教諭は、空いた片方の手で愛実の頭を鷲掴みにして動きを止めた。
 無理やり俯かせられ、冴美に首を差し出すような形になる。
 冴美が緩慢な動きで愛実の前に膝を突いた。手に持った首輪を愛実の首に回そうとする。
(ひ、ひぃ……!!)
 愛実は恐怖に震えて、暴れようとしたが、男性教諭によって頭が圧迫され、抵抗出来なかった。
 俯いた愛実の視界に、冴美の膝小僧が映っている。目の前を首輪を持った冴美の手が通過する。
(う、嘘よ……こんなの……ど、奴隷、なんて……こんなの夢……)
 もはや現実逃避をするしかない愛実の思考を、首に回った首輪の金属の質感が現実に引き戻す。
 冴美の冷めた声が冴美にかけられる。

「江橋愛実――さよなら」

 かちり、と金属の音が静まり返った体育館に響く。
 その瞬間、愛実の中で何かが終わった感触があった。

「はじめまして――性奴隷さん」

 男性教諭の拘束が解けたが、脱力した愛実は動けなかった。
 そんな愛実に向かって、立ち上がった冴美の声が上から投げかけられる。
「あなたに新しい名前をあげる。もうあなたは江橋愛実じゃない、ただのおもちゃの性奴隷――人間の名前を持つのはおかしいでしょう?」
 場違いに、優しい声で。
「そうねえ。雌豚にしましょうか? それとも肉便器? 糞犬でもいいわね。馬鹿女……は、人間みたいだし」
「あえて人間の時の名前で呼んでもいいんじゃない? より屈辱を感じさせられるわよ」
 冴美の隣に立つ女性が、楽しげに名前を考える冴美に声をかける。冴美はなるほど、と頷いた。
「ああ、それもそうね……『性欲処理玩具愛実』にしましょうか」
 冴美が俯いたままで動けない愛実の頤を指先で持ち上げる。
「これからあなたの名前は『性欲処理玩具愛実』よ。この学校の生徒の性欲処理用玩具として、責務を果たしなさい」
 こうして性欲処理玩具愛実の、地獄の日々が始まった。




『あなたの望みを叶えてあげる』 ~復讐賛歌~ 第三章に続く



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