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『あなたの望みはなんですか?』

今回の話は、TS&MCに投稿した『あなたの望み、叶えます』の別バージョンみたいなものです。
ジャンルはTS。レズ要素ありです。

では、怒涛の更新週間を締めくくるに相応しい結構ボリュームある短編をどうぞ。
 
 
『あなたの望みはなんですか?』




『はい、もしもし天使でふ』
 ワンコールもしないうちに返答があったのにも驚いたが、むしろ語尾が変なことに驚いた。
「…………」
 天使とは、こんな変な語尾をしているのだろうか?
 それにしてもやけに幼く聞こえる声だな……。
『す、すいません、噛みました。天使です』
 噛んだだけだったらしい。
 なんというか、人間的な天使だな……。
 仕切り直しのつもりか、自称天使は咳払いをする。それがまた妙に人間臭い。
『こほん……失礼いたしました。お電話ありがとうございます。ご用件は願いを叶えさせて頂けるということでよろしいですか?』
 まだ子供が無理して大人びた声を出しているように聞こえる。
「……あー。まあ、そうなるかな」
 まさか本当に繋がるとは思ってなかったんだが……。
 暇だったから、何となく見つけたサイトに載っていた電話番号にかけてみただけのつもりだったんだが……。
 俺はちらりと横目で開きっぱなしになっていたパソコンの画面を見た。
 そこには『天使の店』というサイトが表示されていて、「あなたの願い、叶えます」とトップページに大きく表示されている。
 ページには。

『ようこそ、願いを叶えるお店へ』
『当店ではあなたのお望みを叶えさせていただきます』
『わたくしどもは悪魔ではありませんので、魂は頂きません』
『わたくしどもは魔女でもありませんので、報酬もいただきません』
『わたくしどもは天使です』
『あなたの望みを叶えるのは修行のためです』
『願いを叶えさせていただければ、死後の安寧は約束いたします』
『願いを叶えさせて頂けるのなら、下記の番号に電話をかけてください』
『わたくしどもスタッフの中の誰かに繋がります』
『その結果、スタッフによっては未熟である場合がありますが、それは寛大なお心を持って御許しください』
『番号は538-085-089-482-456-444です』
『それでは、ご依頼、お待ちしております』

 とあり、胡散臭すぎて逆に警戒する気が起きなかった。
 とりあえずかけてみるだけかけてみようとしたのだが……まさか本当に繋がるとは。かけてみたのは、番号の長さ的に絶対繋がらないと思ったからだ。これなら詐欺とかそういうものでもないと思ったし。
「……で、願いを叶えてくれるってどういうことだよ?」
『言葉通りの意味ですよ? 人間さんの願いを叶え、私達は力を増します。その力が一定以上になると、大天使に昇格できるんです!』
 嬉しそうに言うのはいいが……昇格て。
 天使に階級があるのは知っていたが……昇進制だったのか。
「それで? どんな願いでも叶えてくれるのか?」
『もちろんです。どんな願いでも、いくつでもお叶えいたします。……お疑いですか?』
 どこか不満そうな声。
 ……いや、別にそんなことは思っちゃいないが。まあ、疑っていると言えば疑っているな。だってそうだろ? いきなり「願いをいくらでもなんでも叶えてやろう」と言われて信用できる奴がいるか?
「……あー、じゃあそうだな。俺の貯金残高を二千万円くらいに引き上げてくれよ。生活に不自由しないように」
『はい、わかりました。…………はい、完了です!』
 完了です、って言われても。
『貯金通帳をご覧になってみてください。ちゃんと引き上がっているはずですよ?』
 必死だな。そんな馬鹿なことがあってたまるか。
 しかしまあ一応最後まで付き合ってやるか。
「……どれどれ」
 引き出しから貯金通帳を取り出し、確認する。
 一瞬、目を疑った。
「おい……」
『どうですか? ちゃんと変わっていたでしょう?』
 ちょっと得意そうな天使。
「いや、ちょっと待て。俺は二千万円といったんだぞ?」
『はい、そうお聞きしましたが』
「じゃあ、何で残高が二兆円になってるんだ?」
 あり得ないだろ、これは。一瞬ゼロが何個あるかわからなかったぞ。
 自称天使の言う通り残高が変わっていることにもびっくりだが、それ以上に値がとんでもなくてそっちの方にびっくりしちまった。
『あれ? おかしいですね……えい!!』
 電話の向こうの自小天使が何やら気合いを入れると、貯金通帳の残高が動いて二百万円となった。
 目の前で、見ている前で数字が変わるとは。
 これは、信じるしかないのだろうか。
「…………」
『ど、どうですか? こんどこそ二千万円にっぅ!!』
「あ? お、おい。ど、どうした?」
『し、舌を……かみっ、噛みました……』
 ……お前もうちょっと落ち着いて喋れ。
 俺はため息を吐きながら言ってやる。
「確かに変わったけどな」
『そうでしょう!? 信じてくださいましたか?』
「お前の力が本当だということは信じるが、でも、金額がまた間違ってるぞ」
『ええ?! そ、そんなぁ……も、もう一度挑戦させてください!』
「いや、もういいって。二百万で十分だから」
 なんかキリがなさそうだし。
『で、でもぉ……』
「他の望みを言ってやるから、それで我慢しろ。いいな?」
 なんでこんな子供を窘める保護者みたいな言い方をしなくちゃいけないんだ。
『はぃ……ごめんなさい……』
 いや、ほんとに保護者に怒られた子供みたいな反省をするんじゃねえよ。
『で、では気を取り直して――あなたの望みはなんですか?』
 いまさら格好つけても遅いぞ。
 さて……それにしても金以外の望み、か。
 どうしようかな。
 色々と欲しいものはある。テレビも大きいのが欲しいし、ゲームも興味がある奴がいくつもあるし、服も……でも、これは金が手に入ってるから自分で買いに行けばいいしな……。
 やっぱり、そうだな。絶対に金じゃ手に入らないものにしよう。
「そうだな、彼女が欲しい。容姿端麗で文武両道で……スタイルもいいみたいな」
『彼女、ですか? それは架空の人物を作り出して『あなたの彼女』という役割を与えるという形でいいですか?』
 架空の人物か……そうだな、その方が面倒じゃなくていい。
「ああ、それでいい。そうだ。俺の命令は絶対に聞いてくれる、みたいな従順な感じの女で頼む」
 そうしておかないといつ逃げられるかわかったもんじゃない。
『わかりました! それでは早速……………………』
 さすがに今度はそう簡単にはいかないようだ。
 かなり長い間、電話先の向こうの天使は沈黙した。
 カップラーメンなら、ようやく食べごろになる頃まで沈黙は続いた。
 そして、
『――ええいっ!!』
 天使の大きな掛け声が響き、世界が光に包まれて――。
『ど、どうで、しょうか。理想通、りの彼女が、出来ましたか……?』
 さすがに疲れたのか、荒い呼気が受話器の向こうから聞こえてくる。
 俺はすぐに言葉を返せなかった。
「…………」
『ど、どうされ、ましたか? ひょっとして、まさかなにか、失敗を……?』
 必死に声を絞り出した。
「おい、こら……」
『は、はい? どう、されました?』
 俺は盛大に息を吸い込み、

「なんっで俺が女になってんだ――ッッ!?」

 心の底から絶叫した。
 いま、世界が光が包まれた直後、何があったのかというと……。
 突然黒い物が視界の端に映ったから、何かと思えばそれは長く伸びた自分自身の髪の毛だった。
 嫌な予感がして、自分の体を見下ろすと……やけにレースやらフリルやらが使われている、少女趣味が強いゴシック系の服を着ていて。
 思わず手で触ろうとして、その手がやけに細くて白いことに気づいて。
 自分の胸が膨らんでいて、股間にあるはずのものがないことに気づいた。
 そして俺は、自分が『女』になっていることに気づいたのだ。
「おい!? なにがどうなってこんなことになっちまってるんだ?! 説明しろ!」
 思わず叫んだ声音は高く澄んだもので、明らかに今までの自分のものとは違っていた。
 本来なら耳に心地好いであろうその声も、焦燥で裏返っていては耳障りなだけだった。
 電話の向こうで天使が謝る。
『す、すい、ません、私はまだ、天使になったばっかりで……魔力が、というか、魔法が、安定しなくって……』
 それでさっきも金額がめちゃくちゃになったわけか!
 いや、なんか願いを正確に叶えてくれない気はしていた。していたが、しかし、まさか、こんな形になるなんてどうやって予測しろと!?
「とにかく元に戻せ! 今すぐにだ!」
 俺は従順な女が欲しいのであって女になりたいわけじゃない。普通はそうだろ? 
 まあ、自分の体なんだから、確かにこの上なく従順なんだけどな!
 電話の向こうに向かってさっさと戻せと叫ぶが、電話の先の未熟な天使の声は、段々ノイズが混じるようになってきた。聞き取りずらい天使の声は心底申し訳なさそうに最後の言葉を伝えて来る。
『すいま……魔力が……ない……回復……たらこちら……連絡……から……――――』
 プツッ、と電話が切れた。
「あ、おい!?」
 ツーツー、としか鳴らない電話。
 リダイヤルしても天使には繋がらない。
 あとには女の体になった俺だけが残される。
「マジかよ……」
 思わずそう呟いたが、意味なんて無かった。




 三十分ほどして。
 ようやく衝撃から立ち直った俺は、状況を把握する余裕が出てきた。
 まず、先程も見たが、身に付けている服は少女趣味が強いやたらと……なんというか、可愛い服だった。
 部屋の内装もそれに合わせて変わり、ベッドの脇にはヌイグルミが置かれているほどだ。
 色彩も全体的に柔らかい系統の物になっていて、いかにも『女の子』の部屋だった。
「……体だけじゃなく、関係するものは全部変わったのか。やれやれ……とんでもねえな」
 あまりの事態にそんな言葉しか出てこない。
 あの未熟な天使も言ってたし、たぶん魔力が戻ったら向こうから来てくれるだろう。それまでの辛抱だ。
 とりあえず、どうしようか……。
 ふと、俺は今日約束があったことを思い出した。
 そう言えば今日はあいつとデートの約束があった。
 色んな意味でややこしいことになった。
 まず俺とあいつがどんな関係になっているか。
 女同士になったんだから、恋人関係ってことはないだろうが……やはり親友くらいの関係が妥当だろうか?
 そもそもあいつと知り合っていることになっているんだろうか?
 あいつと知り合ったのは大学同士のコンパがきっかけだから、ひょっとしたらそもそも関係自体がなかったことになっている可能性もある。
 携帯を開いて電話帳を確認してみた。ちなみにその携帯の色もブルーからピンクに変わっていた。
 電話帳にちゃんとあいつの名前があった。なんとなくほっとする。
 ついでに他の記録も確認してみたが、やっぱり何人かの分が変わっている。あったはずのアドレスがなく、なかったはずのアドレスがある。
「やっぱ女のアドレスが増えてるな……」
 当たり前か。
 さて、あいつとの約束をどうするか……。
 たぶん遊びに行くという名目に変わっているだろう。
 うーん……正直外に出たくない気もするけど。
 せっかく女になっているのだし、外に出ないと損をする気もするな。
 どうせ天使から連絡を取ってくれればすぐ戻れるんだし……。
 そうと決まれば早速出掛けよう。そろそろ出ないと待ち合わせに間に合わない。
 と、その前に。
 俺はいつの間にか部屋に出現していた姿見の前に立った。
 顔もそうだが……まだ客観的に自分の姿を見てないからな。外に出る前にきちんと確認しておこう。
 俺はちょっと緊張しつつ、姿見を覆い隠していた布を剥ぎ取る。
「な……っ」
 思わず声を詰まらせる。

 そこに映っていた女の子は、俺の好みに合いすぎていた。

 丸く、大きな澄んだ瞳。
 形のよい、整った睫毛と眉毛。
 小さな可愛らしい口。
 大人過ぎでもなく、子供過ぎでもない顔つき。
 どこか気弱そうな印象。
 どこをどう取っても最高だった。
「おいおい、まじかよ」
 くそ、あの天使がしっかりしていれば最高の彼女になったのに。
 だがまあ、いつまでも嘆いていても仕方ない。
 この姿を楽しむことにしよう。
「えーとバッグは、と……お、あったあった。やっぱ可愛らしいものになってんなー」
 呟いてから、どうにも違和感があることに気付く。
 なんでだろう、と思って、すぐに理由はわかった。
「これだけ可愛い声と姿をしてるのに男言葉なのがダメなんだよな」
 折角の声も台無しだ。
「あー、あー……こほん。こんな感じでどう、かしら?」
 声音もちゃんと高い声を出そうと思ったら、今まで以上に綺麗な声が出た。
 言葉遣いも合わさって、自分が出している声とわかっていても思わずドキリと来る。
(女言葉に慣れないとな……ちょっと背中がムズムズするぜ)
 心の中のセリフまで変えてしまうと、あとで戻ったときについつい女言葉を使ってしまいそうだったので、そこは変えないでおく。
「実際に口に出すときには注意しないとね……変に思われたくないし」
 この外見で男言葉は奇妙過ぎる。
 心の中で呟いた俺は、バッグを持って外に出た。




 あいつとの待ち合わせ場所は駅前の映画館だった。
 約束の時間は五分前に過ぎている。うかつだった。男の時の体と同じ感覚だったのがいけなかったのだろう。歩幅が違うから、男の体なら間に合ったのに間に合わなかったのだ。それに気づいてからは走ったが、生憎この体は見た目通り体力がなかった。
 ようやく映画感についたときには、俺は息も絶え絶えだ。
「はあ……はあ……」
 荒い呼吸を繰り返しながら、俺は周りを見渡す。偶然目が合った男がなぜか顔を赤らめて足早に去って行った。なんなんだ?
 不思議に思ったがいま重要なのはあいつを探すことだ……。
 そう思って周りを最後見渡す。その時、突然背後から伸びてきた手が視界を遮った。
「!?」
 驚く俺の耳元で、声が囁く。
「遅い。だーれだ?」
 楽しげな声。だが、その声には僅かに怒りが込められていた。
「……え、えっと……美佐子……?」
「美佐子ちゃんって呼びなさい。怒るわよ」
 耳に息がかかってくすぐったい、と思った瞬間、なにやら硬いものが耳たぶを挟んできた。って、もしかしなくても、噛まれた!?
「ひゃあ!」
 いまだかつてない衝撃に身悶えるが、視界を閉ざしている手と、腰に回された手が身体の動きを阻害してくるので上手く足掻くことも出来ない。
「もう一度。だーれだ?」
「み、美佐子ちゃん!」
 背後の声の要求に従って、言い直す。それ以外に何も考えられなかった。
「あったりー」
 ようやく拘束を外された俺は、慌てて振り返る。すると、そこには予想していた顔が。
「遅いわよ、涼子。あたしを待たせるなんて、いけない子」
 だがその俺に対する態度は予想どころか夢にも思っていないものだった。いつもの美佐子は、別に従順ってわけじゃないが、そこそこ俺を立ててくれる。言いたいことはずばっと言ってくるが、こんな風に明らかに自分が上、というような態度は取らなかったはずだ。ちなみに俺の男の時の名前は涼志だ。学生証を見て女の子っぽく自分の名前が変わっているのは知っていたので、『涼子』と呼ばれても不思議な顔はしないですんだ。
 美佐子の態度の変化も、俺が女の子になったために変わった部分なのだろうか……。
「ごめんなさいは?」
 ずずい、と美佐子は整った顔を接近させて問うてくる。
 俺は威圧感に思わず頭を下げていた。
「ご、ごめんなさい」
 口からはそんな言葉が勝手に零れ出た。そんな俺に満足したのか、美佐子は不機嫌そうな顔を一転、ニコニコとした笑顔になる。
「許してあげる。映画が始まるまでまだ時間もあるし」
 良かった機嫌が直った、と俺は胸を撫で下ろしかけたのだが。
 次に続いた彼女の台詞に、安心することが出来ないことを知る。
「でも、お仕置きはしないとね♪」
 お仕置きってどういうことだ? 俺は次々飛び出てくる美佐子の意外な言動にすっかり翻弄されていた。


 俺達が当初見る予定だった映画は、カップルが見るとしては王道な恋愛物だったのだが、いまは関係性が変わったからか、バリバリのアクション物に変わっていた。俺としては実はこっちの方が面白そうだな、と思っていたので良かったのだが、実は美佐子もこちらを見たがっていたことを知ったのは映画館の受付でのこと。
 カップルなんていう状態にとらわれず、男の時にもこっちを見ようと言っておけばよかった、と思ったものだ。
 もっとも、今はそんなことを考える余裕がなかった。
 なぜなら。
「み、美佐子ちゃん……」
 列の端に座る俺は、すぐ隣に座る美佐子に、小さな声で話しかける。ある感覚に耐えながら。
「しっ、隣の人の邪魔になっちゃうでしょ?」
 美佐子は自分の横を示しながらそう言って俺の言葉を封じてくるが、実際には物凄い爆音とか銃声がひっきりなしに響いているから小声で話す程度なら全く問題ないはずだ。
 それなのにあえて言葉を封じてくる……鬼か、こいつは。
 俺はまたパターンを変えた『それ』に思わず身体を波立たせてしまう。
「ふぅ……ぁ……!」
 いくら映画の音が騒がしくて周りに聞こえていない筈、とはいえこれは恥ずかし過ぎる。
 美佐子が映画館の前で言った『お仕置き』……その内容は。

 膣の中に遠隔操作出来るローターを入れたまま、映画を観賞することだった。

 最初は仰天して何とか逃れようとしたのだが、美佐子に強く出られるとなぜか反論が出来なくなり、結局トイレの中で膣の中にローターを呑みこむ羽目になってしまった。スイッチは当然美佐子が握っている。正確には俺が持ってスイッチに指を添えているその上から、美佐子が手を添えて操っているのだ。
 自分で自分を嬲っているようだが、実際に嬲っているのは美佐子だ。
 男として付き合っている間に、こんな風に主導権を握られたことなんてない。そもそも、美佐子とはそれなりに深い付き合いをしていたが、こんなことを外で平然とやってくる奴じゃなかったはずだ。どうなっているんだ?
 考えを纏めようとしても、膣内で震えるローターが考えを纏めさせてくれない。自分の体の中に何かを呑みこむという経験自体初めてだったのに、さらにその呑みこんだ物体が動くのは刺激が強すぎる。
「んっ…………はっ…………あぅ……ふぁ……」
 内またになって目をつぶり、中でローターが震えるのに耐える。不意に美佐子がローターのスイッチを握っていた俺の手の上からその手を退けた。
 スイッチは自由になったが、勝手に止められないのでそのまま耐えているしかない。美佐子のフリーになった手は、なんと器用に片手でこっちの服を脱がしにかかってきた。さすがにそれはまずいだろ!
「み、美佐子ちゃ」
 スイッチを握っている方とは別の手で美佐子の手を掴んで止めようとしたが。
「動いちゃダメ」
 そう静かに、しかし強く言われると言われた通りに身体が動かなくなる。
 俺が身にまとっている少女趣味が強い服は意外に簡単に脱ぎ着が出来る仕組みになっていたようで、あっという間に前を肌蹴させられて肌が露出した状態にさせられる。完全にこっちを向くとさすがに美佐子の隣の人が妙に思うとわかっているのだろう。片手で、ほとんど前を向いたままの作業だった。
 器用な……!
「まだ動いちゃダメよ」
 服の内側から背中に美佐子の手は回る。ぷちん、となんだかあまり何の音なのか考えたくない音が身体を通じて響く。
「……っ!」
 ブラが外されたのだと気づいた時には、しっかり乳房を抑えていたカップが緩んだその隙間に美佐子の手が滑り込んでいる。
「…………!」
 声に出さないように耐える俺を甚振るように、美佐子は親指と人差し指で乳首を摘まみ、軽く引っ張った。
「ぃあっ!!」
 思わず大きな声が出たけど、丁度映画の爆発音が轟いて声はかき消された。それでも、周りに人がたくさんいる状況でそんな声をあげてしまったことに、消え入りたいほど恥ずかしいと思う感情が湧いてくる。
「ほんと、いい声ね」
 美佐子は完全に俺で遊んでいた。素早く手が動いて、さらに大きく服を肌蹴させる。肩から袖が滑り落ちて、上半身はほとんど裸だ。こんな状況であることを見られたら、どうしようもない。痴女であると認識され、侮蔑の視線を向けられても、弁解することも出来ない。
 恥ずかしさと焦りとで心臓が早鐘を打つ。
 その上、美佐子は俺をその状態にした上で、ローターのスイッチを弄ったり、乳首を摘まんだりして散々俺に恥ずかしい声をあげさせた。何度か前に座っていた人が変な顔をして後ろを向きかけていた気がするが……幸い、こっちが半裸になっていることは気付かなかったようだ。
 その後も映画の間中責められた俺は、映画の終了直前、場内が明るくなる寸前に服を整えることを許された。
 あと一歩のところで周りの人たちに、痴態を見られるところだった。危ない危ない。


 あまりにも美佐子の態度が、俺が男だった時と違い過ぎることに違和感を覚えていたのだが、その謎はすぐに明らかになった。
 映画が終わった後に入ったファーストフード店。あんなところであんなことをするなんて酷い、と半分本気で批難したのだが、それを受けて行った美佐子の台詞は。
「だってあたし、女の子は苛めたくなるんだもの。涼子もわかってるでしょ?」
 だってとかわかってるでしょとか言われても。もちろん初耳な俺は困惑するしかない。
「……女の子が好きなの?」
 そうなのだとしたら、男の俺との関係はなんだったんだと問いたくなる。美佐子はゆっくりと首を横に振った。
「あたしはどっちでもOKよ。でも、男が相手だとあんまり『その手』のことはしたくなくなるのよね……やっぱり、万が一にも出来ちゃったら色々まずいでしょ?」
 現実的なんだか、自分勝手なんだか……ちょっと判断に困るな。
 そういや、男のときはそういうことをあまりしなかったな……嫌われているわけではないようだったが、安心していいのか悪いのか。
 まあ、そういう心配があるということなら、俺がちゃんと責任をとれるようになればしていいということだ。いつの話になるかどうかはわからないが。
 折角だから、こういう美佐子を楽しんでおくことにしよう。
「次はどこに行くの?」
 男の時は俺がリードしていたが、いまの力関係なら美佐子に任せて構わないだろう。
 案の定、美佐子はしっかりプランを考えていたのか、即座に教えてくれた。
「まずはね、買い物。じっくり店を回っていきましょ。それから……明日も休みだし、ホテルに行くわ」
 さらりと。
 とんでもない発言をしやがった。
「ちょ、ちょっと美佐子ちゃん……っ」
「なに? ホテルよ? ホテル。誰の邪魔も入らないところでじっくりゆっくり可愛がってあげるから……」
 悪戯好きな小僧のような笑顔を近づけてくる美佐子。からかわれていることはわかったが、わかっていても恥ずかしいことは恥ずかしい。
 周りの客が怪訝そうな顔をしているのをこちらに向けているので、俺は肩を竦めて小さくなるしかなかった。
「場所を考えてよ……」
 言っても無駄な気はしたが。


 その後のショッピングでも、美佐子は俺を苛める手を全く緩めなかった。
 服飾店では、試着室で着替えの最中に、前触れなくカーテンを開けられるなんてことは度々。水着売り場ではこれからの季節のために水着を買おうと言って、めちゃくちゃキワドイ物を持ってきて赤面させられるし。結局凄い大体なビキニを押しつけられた。着ろってか……。下着売り場でも同じようなことがあったのは言うまでもなく。ピアスとかネックレスを売ってる装飾品店では何もあるまいと思っていたのだが、耳に当てて「似合う」と言ったピアスを胸に当てて「こっちにつけても似合うかな?」なんてことを、店員の前で言って店員に苦笑いを浮かべさせた。もちろん俺は恥ずかしくて死んでしまいたいくらいだったが。冗談で流せる店員だったから良かったものの、本気で嫌悪の視線を向けられたらどうするつもりだったんだ。
 大体そんな感じで俺の精神に対する攻撃は、素晴らしく的確に命中していた。
 ショッピング終了の合図を美佐子が放った時、俺は色んなところを回った身体的な疲れはともかく、精神的な疲れがどっと出て倒れそうになった。
「あら、大変。じゃあ休みましょうか」
 という流れでラブホテルにチェックイン。あまりに自然だったから反応する暇もなかった。俺が男の時はすげえ回りくどく婉曲的な表現を使いつつ、美佐子に気を使いながらだったというのに……なんだろう、この妙な敗北感は。
 荷物を適当な部屋の隅に投げ出した美佐子は、俺の手を引いてバスルームへと向かった。
「シャワー浴びましょ。熱いシャワーを浴びれば、疲れも吹っ飛ぶわよ」
「いや、あの、一人で……」
「いいじゃない。さっさとすませましょ」
 この部屋のバスルームはそんなに広くない。女の体であるとはいえ、二人はきつい。シャワーだって一つしかないし……。
「ふふふ、ほら。さっさと脱いで」
 背後から抱きすくめられるように、美佐子は素早く俺の着ている服を脱がしていく。
「じ、自分で脱げるから!」
「遠慮しない遠慮しない」
 抵抗なんて出来なかった。あっという間にボタンが全て外され、脱がされる。ブラも外され、スカートも瞬時に足元に落とされ、ショーツまで降ろされた。慌てて両手を使って胸と股間を隠す。さらに片足ずつ取られ、ショーツを抜き取るついでに靴下まで取られた。あまりに鮮やかだった。気づけばもう俺は全裸で立っている。そんな俺の体を軽く嬲るようにして触る美佐子。
「ひゃっ!」
 思わずその場にしゃがみこんで身体を隠す。裸で縮こまるというのは、凄く不安になる体勢だった。
「可愛いわ。涼子」
 美佐子がそう言うのと、服を脱いでいるのか衣擦れの音が背後から響いたのは同時だった。
 そしてあっという間に服を脱ぎ去った美佐子に腕を取って立たされ、バスルームに連行される。美佐子は堂々と隠しもせず裸を晒しており、俺は慌てて目を逸らす。美佐子の胸は結構大きい。男の時にも思っていたが、こうして自分の体という比較対象が出来るとなおのことそう思った。
「ほら、こっち」
 ぐい、と美佐子に手を引かれ、俺はシャワーから出ているお湯を頭からかぶった。
「ぷわっ」
 目を閉じてそのシャワーを受ける。顔に流れてきたお湯を両手で拭おうと手を挙げ――すかさず美佐子の片手が後ろから腰を沿うように撫で、一気に股間へと到達する。一番防御するべき場所を押さえられた俺は、慌ててその美佐子の手を押しのけようとしたが、予想以上の強い力で抵抗され、押しのけられなかった。俺の方がいまはひ弱な身体になってしまっていることに遅ればせながら気づく。
「ちょ、美佐子ちゃん、そんなとこ……っ」
「いいからいいから」
 ぐい、と掌全体で股間を押され、言葉を飲み込む。
 美佐子はもう片方の手でボディソープを取り出し、それを俺の胸に塗りたくってきた。
「ひゃん……!」
 膨らみを嬲られ、硬くなってきた乳首を映画館の時のように親指と人差し指で摘ままれる。びりびりと激しい感覚が広がる。
 さらに背後から耳元に唇を寄せられ、耳たぶをなめられ、甘噛みされる。
「ひゃぁ!」
「んー。ほんっと、可愛い声で鳴くわね♪」
 めちゃくちゃ楽しそうだ。おいおい、やばいってなんか、こう、色々……。
 美佐子が身体を密着させてくるから、背中に何やら柔らかい物の感触がする。二人とも裸だから余計にその感覚は鋭敏な物になっている。そう、先端にある物の感触さえ、微妙に感じられた。
 なんだか無性に恥ずかしい。
「ちょっと……美佐子ちゃん……っ」
「あたしに任せなさい」
 何をだ。
 止めようとした努力は無駄に終わり、問答無用で全身を撫でられる。撫でまわされる、と言った方が正しいだろうか。
 最初に触れて行こう、触れていなかったあそこに美佐子の手が伸びる。いきなり中に指を入れられた時は本気で悲鳴を上げていた。
 だが、その悲鳴を呑みこむようにキスをされ、それがまた男の時の俺ともしたことがないような激しいディープキスだったものだから、俺は目を白黒させていたと思う。
 舌が俺の口の中に入って来て、こっちの舌に絡みつき、口と口との間で唾液が交換される。唇の端から溢れた唾液を美佐子の舌が舐め取り、再度口の中に押し入れてきた。数分後、ようやく解放された時には、俺は呼吸困難で打っ倒れそうになっていた。
 ほとんど美佐子に抱きかかえられるようにしてバスルームから出て、バスタオルで全身をさっと拭かれる。美佐子もざっと身体を拭いてバスローブを身につけていた。なのに、なぜか俺は裸のまま放置される。
 バスローブに手を伸ばそうとした俺の手を美佐子が抑える。
「大丈夫。体が冷えないようにちゃんと髪を乾かさなきゃ」
 ちょっと待て。何が大丈夫なんだ。つか、体を冷やさないようにっていうなら、バスローブくらい着せてくれ。
 そう抗議しようとしたが、タオルを頭にかけられてガシガシと拭かれたために、言う機会を逃してしまった。風呂上がりでホテル身体は室内の僅かな風にも反応して、びくりと勝手に震えてしまう。
 ドライヤーで髪が乾かされ、ようやくバスローブを着せてくれるかと思ったら、裸のままベッドルームに連れて行かれた。
「どうせ脱がせるし」
 とか赤裸々に言う美佐子。男の時の俺のリードよりよっぽど強引で、何というか反駁する余裕がなかった。鮮やか過ぎる。
 ベッドの上にあおむけに寝かされた俺の上に、美佐子がのしかかってくる。ことことに至ると俺もさすがに反抗するのが馬鹿馬鹿しくなって美佐子のやりたいように任せることにした。両手も身体の横に投げ出し、無抵抗を主張する。
「うふふ、やっと観念したのね」
 意地悪く美佐子がそんなことを言う。恥ずかしいことは変わりないのだから、早くやりたいことをやってほしい。俺のあそこはお風呂からあがったばかりだというのに、すでに準備が万端であるということが何となくわかっていた。
 なのに、美佐子はすぐに手を出さなかった。俺の顔を覗き込むようにしてわざわざ訊いてくる。片手で身体を支え、もう片方の手は俺の無防備な乳房を触れるか触れないかの位置で動かしている。触れられているようないないような、なんだか無性にムズムズする感覚だ。
「涼子。どうして欲しい?」
 焦らし方、嬲り方、全てが鮮やかだ。
 俺は恥ずかしさをぐっと、こらえ、美佐子に向かって口を開く。
「き、気持ちよくして欲しい……」
「どこをどうやって?」
 くっ、ほんとに鮮やかだな……俺も男の時、こうすればいいのか? 全く出来る気がしないんだが……。
 純粋な敗北感に打ちのめされつつ、俺は言葉を紡いだ。
「……あそことか……胸とか……弄って、ほしい……」
「あそこってここ?」
 臍に指を入れ、軽く動かす。
「っ……そ、そこじゃなくて……」
「もっと具体的に」
 たぶん、この時自分の顔を客観的に見れていたら……いや、待て。
 ふと気づいたら、美佐子の肩越し、見挙げた天井に鏡が。
 そこに映っていた俺は――姿が女の子だから自分という気が全くしなかったが――物凄く赤い顔をして、涙ぐんでいた。
 裸の肌すら真っ赤に染まっているように見えるがこれは純粋にお風呂上がりだから……というわけでもなさそうだ。
 俺は自分自身の姿を客観的に見て、さらに恥ずかしさが増した。情けなくも完全に翻弄され、恥ずかしい言葉を言わされて、しかもまださらに恥ずかしい台詞を言おうとしている。自分自身でその状態に溺れていた。
「……っ……お、おマンコ……とか、おっぱい、とか……弄って……めちゃくちゃに、して」
 自然とそんな言葉が口から出た。自分で自分の口が信じられないが、確かにそれが事実であることを示すように、美佐子がより楽しげな笑顔を浮かべる。
「良く出来ました」
 いきなりまた唇を奪われる。今回はさっきと違ってこちらが完全に舌になってしまっている。唾液を流し込まれて、喉が詰まりそうになった。慌てて喉を嚥下させて呑みこむ。
「はぁっ……」
 美佐子の舌が、這いまわる。
 閉じた瞼の上、鼻の頭、左右の頬、耳たぶ、首筋、胸は特に重点的に。さらにお腹を降りて臍を通り、いちばん敏感なところに舌が到達した。
「ん、ぁ……!」
 スリットの上辺りにある、まだ皮を被ったままのクリトリスを舐め回された。もどかしい快感が湧きあがる。
 さらに執拗に舐められていると、不意に美佐子が笑った。
「ふふ……可愛らしく頭を覗かせたわよ」
 湧き上がる快感に耐えていた俺が、その言葉の意味を理解すると同時に。
 いままでとは比べ物にならない強い快感が脳を震わせた。
「いっっっ……!!!」
 どうやら皮がクリトリスの皮が捲れて、舌が直接そこを蹂躙したようだ。
 あまりに強い感覚に一瞬気が遠くなった。
「涼子、感度いいわよね……やりがいがあるわ」
 さらに涼子は責めてくる。舌先でクリトリスを弾くように嬲られると、思わず腰が跳ねてしまうほどの衝撃が全身を貫いた。
 必死に呼吸を整え、次々襲い来る快感に耐えていると。
「そろそろメイン、いくわよ」
 何やらベッドから降りて何かしていたらしい美佐子が、再び俺の視界の中に戻ってきた。
 その手にあったのは、凶悪な形をした、バイブ。
 実際に見るのは初めてだが、その形状から察するにそれは双頭バイブと呼ばれる物であるようだった。
 美佐子はそれを手にしつつ、俺の頭の上をまたぐようにして股間を俺の顔に近づけてきた。女性器をこんなに接近して見るのは初めてだ。意外に近づくとグロい。目をそむけたくなったが、体勢的に逃げられなかった。
「さ、舐めて。もうだいぶ濡れてるとは思うけど、一応ちゃんと濡らしとかないとね」
 ぐい、と頭の後ろに手を回され、美佐子の股間に顔を押し付けられる。慌てて舌を出し、たどたどしくだったが美佐子の女性器に舌を這わせる。美佐子はそうやって相手を支配しているという状況に酔っているのか、俺の唾液以外の何かでじっとりとそこが濡れ始めた。
「はあっ……中々良かったわ」
 いったん俺から離れた美佐子は、腰を突きだし、俺に見せつけるようにしながら手にしていた双頭バイブを自分の膣に滑り込ませる。
 かなり太いように見えたが、美佐子のそこはあっさりとそのバイブを呑みこんでしまった。膣からバイブが生えているように見え、シルエットだけ見れば男性のように股間にイチモツが生えているかのようにも見える。
「ふぁ……いい感じ……これで涼子も貫いてあげるわね」
 ぐい、と股を開かされ、無防備に晒されたあそこに美佐子がバイブをあてがう。
 本能的な恐怖に、思わず後ずさりかけたが、腰を押さえられたらもう逃げられなくなった。
 一気に美佐子が腰を突きだし、俺の膣内にバイブを呑みこませていく。
「っああああああ!!!」
 ミチミチ、という肉が押し広げられる音が聞こえてくるかのようだった。想像通り、そのバイブはかなり太く、狭い穴を割り広げるように中に入ってくる。穴が裂けてしまうのではないかと危惧したが、自分自身が放った愛液と美佐子が丹念に染み込ませていた唾液が潤滑油となったのか、バイブは奥深くまで潜り込んできた。
 ラビアとラビアが接触しそうなほどお互い深くバイブを呑みこんだ。その状態で、美佐子は俺の体を強く抱きしめた。その拍子にバイブがさらに減り込んできたような気がして、高く喘ぎ声をあげる。
「いまからが、本番よ……っ!」
 いつの間にか、美佐子は手にスイッチらしきものを握っていた。俺の目の前で、見せつけるようにそのスイッチがオンになる。
 瞬間、体の中に潜り込んでいたバイブが蠢き、震動し始める。
「んあああああ!!」
「んくぅ……!!」
 悲鳴を上げる俺と、それを噛み殺す美佐子。
 ゆっくりと美佐子が腰を下げると、こちらの中からバイブが抜け、それが新たな刺激となって自然と嬌声をあげさせた。
 何度か出し入れを繰り返す美佐子が、不意にこちらに向かって怒ったように声を投げかけてくる。
「涼子もちゃんと咥えてよ……! こっちにも、抜き差しの感覚を頂戴……! 自分ばっかり楽しんでないで」
 咥えるとはどういうことか。一瞬わからかったが、膣の内圧を増してバイブをしっかり固定してくれと言っているのだということをすぐに察した。なるほど、向こうがしっかりバイブをホールドすれば、こちらは膣の中をバイブが抜き差しされる感覚を知れる。逆にこっちが強くバイブをホールドすれば、向こうがその感覚を味わえる、ということか。
 早速膣でバイブを締め付け、向こうに抜き差しの感覚を味わってもらおうとしたのだが……どうも、上手く力を入れる方法がわからない。
 何とか下腹部に力を入れて締めつけるようにしてみたが、その瞬間バイブの震動が明確に感じられるようになって折角入れた力が緩んでしまう。どうしようもなく、困っているといい加減焦れたのか、美佐子が強行策を取ってきた。
 手を伸ばして、俺の乳首を捻り潰すように摘まんだのだ。
 敏感になっていた乳首に対する乱暴な仕打ち。純粋に痛みによる悲鳴を上げると、美佐子が満足げに頷くのがわかった。
「いい、感じよっ! しっかり、中が締まって、こっちが、抜け、そうに、なった、わ……!」
 今度は逆の側の乳首が摘ままれた。やはりめちゃくちゃ痛い。今度は悲鳴をこらえたが、膣の締め付けはちゃんと強くなったのか、美佐子が嬌声を上げる。
「いいわっ! ものすごく気持ちいいわよ! 涼子!」
「わ、あっ、たしも、ふぁ、気持ち、いい!」
 美佐子が腰を振って動くたびに、バイブが抜けそうになったり、深くに潜り込んできたり、大きな美佐子の乳房が揺れるのを見て、こちらの胸が揺れるのも感じて。
 感じる快感に訳がわからなくなって、頭の中が真っ白になる。
「イク、イクわっ!!」
「イ、イっちゃう!!」
 そして、二人で同時に果てた。
 その時の、満足げな美佐子の絶頂の声が、耳にこびりついている。




 自分の部屋に一人でいる時に。電話がかかってきた。
 出る前に思った通り、電話の相手はあの未熟な天使だった。
『れ、連絡が遅れて申し訳ありませんです! 今日、ようやく魔力が回復してでふぬっ!!』
 さすがに三度目ともなるともう慣れちゃって。
「噛んだ?」
『す、すいません……はい、噛みました』
 申し訳なさそうに謝ってきた天使は、改めて、という風に一つ咳払い。
『それで、ですね……先日は上手く願いを叶えさせていたただくことが出来なかったので、改めまして、願いを叶えさせて……あ、その前に、以前間違って叶えてしまいましたので、それの修正を……』
「あー、待ってくれる?」
『はい?』
 俺は用意しておいた言葉を紡いだ。特に躊躇わず。
「このままでいい」
『へ? いいいのですか?』
 思いがけず女の子になっちまって、俺は天使から連絡があったらすぐに戻ろうと思っていた。けど、どうもこの方が美佐子とは楽しい時を過ごせるような気がするし……それに。
 気持ちよかったし。あの快感は病みつきになってしまう。手放すことなんて出来そうになかった。
「もしも嫌になったらまた新しい願いとして叶えてもらうよ。とりあえず、今はこのままでいい」
『はぁ……そうですか……わかりました』
 俺はこちらから天使に対する連絡方法を聞いた後、受話器を置いた。
 電話のすぐ傍にかけてあるカレンダーを見て、美佐子とのデートが数日後に予定されていることを確認する。
「ふふっ……今度はどんな風に気持ち良くさせてくれるのかな……」
 いまや『女の子』としてとりあえず生きていくことを決めた俺――いや『私』は期待に胸を膨らませて次のデートの時を思った。




~あなたの望みはなんですか? 終~

Comment

No.178 / toshi9 [#YK3S2YpI]

あちらのお話とは随分違う展開になりましたね。
でもとっても楽しませてもらいました。
彼ももう元に戻る気無いんだろうなぁ。

2009-05/07 23:57 (Thu) 編集

No.180 / 名無しさん [#-]

身も心も従順ですね、ツボにはまりまくりです

2009-05/08 00:11 (Fri)

No.181 / 光ノ影 [#-] toshi9さん

> あちらのお話とは随分違う展開になりましたね。
 あちらのお話が通常天使だったのに対し、こちらでは未熟な天使でしたからね。
 繋がる相手に従って、かなり結果も違うことになります。
 むしろ、こっちのように未熟な天使に下手に願い事をするとどんなことになるか全く不明で危険極まりないです(笑)。

> でもとっても楽しませてもらいました。
 ありがとうございます。その言葉が私の活力源です。

> 彼ももう元に戻る気無いんだろうなぁ。
 ええ。戻る気はないでしょうね……。
 強いて戻る理由もありませんしね。

 コメントありがとうございました!
 またのお越しをお待ちしております!

2009-05/09 10:26 (Sat)

No.182 / 光ノ影 [#-] 名無しさん

> 身も心も従順ですね、ツボにはまりまくりです
 はい。彼自身が『従順な感じ』と言ってしまったので、その性質が反映されています。
 本気で抗えば反抗することも出来るでしょうけど……しないでしょうねえ(笑)。

 コメント、どうもありがとうございました!

2009-05/09 10:29 (Sat)

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